長崎県の気候データ|10指標の全国順位・偏差値と月別データ(気象・台風・地震)

気象データベース47都道府県データ長崎県

長崎県の気候データ

年平均気温は全国4位なのに、猛暑日は全国38位。海と半島と離島がつくる、九州でいちばん「海洋的」な気候の県です。10の指標について、全国順位・偏差値・月別データをまとめました。

気象庁 平年値 1991〜2020年 長崎地方気象台 監修:気象予報士 最終更新 2026年8月1日

この県の要点

すごしやすい月

4月・5月・10月

10月は晴れ60%で年間1位の行楽月

すごしにくい月

7月・8月

6月の大雨336mmと、38日つづく熱帯夜

強み

冬が暖かい

冬日は年3.6日・真冬日0日。海が寒さを消す

注意

梅雨の大雨/台風/夏の夜の暑さ

島原半島には雲仙断層群と火山

気温

17.4

全国 4位

降水量

1,895mm

全国 12位

降雪量

4cm

全国 30位

日照時間

1,863時間

全国 31位

晴れの出現率

44.5%

全国 25位

湿度

71%

全国 15位

01月別データ ── いつ行くのがよいか

まずは結論から。12ヶ月を1枚にまとめました。旅行や引っ越しの時期選びなら、これだけで判断できます。

1月△ 寒いが雪も舞う

10.7 / 4.0

雪の帯は12%あるが、海のおかげで冬日は年3.6日

2月△ 寒暖差が大

12.0 / 4.5

三寒四温。春の便りは九州でも早い

3月○ 良好

15.3 / 7.5

春本番へ。日差しは月160時間まで回復

4月◎ ベスト

19.9 / 11.7

昼は20℃前後。晴れ47%で外出に最適

5月◎ ベスト

23.9 / 16.1

快適。ただし紫外線はもう真夏級

6月△ 梅雨・大雨

26.5 / 20.2

梅雨入り。月336mmは年間で最も雨が多い

7月✕ 蒸し暑さ・大雨

30.3 / 24.5

梅雨末期の大雨293mm。明けると熱帯夜へ

8月✕ 熱帯夜・台風

31.9 / 25.3

夜も25℃超。熱帯夜38日は全国7位

9月△ 台風・残暑

28.9 / 21.9

台風接近のピーク。残暑も長い

10月◎ ベスト

24.1 / 16.5

晴れ60%は年間1位。行楽の最適月

11月○ 良好

18.5 / 11.0

穏やかな晩秋。紅葉と夜景の季節

12月△ 冬型・時々雪

13.1 / 6.0

冬型が始まる。雪が舞う日も晴れ間は多い

気温は「最高 / 最低(℃)」の平年値。左の色は過ごしやすさ(緑=ベスト/橙=注意/赤=厳しい)。

0210指標のかたち

「暑いのか寒いのか」「雨が多いのか少ないのか」は、単体の数字を見てもピンときません。全国47都道府県の平均を偏差値50として、10指標を1枚のチャートにまとめました。外側に張り出しているほど「多い・強い・高い」、内側にへこんでいるほど「少ない・弱い・低い」です。気温・紫外線・湿度・台風が外に張り出し、風だけが大きくへこんだ形をしています。

50=全国平均70 気温58降水量56降雪量44日照時間47晴れの出現率53湿度54紫外線59風速41台風56地震49

中央の太い十角形が偏差値50(=全国平均)、いちばん外の枠が偏差値70です。地震だけは値が一部の県に極端に偏るため、対数をとってから偏差値化しています。

正確な数値と順位、それぞれのランキングページへの入口は下の表にまとめました。「長崎県のことが知りたい」人はこのページで完結し、「他県と比べたい」人はランキングへ進めます。

長崎県の10指標。値・偏差値・全国順位・九州内順位。
指標偏差値 全国順位九州内順位 全国の中での位置ランキング
🌡️ 気温(年平均気温) 17.4℃ 58 4位/ 47位中 4位/ 8位中 平均気温ランキング →
🌧️ 降水量(年間降水量) 1,895mm 56 12位/ 47位中 6位/ 8位中 降水量ランキング →
⛄ 降雪量(年間降雪量(深さ合計)) 4cm 44 30位/ 47位中 1位/ 8位中 降雪量ランキング →
🌞 日照時間(年間日照時間) 1,863時間 47 31位/ 47位中 7位/ 8位中 日照時間ランキング →
🌤️ 晴れの出現率(晴れの日の割合(58年集計)) 44.5% 53 25位/ 47位中 5位/ 8位中 晴れの出現率ランキング →
💧 湿度(年平均湿度) 71% 54 15位/ 47位中 3位/ 8位中 湿度ランキング →
🧴 紫外線(UV指数の年平均(推定値)) 4.41 59 5位/ 47位中 5位/ 8位中 紫外線ランキング →
🍃 風速(年平均風速) 2.3m/s 41 37位/ 47位中 7位/ 8位中 平均風速ランキング →
🌀 台風(接近数(年平均)) 3.8個/年 56 4位/ 47位中 4位/ 8位中 台風の接近数ランキング →
🌏 地震(震度1以上の回数(年平均)) 36.7回/年 49 22位/ 47位中 4位/ 8位中 地震観測回数ランキング →
この数値を引用する・CSVで保存する
長崎県の年平均気温は17.4℃(4位)、年間降水量1,895mm(12位)、
年間日照時間1,863時間(31位)、晴れの出現率44.5%(25位)。
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「長崎県の気候データ」
   気象庁 平年値(1991〜2020年)/長崎地方気象台/
   気象庁 震度データベース/防災科研 J-SHIS 2024年版/
   当サイト58年独自集計(天気出現率)
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   2026年7月 取得

0310の指標を、1つずつ読む

ここからは10の指標を1つずつ取り上げて、長崎県がなぜその数字になるのかを気象予報士の視点で解説します。数字そのものは上の表とチャートに出ていますので、ここでは「その数字を生んでいる仕組み」と「数字だけ見ていると誤解すること」を中心に書きます。

01

気温 ── 全国4位、暖かさの正体は対馬暖流と海の県土

結論:長崎の気温は「暑くなりすぎず、冷えもしない」。海がつくる振れ幅の小さい暖かさ。
17.4 偏差値 58 全国 4位 / 47位中 九州 4位 / 8位中 平均気温ランキング →

年平均気温17.4℃は全国4位、偏差値58。上位は沖縄23.3℃・鹿児島18.8℃・宮崎17.7℃で、長崎はそれに次ぐ暖かさです。九州北部にありながら南九州と肩を並べる——理由は対馬暖流と、三方を海に開き離島が多くを占める県土そのものにあります。

長崎の代表観測点(長崎市)は、東シナ海に開いた港町の斜面にあります。冬の季節風は対馬暖流の暖かい海を渡ってから届くため冷え切らず、1月の平均最低気温は4.0℃。冬日(最低0℃未満)は年3.6日・全国43位で、真冬日は0日です。内陸の佐賀(冬日19.6日)と比べると、海の保温力がどれほど効いているかが分かります。

夏も海が主役です。8月の平均最高気温は31.9℃と九州では控えめで、猛暑日(最高35℃以上)は年6.7日・全国38位しかありません。ところが夜は海水温が下がらないため気温も下がらず、熱帯夜は38.3日・全国7位。「昼はしのげるのに、夜が寝苦しい」——内陸の佐賀(昼は全国トップ級・夜は楽)とちょうど正反対の、海洋型の夏です。

夏と冬の「極値」長崎県の値 全国順位くわしく
猛暑日(最高35℃以上)6.7日 / 年38位 / 47位中 猛暑日ランキング →
熱帯夜(最低25℃以上)38.3日 / 年7位 / 47位中 熱帯夜ランキング →
冬日(最低0℃未満)3.6日 / 年・真冬日は0日43位 / 47位中 冬日・真冬日ランキング →

この3行が、年平均17.4℃という数字の中身です。夏の極値は「夜型」(熱帯夜7位・猛暑日38位)、冬の極値はほぼゼロ(冬日3.6日・真冬日0日)。長崎の気温は振れ幅の小ささこそが特徴で、寒さへの備えは軽くてすむ代わりに、夏は夜の暑さ対策——寝室の冷房をためらわないことが、この県の正解です。

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02

降水量 ── 全国12位、1982年長崎大水害を生んだ梅雨の集中

結論:量は多め、主役は6月の336mm。斜面と離島の県では、雨は量より降り方が問題。
1,895mm 偏差値 56 全国 12位 / 47位中 九州 6位 / 8位中 降水量ランキング →

年間降水量1,895mmは全国12位、偏差値56。月別では6月336mm・7月293mm——梅雨の2ヶ月で629mm、年間の3分の1が梅雨に降ります。冬は月63〜84mmしかなく、年間合計より「梅雨への集中」こそがこの県の雨の形です。

そして長崎には、1982年7月の長崎大水害という記憶があります。長崎市周辺では夕方からの数時間に猛烈な雨が集中し、長与町では1時間187mm——今も破られていない日本記録です。斜面都市・長崎では雨水が一気に谷筋へ集まり、崖崩れと土石流が同時多発します。県内の雨量差も大きく、雲仙岳では年2,927mmと長崎市(1,895mm)の1.5倍。斜面か平地か、半島か離島か——住む場所で雨のリスクが大きく変わる県です。

もうひとつ、雨の量では見えない指標が雷です。長崎県の年間雷日数は21.6日で全国17位。夏の積乱雲に加えて、冬にも対馬海峡から雷雲が流れ込む「冬季雷」があるのが九州西岸の特徴です。屋外作業や電子機器の避雷を考えるなら、降水量の順位ではなく雷日数を見てください。

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03

降雪量 ── 年間4cmは九州最多タイ、雪は対馬海峡からやって来る

結論:年平均気温は全国4位の暖かい県なのに、九州でいちばん雪雲の通り道にある。
4cm 偏差値 44 全国 30位 / 47位中 九州 1位 / 8位中 降雪量ランキング →

年間降雪量は4cm、全国30位。「長崎で雪」と聞くと意外ですが、九州8県では佐賀と並ぶ最多タイです。年平均気温が全国4位の暖かい県に、なぜ雪が積もるのか——答えは地理にあります。

長崎に雪を降らせるのは、日本海をわたってくる筋状の雲です。強い寒気が吹き出すと対馬海峡で雪雲の列が発達し、遮る山のない海上を通って県内へまっすぐ流れ込みます。九州の他県の多くが山地の陰に入るのに対し、長崎県は雪雲の通り道に正面から向き合う位置にあります。雪の日の出現率は2.6%(全国25位)と九州では多く、2016年1月の寒波では長崎市で17cmの記録的な積雪になりました。

注意すべきは、坂の街ならではの道路事情です。斜面都市の長崎では、数cmの雪でも坂道が凍結すると車も歩行者も動けなくなります。2016年1月の寒波では水道管の凍結破裂が九州一円で相次ぎ、長崎県内でも断水が長期化しました。年に数日しか降らない地域ほど備えが薄く、同じ数cmの雪でも生活への打撃は雪国より大きくなります。降雪量の順位が下位の県ほど、雪への耐性は低い——この逆説は、雪の指標を読むときに必ず頭に置いてください。

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04

日照時間 ── 全国31位、日照の谷は「冬」と「梅雨」の2回ある

結論:年1,863時間は九州7位。冬は日本海側の顔で曇り、主役は8月と秋にある。
1,863時間 偏差値 47 全国 31位 / 47位中 九州 7位 / 8位中 日照時間ランキング →

年間日照時間1,863時間は全国31位、九州・沖縄8県では7位です。同じ九州北部でも佐賀(1,971時間・22位)より年100時間以上短く、海に開けた長崎は冬の雲の影響を正面から受けます。

冬型の気圧配置になると、長崎は「日本海側の顔」で振る舞います。対馬海峡で発生した雲が海上からそのまま流れ込むため、1月の日照は104時間と福岡並みに落ち込みます。脊振山地の山かげでいくらか晴れる佐賀(128時間)との差は、九州北部の中での立地の違いをよく表しています。

いちばん長いのは8月の207時間。梅雨の6月は125時間まで落ち込み、長崎の日照の谷は「冬」と「梅雨」の2回あります。いっぽう10月は179時間・晴れの出現率60%と秋の空は安定し、快晴日数は年31.9日・全国16位——「曇りの県」というわけでもありません。次の指標で、その晴れ方の中身を見ます。

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05

天気出現率 ── 月別の晴れ・曇り・雨・雪

結論:10月の晴れ60%は年間1位。冬は雪の帯が現れる「日本海側の顔」を持つ。
45% 偏差値 53 全国 25位 / 47位中 九州 5位 / 8位中 晴れの出現率ランキング →

日照時間は「太陽が何時間出ていたか」の合計であって、「晴れの日が何日あったか」ではありません。旅行の日程を決めるときに知りたいのは、たいてい後者のほうです。そこで、その月にどの天気が何割の日に出たかを帯グラフにしました。帯の幅がそのまま出現率(%)です。

年間452527
1月35312212
2月39252511
3月4423302
4月472331
5月442829
6月303041
7月422632
8月541828
9月492329
10月602218
11月522424
12月3933216

帯の幅がそのまま出現率(%)。 晴  くもり  雨 

この形にすると、長崎の空の性格が見えます。冬は雪の帯が1月12%・2月11%と現れ、晴れは35%前後——九州にいながら「日本海側の顔」をもつ冬です。逆に秋は空が澄み、10月の晴れ60%は年間1位。行楽はここが本命です。

6月は雨の帯が41%まで膨らみ、一年で最も雨の日が多くなります。梅雨の期間そのものは他県と変わりませんが、東シナ海からの湿った空気を最初に受け止める九州西岸は、梅雨前線の「一次受け」です。この帯グラフは気象庁の平年値(30年)ではなく、1968年から2025年までの58年分の観測を独自集計した値です。年間の晴れ率45%・全国25位という1つの数字だけでは、この性質は読み取れません。

4つの天気それぞれで全国順位を出すと、長崎の性格が見えてきます。晴れは全国25位(44.5%)、くもりは24位(25.5%)、雨は17位(27.4%)、雪は25位(2.6%)——4つとも中位で、特定の天気への偏りがありません。強いて言えば快晴日数は31.9日・全国16位とやや上位。「どの天気にも振れない、海の空」が長崎です。同じ帯グラフを佐賀(快晴7位)や福岡(くもり10位)と見比べると、九州北部の3県でも空の個性がまるで違うことが分かります。

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06

湿度 ── 年平均71%、梅雨と夏は80%に達する海の湿気

結論:6月・7月は80%。海に囲まれた県には、からっと乾く月がない。
71% 偏差値 54 全国 15位 / 47位中 九州 3位 / 8位中 湿度ランキング →

年平均湿度71%は全国15位、偏差値54。福岡(68%・28位)より一段湿った、九州でも上位の「湿気の県」です。ただしこの指標も、年平均のままでは中身が見えません。

月別では、6月と7月が80%、8月76%・9月73%。梅雨から夏の4ヶ月は、東シナ海の湿った空気がそのまま県土を覆います。気温31.9℃・湿度76%という8月の組み合わせは、体感では気温の数字以上に厳しい。しかも夜は熱帯夜(全国7位)で湿度も下がりません。屋外の作業や部活動は、気温だけでなく暑さ指数(WBGT)で判断してください。

冬もあまり乾きません。12月〜2月でも65〜67%と、海からの湿りが絶えないためです。それでいて冬型の日には雪が舞う——「湿った暖かい冬」が長崎の冬の顔です。空気の乾燥には強い一方、洗濯物の乾きにくさや結露・カビ対策は一年を通しての課題になります。

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07

紫外線 ── 全国5位、本州より南の緯度がそのまま効く

結論:UV指数の年平均は全国5位。対策期間は4〜9月の半年間。
4.41UV指数 偏差値 59 全国 5位 / 47位中 九州 5位 / 8位中 紫外線ランキング →

UVインデックスの年平均は4.41で全国5位。上位はほぼ沖縄と南九州で占められ、九州北部からただひとつ食い込むのが長崎です。北緯32〜33度台という本州のどの県よりも南にある緯度が、そのまま順位に出ています。

月別で注目してほしいのは、5月にすでに5.6(「強い」の上位)へ達することです。気温はまだ24℃前後で過ごしやすいのに、紫外線は真夏に迫る水準。海辺のレジャーが気持ちいい季節ほど、対策が抜けやすくなります。

ピークは8月の7.3。6月は梅雨の雲でいったん5.4に下がり、梅雨明けとともに跳ね上がる形です。9月も5.5残るため、実質的な対策期間は4月から9月までの半年間。雲があっても紫外線の6〜7割は地表に届くので、曇りの日を「大丈夫な日」と考えないでください。

「何月の何時が強いのか」は、月平均だけでは分かりません。下は晴天時のUVインデックスを月と時刻の両方で並べた表です。

晴天時UVインデックス早見表(月×時刻)

結論:7月の正午〜13時が最も強く9.2。 「非常に強い」に入るのは7月と8月の11〜14時だけですが、5月・6月の正午は7.5〜7.8で「強い」に達します。 気温がまだ過ごしやすい5月の昼にも、真夏に近い紫外線が降っていることが表から読み取れます。

九州北部(福岡県・佐賀県・長崎県)の晴天時UVインデックス。行が月、列が時刻。
891011121314151617
1月0.00.41.11.92.42.41.81.10.40.0
2月0.20.71.72.73.43.52.81.80.80.2
3月0.41.32.74.04.84.73.82.51.20.4
4月0.92.23.95.46.26.04.93.31.70.6
5月1.53.15.06.77.57.25.94.02.20.9
6月1.63.35.27.07.87.66.44.52.61.1
7月1.83.76.08.19.29.17.75.53.21.5
8月1.43.35.67.68.78.67.14.92.71.1
9月0.92.44.25.96.76.45.03.21.50.4
10月0.61.63.04.24.84.43.21.80.70.1
11月0.20.91.92.73.12.82.01.00.30.0
12月0.10.51.21.92.32.21.60.80.20.0

弱い0〜2中程度3〜5強い6〜7非常に強い8〜10極端に強い11以上

色は気象庁・WHOのUVインデックス区分そのものです。枠で囲んだ数字はその月のピーク。 6時台・7時台と18時以降は、一年を通してUVインデックスが1未満のため列から省いています(対策不要の水準です)。 値は雲のない晴天時の推計で、曇りの日は6〜7割程度に下がります。晴天時の値は緯度でほぼ決まるため、佐賀・福岡など九州北部ではほぼ共通です。

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08

風 ── 全国37位、海の県なのに風が弱いという意外

結論:平均風速は全国37位と意外に弱い。ただし本当のリスクは平均値ではなく台風の暴風。
2.3m/s 偏差値 41 全国 37位 / 47位中 九州 7位 / 8位中 平均風速ランキング →

年平均風速2.3m/sは全国37位、偏差値41。三方を海に囲まれた県なのに風が弱い——意外な数字ですが、種明かしは観測点の立地です。長崎地方気象台は山に囲まれた斜面の街・長崎市にあり、周囲の地形が風をさえぎります。この指標は代表地点の置き場所に最も左右されやすいので、順位だけを一人歩きさせないでください。

実際、同じ県内でも海に突き出た地点では風はまるで違います。東シナ海に開けた五島や対馬、野母崎などの沿岸部は冬の北西季節風をまともに受ける強風地帯で、市街地の2.3m/sという数字とは別世界です。「長崎県の風速」という1つの数字が代表できる範囲は、実はかなり狭いのです。

季節では3月と7月の2.6m/sが最も強く、11月の2.0m/sが最も弱い。春は低気圧の通過、夏は海陸風が理由です。そして年平均風速という指標には、台風の暴風はほとんど反映されません。長崎の風の本当のリスクは平均値の中ではなく、次の⑨にあります。

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09

台風 ── 接近は年3.8個で全国4位、上陸18回は九州の「受け止め役」

結論:接近も上陸も多い、台風を正面から受ける県。1991年の台風19号は佐世保に上陸した。
3.8個/年(接近) 偏差値 56 全国 4位 / 47位中 九州 4位 / 8位中 台風の接近数ランキング →

この表で台風の指標に使っているのは「上陸数」ではなく「接近数」です。先に理由を書きます。気象庁の「上陸」は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、沖縄県は定義上どれだけ台風が通っても上陸に数えられません。上陸数で47都道府県を並べると、日本で最も台風の影響を受ける沖縄が最下位に並ぶという逆転が起きます。また上陸は中心が最初に達した1県だけを数えるため、隣県が大きな被害を受けても数字に表れません。中心から300km以内に入った回数を数える「接近数」なら、47都道府県すべてを同じものさしで、しかも毎年の値として比べられます。

「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することをいいます。この定義で数えると、長崎県への上陸は過去75年で18回。鹿児島県の45回に次ぐ、九州で2番目の多さです。南から北上する台風にとって、東シナ海へ長く突き出した長崎県は九州の「受け止め役」——中心が最初に達する海岸線を、九州で最も広く持つ県のひとつです。

接近で数えても、長崎の多さは変わりません。中心から300km以内に入る「接近」で数えると、九州北部地方には年3.8個(気象庁平年値・1991〜2020年)。月別では7月0.8個・8月1.1個・9月1.1個で、この3ヶ月に年間の約8割が集中します。月別表の台風の列が夏にはっきり色づくのは、隣の地震の列との最大の違いです。地震は時期を選べませんが、台風は「来やすい時期」がわかっている。つまり備えを計画できる災害です。市町村別の詳しい接近回数は台風の接近数ランキングで確認できます。

警戒すべきは暴風と、海のリスクです。1991年の台風19号は佐世保市付近に上陸し、佐世保では最大瞬間風速54.3m/sを観測、県内全域が記録的な暴風になりました。台風が九州の西の海上を進むコースでも、長崎県は進行方向の右側=危険半円に入り、暴風と高波をまともに受けます。離島では海上交通が止まり生活物資に直結する——海の県ならではの弱点です。「毎年3.8個接近し、ときに上陸する」前提で、7〜9月の予定には台風の代替日を用意してください。

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10

地震 ── 過去の観測回数と、これからの確率

結論:回数の多くは雲仙の火山活動によるもの。島原半島に断層群と火山、読むべきは回数の中身。
約36.7回/年 偏差値 49 全国 22位 / 47位中 九州 4位 / 8位中 地震観測回数ランキング →

九州8県では4番目、全国22位。福岡(15.7回)や佐賀(7.6回)よりはっきり多い数字ですが、中身が独特です。長崎の回数の多くは、島原半島——雲仙の火山活動によるものです。1990〜95年の雲仙普賢岳の噴火活動期には火山性の有感地震が群発し、107年合計3,931回のうち相当部分がこの時期と島原半島周辺に集中しています。「県全体が満遍なく揺れてきた」回数ではなく、「火山の足元が集中的に揺れた」回数として読むのが正確です。

九州8県の地震観測回数(震度1以上・回/年)

鹿児島県114.0
熊本県74.5
沖縄県69.0
長崎県36.7
宮崎県27.5
大分県24.7
福岡県15.7
佐賀県7.6

1919〜2026年の107年間の平均。バーの長さは鹿児島県を100%とした割合。出典:気象庁 震度データベース検索

「地震が少ない=安全」ではありません

この数字は過去に何回揺れたかであって、これから何回揺れるかではありません。長崎県では1922年の島原地震で島原半島に大きな被害が出たほか、1792年には雲仙・眉山の大崩壊と有明海の津波で約1万5千人が犠牲になる「島原大変肥後迷惑」が起きています。熊本は2016年、石川は2024年に、それぞれ「回数が多い県」ではないところで大きな被害が出ました。むしろ、回数が少ない県ほど耐震意識と備えが薄いという指摘があります。揺れ慣れていないぶん、家具の固定も備蓄も後回しになりやすいためです。過去の回数は防災の判断材料の半分でしかありません。

そこで、残り半分の「これからの確率」を並べます。地震調査研究推進本部(J-SHIS)が公表している、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率です。

過去の実績

約36.7回/年

震度1以上(1919〜2026年)・全国22位。107年間の合計は3,931回。過去にどれだけ揺れたか

これからの確率

7.0%

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率。長崎県庁位置・J-SHIS 2024年版(2026年7月取得)。これから揺れる可能性

足元の活断層

ほぼ0〜4%

雲仙断層群(南西部・北部)の30年以内の地震発生確率。M7.3程度・地震本部 長期評価(2006年一部改訂)。全国の主要活断層の中で発生確率が「高いグループ」

島原半島を走る断層群と、生きている火山。島原半島には雲仙断層群が延び、南西部(北部)の想定はM7.3程度・30年以内ほぼ0〜4%——全国の主要活断層の中で発生確率が「高いグループ」に入ります。そして半島の中央には、いまも活動を続ける雲仙普賢岳があります。1792年・1922年・1990年代と、地震・噴火・津波の記憶がひとつの半島に重なる、九州でも特別な場所です。回数の数字だけでなく、断層と火山という足元の実体を並べて初めて、防災の判断材料になります。

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04県内の主要都市を比べる

同じ長崎県でも、斜面の港町・長崎と、県北の佐世保、有明海側の島原、外海の平戸ではかなり違います。とくに夏の猛暑日は、半島の内側と海の上で3倍以上の差がつきます。

長崎市県庁所在地

年平均気温
17.4℃
年間降水量
1,895mm
年間日照時間
1,863時間
猛暑日日数
6.7日

港を囲む斜面の街。海のおかげで猛暑は少なく冬も温暖。坂と夜景と、時々の大雨。

佐世保市県北の港町

年平均気温
17.2℃
年間降水量
1,989mm
年間日照時間
1,923時間
猛暑日日数
10.2日

リアス海岸の港湾都市。気候は長崎市に近く、日照はやや長め。

島原市島原半島

年平均気温
17.4℃
年間降水量
2,211mm
年間日照時間
2,095時間
猛暑日日数
22.7日

有明海側の城下町。半島の内側は内陸的にふるまい、猛暑日は県内で最も多い。

平戸市西の海上

年平均気温
16.3℃
年間降水量
2,206mm
年間日照時間
1,778時間
猛暑日日数
0日

外海に開いた島の城下町。猛暑日はゼロ、風は強く、海洋性気候の見本。

05気象予報士の総括

10の指標を通して見ると、長崎県は「九州でいちばん海洋的な気候の県」だと言えます。気温4位なのに猛暑日38位、海の県なのに風速37位、暖かいのに降雪は九州最多タイ、そして紫外線は全国5位。一見ちぐはぐなこの並びは、「三方の海と対馬暖流がすべてを決めている」と読んだ瞬間に、一本の筋でつながります。

月別に分解すると、海の支配はさらにはっきりします。降水量は梅雨の2ヶ月に3分の1が集中し、湿度は6月・7月に80%へ達し、台風は7〜9月に8割が集中する。気温の中身は熱帯夜38.3日(全国7位)と冬日3.6日(全国43位)。長崎の気候は振れ幅が小さいぶん、負荷が「夏の夜」と「梅雨の雨」に集中して現れます。このページで月別表と帯グラフを大きく取っているのは、そのためです。

そして9番目と10番目、台風と地震。同じ災害でも読み方は正反対です。台風は月別表が夏に色づくとおり時期で備えられる災害、地震は月ごとの差が「過去にいつ起きたか」の歴史でしかなく、確率でしか読めない災害です。長崎は台風上陸18回という九州の「受け止め役」であり、地震の回数には雲仙という火山の鼓動が刻まれています。1982年の長崎大水害、1991年の台風19号、雲仙普賢岳、1792年の島原大変——この県の災害史は、気候の数字のすぐ隣にあります。順位の並びだけでは、この県は読めません

暑さは「夜」で読み、雨は「梅雨」で備え、台風と火山には「正面から」向き合う——このページの結論はこの一行です。

06近くの県・気候が似た県と比べる

「長崎と佐賀って何が違うの?」に答えるための入口です。詳細ページが未公開の県は、47都道府県データの一覧表で該当行を確認できます。

47都道府県データの一覧表で、複数の県を並べて比較する →

07関連ページ

出典・集計方法・データの限界
気温・降水量・日照時間・湿度・風速
気象庁の平年値(1991〜2020年)。県の代表値は長崎地方気象台の観測値、県内都市は各地の気象台・観測所の値です。
偏差値と全国順位
全国47都道府県の代表観測点の値から当サイトが算出しました。
紫外線(UV指数)
日本国内の実測地点が限られているため、気象庁の紫外線解析値(推定値)をもとにした値です。実測値ではありません。
天気出現率
気象庁の日別天気概況をもとに、日ごとの天気を晴れ・曇り・雨・雪の4区分に集計(1968〜2025年の58年分・当サイト独自集計)。
降雪量
気象庁の平年値(降雪の深さ合計)。
地震
気象庁「震度データベース検索」で震度1以上を観測した回数(1919年1月〜2026年、観測点数の増加による影響を含みます)。
30年確率・活断層
地震調査研究推進本部/防災科研(J-SHIS)の公表値。

1日のうちで天気が変わった日は代表的な天気に寄せているため、天気出現率は体感と数%のずれが出ることがあります。

降雪量と地震の偏差値は、値が一部の県に極端に偏るため、対数変換したうえで算出しています。

台風の列について。月別表の台風は長崎県単独ではなく、九州北部地方への接近数の平年値(気象庁・1991〜2020年)です。たとえば「7月 0.8」は「毎年7月に平均0.8個接近する」という意味です。

地震の列について。月別表の地震だけ色を付けていません。4月・8月・12月が大きいのは「雲仙の火山活動の群発や1922年の島原地震がその月に起きた」という107年分の歴史であって、季節性ではないからです。年間にならすと約36.7回(3,931回÷107年)です。

監修:のぶやん(気象予報士)/最終更新:2026年8月1日

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