栃木県の気候データ|10指標の全国順位・偏差値と月別データ(気象・台風・地震)

気象データベース47都道府県データ栃木県

栃木県の気候データ

雷26.5日は全国10位、1月の晴れは73%。夏の雷雨と冬の快晴——「雷都」宇都宮を擁する光と音の県です。10の指標について、全国順位・偏差値・月別データをまとめました。

気象庁 平年値 1991〜2020年 宇都宮地方気象台 監修:気象予報士 最終更新 2026年8月2日

この県の要点

すごしやすい月

4月・5月・10月

1月の晴れ73%・日照212時間——下野の冬は光の国

すごしにくい月

7月〜9月

夏は雷雨で月215mm、雷は全国10位。冬の朝は-2℃

強み

雷は全国10位の「雷都」

年26.5日の雷。夏の午後の夕立が名物の内陸気候

注意

夏の雷と夕立/冬の放射冷却/日光連山の山岳気象

1949年の今市地震M6.2と、日光周辺の群発地震の歴史

気温

14.3

全国 37位

降水量

1,525mm

全国 27位

降雪量

18cm

全国 19位

日照時間

1,961時間

全国 24位

晴れの出現率

46.1%

全国 20位

湿度

70%

全国 17位

01月別データ ── いつ行くのがよいか

まずは結論から。12ヶ月を1枚にまとめました。旅行や引っ越しの時期選びなら、これだけで判断できます。

1月◎ 晴れ73%・日照212時間

8.6 / -2.2

晴れ73%・日照212時間は年間1位。朝は-2.2℃の冷え込み

2月○ 晴れ65%・雪は2月注意

9.7 / -1.3

晴れ65%・雪の日10%。南岸低気圧に注意の月

3月○ 良好

13.4 / 2.1

雨は月88mmへ増える。三寒四温で春へ向かう

4月◎ ベスト

18.8 / 7.4

昼は18.8℃。桜と新緑の絶好の行楽期

5月◎ ベスト

23.3 / 13.0

昼23.3℃・日照175時間。爽やかな行楽の月

6月△ 梅雨入り・175mm

25.9 / 17.4

梅雨入り。晴れ22%・雨の日41%のじめじめ期

7月△ 昼29.5℃・雷雨の季節

29.5 / 21.4

梅雨と雷雨で月215mm。昼29.5℃の蒸し暑さ

8月△ 昼30.9℃・雷と夕立の月

30.9 / 22.5

昼30.9℃・熱帯夜3.3日。夕立と雷の月

9月△ 台風・秋の長雨

27.0 / 18.8

台風と秋雨で月217mmは年間最多。二百十日の警戒月

10月△ 月174mm・秋の長雨

21.4 / 12.6

月174mmと秋雨は続く。台風の置き土産に注意

11月○ 秋晴れの紅葉月

15.9 / 5.7

晴れ59%へ回復。日光の紅葉が輝く月

12月◎ 晴れ72%・冬晴れ本番

10.8 / 0.2

晴れ72%と乾いた師走。男体山が映える澄んだ空

気温は「最高 / 最低(℃)」の平年値。左の色は過ごしやすさ(緑=ベスト/橙=注意/赤=厳しい)。

0210指標のかたち

「暑いのか寒いのか」「雨が多いのか少ないのか」は、単体の数字を見てもピンときません。全国47都道府県の平均を偏差値50として、10指標を1枚のチャートにまとめました。外側に張り出しているほど「多い・強い・高い」、内側にへこんでいるほど「少ない・弱い・低い」です。地震がやや張り出すほかは大きな偏りがない「バランスのとれた内陸」の形をしています。

50=全国平均70 気温45降水量47降雪量51日照時間52晴れの出現率55湿度52紫外線44風速50台風49地震61

中央の太い十角形が偏差値50(=全国平均)、いちばん外の枠が偏差値70です。地震だけは値が一部の県に極端に偏るため、対数をとってから偏差値化しています。

正確な数値と順位、それぞれのランキングページへの入口は下の表にまとめました。「栃木県のことが知りたい」人はこのページで完結し、「他県と比べたい」人はランキングへ進めます。

栃木県の10指標。値・偏差値・全国順位・関東内順位。
指標偏差値 全国順位関東内順位 全国の中での位置ランキング
🌡️ 気温(年平均気温) 14.3℃ 45 37位/ 47位中 6位/ 7位中 平均気温ランキング →
🌧️ 降水量(年間降水量) 1,525mm 47 27位/ 47位中 3位/ 7位中 降水量ランキング →
⛄ 降雪量(年間降雪量(深さ合計)) 18cm 51 19位/ 47位中 2位/ 7位中 降雪量ランキング →
🌞 日照時間(年間日照時間) 1,961時間 52 24位/ 47位中 5位/ 7位中 日照時間ランキング →
🌤️ 晴れの出現率(晴れの日の割合(58年集計)) 46.1% 55 20位/ 47位中 5位/ 7位中 晴れの出現率ランキング →
💧 湿度(年平均湿度) 70% 52 17位/ 47位中 2位/ 7位中 湿度ランキング →
🧴 紫外線(UV指数の年平均(推定値)) 3.67 44 36位/ 47位中 6位/ 7位中 紫外線ランキング →
🍃 風速(年平均風速) 2.9m/s 50 24位/ 47位中 3位/ 7位中 平均風速ランキング →
🌀 台風(接近数(年平均)) 3.3個/年 49 20位/ 47位中 1位/ 7位中 台風の接近数ランキング →
🌏 地震(震度1以上の回数(年平均)) 113.9回/年 61 9位/ 47位中 3位/ 7位中 地震観測回数ランキング →
この数値を引用する・CSVで保存する
栃木県の年平均気温は14.3℃(37位)、年間降水量1,525mm(27位)、
年間日照時間1,961時間(24位)、晴れの出現率46.1%(20位)。
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「栃木県の気候データ」
   気象庁 平年値(1991〜2020年)/宇都宮地方気象台/
   気象庁 震度データベース/防災科研 J-SHIS 2024年版/
   当サイト58年独自集計(天気出現率)
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   2026年7月 取得

0310の指標を、1つずつ読む

ここからは10の指標を1つずつ取り上げて、栃木県がなぜその数字になるのかを気象予報士の視点で解説します。数字そのものは上の表とチャートに出ていますので、ここでは「その数字を生んでいる仕組み」と「数字だけ見ていると誤解すること」を中心に書きます。

01

気温 ── 全国37位、冬日7位の「朝は氷点下の内陸」

結論:栃木の気温は全国37位。冬日72.9日は全国7位——放射冷却の本場。
14.3 偏差値 45 全国 37位 / 47位中 関東 6位 / 7位中 平均気温ランキング →

年平均気温14.3℃は全国37位、偏差値45——数字は隣の茨城とほぼ並びますが、中身は内陸型です。宇都宮の冬は「よく晴れて、朝は氷点下」。1月の平均最低-2.2℃と、放射冷却の冷え込みは関東平野で屈指です。

冬は冬日(最低0℃未満)が年72.9日・全国7位、真冬日は0日。晴れた夜ほど冷える「放射冷却の教科書」のような県で、乾いた快晴の朝に霜が降ります。日中は11℃前後まで回復する——「朝と昼の二重の冬」です。

夏は8月の平均最高30.9℃、猛暑日は年16.2日・全国21位、熱帯夜は4.7日・全国39位。昼は暑くても夜は気温が下がる内陸型で、寝苦しさは首都圏より軽め。ただし県南は別——佐野は猛暑日34.8日と、関東有数の暑さの街です。

夏と冬の「極値」栃木県の値 全国順位くわしく
猛暑日(最高35℃以上)16.2日 / 年21位 / 47位中 猛暑日ランキング →
熱帯夜(最低25℃以上)4.7日 / 年39位 / 47位中 熱帯夜ランキング →
冬日(最低0℃未満)72.9日 / 年・真冬日は0日7位 / 47位中 冬日・真冬日ランキング →

この3行が、年平均14.3℃という数字の中身です。猛暑日21位・熱帯夜39位・冬日7位——「昼は暑く、夜は冷える」内陸らしい振れ幅。夏の熱中症対策と、冬の霜・路面凍結への備えが両方要る県です。

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02

降水量 ── 全国27位、夏の雷雨と秋の台風で稼ぐ雨

結論:年1,525mmは全国27位。9月217mm・7月215mm——雷雨と秋雨の二本柱。
1,525mm 偏差値 47 全国 27位 / 47位中 関東 3位 / 7位中 降水量ランキング →

年間降水量1,525mmは全国27位、偏差値47——全国では中位ですが、関東では3番目に多い雨です。特徴は配分で、年間最多は9月の217mm、僅差で7月の215mm。夏の雷雨と、秋雨・台風——雨のピークが二つある県です。

そして忘れてはいけないのが川です。2019年10月の台風19号(東日本台風)では県南部で記録的な大雨となり、秋山川の堤防決壊などで栃木市や佐野市が広く浸水しました。鬼怒川・那珂川・渡良瀬川——大河川の上流部を抱える県にとって、大雨は「山で降った雨が川に集まる」災害です。

もうひとつ、雨の量では見えない指標が雷です。栃木県の年間雷日数は26.5日で全国10位——宇都宮が「雷都(らいと)」と呼ばれるゆえんです。夏の午後、日光連山で生まれた積乱雲が平野へ下りてきて、夕立と降ひょうを運びます。

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03

降雪量 ── 宇都宮で18cm、奥日光は別世界の雪国

結論:宇都宮の平年値は18cm。平野は南岸低気圧、山は日本海の雪雲。
18cm 偏差値 51 全国 19位 / 47位中 関東 2位 / 7位中 降雪量ランキング →

年間降雪量は18cm、全国19位——関東では群馬に次ぐ2位です。平野部の雪はほぼすべて「南岸低気圧」によるもので、1月・2月に年数回の勝負。一方で県北の山岳部には、日本海側から雪雲が流れ込みます。

雪の日の出現率は1月8%・2月10%。冷え込みの強い栃木は雨雪の境界で「雪側」に振れやすく、都心が雨でも宇都宮は雪、がしばしば起こります。

そして凍結です。平野の雪は少なくても、冬日72.9日の栃木では路面凍結が毎冬の備え。そして奥日光や那須は本格的な雪国で、冬の山道は冬タイヤが常識——「平野と山で二つの冬」を持つ県です。

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04

日照時間 ── 全国24位、1月212時間の「下野の冬晴れ」

結論:年1,961時間は全国24位。最長の月は真冬の1月212時間。
1,961時間 偏差値 52 全国 24位 / 47位中 関東 5位 / 7位中 日照時間ランキング →

年間日照時間1,961時間は全国24位、偏差値52——年間では全国中位ですが、冬だけ見れば別格です。最長の月は真冬の1月(212時間)で、関東でも屈指の明るさ。雪雲を日光連山が止める、内陸の冬晴れです。

月別では1月212時間・12月197時間・3月194時間がトップ3。谷は梅雨と雷雨の6月・7月(ともに119時間)と9月の120時間——夏は意外にも日差しが細ります。「冬に明るく、夏にぐずつく」のが栃木の空のリズムです。

行楽の計画に使うなら、ベストは晴れ59〜73%の11月〜2月と、新緑の4月・5月。空気が澄んで男体山や那須連山が美しい季節です。梅雨〜9月は雨と雷の確率が高め——午後の予定は雨雲レーダーを見てから、が栃木流です。

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05

天気出現率 ── 月別の晴れ・曇り・雨・雪

結論:晴れは1月73%がピーク。快晴37.1日は全国12位。
46% 偏差値 55 全国 20位 / 47位中 関東 5位 / 7位中 晴れの出現率ランキング →

日照時間は「太陽が何時間出ていたか」の合計であって、「晴れの日が何日あったか」ではありません。旅行の日程を決めるときに知りたいのは、たいてい後者のほうです。そこで、その月にどの天気が何割の日に出たかを帯グラフにしました。帯の幅がそのまま出現率(%)です。

年間462626
1月731368
2月65161010
3月5520215
4月4525301
5月392932
6月223741
7月203941
8月313435
9月303140
10月432928
11月592418
12月7216102

帯の幅がそのまま出現率(%)。 晴  くもり  雨 

この形にすると、栃木の空の性格が見えます。晴れの帯は1月73%・12月72%と冬に圧倒的に太くなる内陸の太平洋側型。梅雨の6月は22%、7月は20%まで細る——「冬に稼ぐ空」の見本です。

特筆すべきは冬と夏の落差。1月の晴れは73%に達するのに、7月は20%と雷雲と梅雨空に覆われます。快晴日数は37.1日・全国12位。この帯グラフは気象庁の平年値(30年)ではなく、1968年から2025年までの58年分の観測を独自集計した値です。

4つの天気それぞれで全国順位を出すと、晴れは全国20位(46.1%)、くもりは22位(26.0%)、雨は21位(25.9%)、雪は30位(2.1%)。快晴日数37.1日は全国12位。「冬は快晴、夏は雷雲」——下野の空です。

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06

湿度 ── 年平均70%で全国17位、夏むし冬からりの内陸型

結論:年平均70%は全国17位・関東2位。夏79%・冬59%——振れ幅の大きい空気。
70% 偏差値 52 全国 17位 / 47位中 関東 2位 / 7位中 湿度ランキング →

年平均湿度70%は全国17位、偏差値52——数字は全国平均並みですが、中身は振れ幅の大きい内陸型です。月別では冬の2月が59%まで乾き、夏の7月は79%。冬の乾燥と夏の蒸し暑さが、はっきり分かれます。

夏の湿りは、雷雨の季節とセットです。7月79%・8月78%と高湿で、昼29〜30℃の暑さと合わさって蒸します。屋外の活動は暑さ指数(WBGT)での判断を基本にしてください。

冬は59〜61%——快晴と「おろし」の北西風が重なる日は、体感はさらにカラカラです。「夏はむし暑く、冬は乾いて冷える」。加湿器と火の元への注意が、栃木の冬の基本です。

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07

紫外線 ── 全国36位、控えめでも「山と畑の時間」に注意

結論:UV指数の年平均は3.67で全国36位。高原の紫外線は標高の分だけ強い。
3.67UV指数 偏差値 44 全国 36位 / 47位中 関東 6位 / 7位中 紫外線ランキング →

UVインデックスの年平均は3.67で全国36位——関東では控えめな部類です。ただし紫外線は標高が上がるほど強くなり、奥日光や那須の高原では平地より1〜2割増しが目安。ハイキングとスキーの県こそ、紫外線は「山の指標」です。

月別で注目してほしいのは、5月にすでに5.1と「中程度」の上限に達することです。新緑のハイキングシーズン、日差しに体が慣れていない時期こそ油断しがち。帽子と日焼け止めを習慣にしてください。

ピークは7月の5.7。実質的な対策期間は5月から9月までです。雲があっても紫外線の6〜7割は地表に届くので、曇りの日を「大丈夫な日」と考えないでください。

「何月の何時が強いのか」は、月平均だけでは分かりません。下は晴天時のUVインデックスを月と時刻の両方で並べた表です。

晴天時UVインデックス早見表(月×時刻)

結論:7月の正午〜13時が最も強く9.2。 「非常に強い」に入るのは7月と8月の11〜14時だけですが、5月・6月の正午は7.5〜7.8で「強い」に達します。 気温がまだ過ごしやすい5月の昼にも、真夏に近い紫外線が降っていることが表から読み取れます。

九州の晴天時UVインデックス(九州北部〜中部の代表値)。行が月、列が時刻。
891011121314151617
1月0.00.41.11.92.42.41.81.10.40.0
2月0.20.71.72.73.43.52.81.80.80.2
3月0.41.32.74.04.84.73.82.51.20.4
4月0.92.23.95.46.26.04.93.31.70.6
5月1.53.15.06.77.57.25.94.02.20.9
6月1.63.35.27.07.87.66.44.52.61.1
7月1.83.76.08.19.29.17.75.53.21.5
8月1.43.35.67.68.78.67.14.92.71.1
9月0.92.44.25.96.76.45.03.21.50.4
10月0.61.63.04.24.84.43.21.80.70.1
11月0.20.91.92.73.12.82.01.00.30.0
12月0.10.51.21.92.32.21.60.80.20.0

弱い0〜2中程度3〜5強い6〜7非常に強い8〜10極端に強い11以上

色は気象庁・WHOのUVインデックス区分そのものです。枠で囲んだ数字はその月のピーク。 6時台・7時台と18時以降は、一年を通してUVインデックスが1未満のため列から省いています(対策不要の水準です)。 値は雲のない晴天時の推計で、曇りの日は6〜7割程度に下がります。晴天時の値は緯度でほぼ決まるため、この表は九州北部〜中部の代表値です。栃木など関東地方では、この表より1割ほど弱めが目安です。それでも夏のピーク帯の強さは変わりません。

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08

風 ── 全国24位、冬の「男体おろし」と春の強風

結論:平均風速2.9m/sは全国24位。冬から春、日光連山から風が下りる。
2.9m/s 偏差値 50 全国 24位 / 47位中 関東 3位 / 7位中 平均風速ランキング →

年平均風速2.9m/sは全国24位、偏差値50——ちょうど全国の真ん中です。月別では3月・4月が3.3m/sと最も強く、冬から春に風の季節が続きます。この指標は代表地点の立地に左右されやすいので、順位だけを一人歩きさせないでください。

冬の名物が「男体おろし」「那須おろし」です。日光連山・那須連山から平野へ吹き下ろす乾いた北西風で、快晴の空とセットで体感温度を下げます。宇都宮の冬の寒さは、気温の数字以上に「風の寒さ」です。

そして油断できないのが積乱雲の突風です。雷日数全国10位のこの県では、夏の午後の雷雨が突風と降ひょうを連れてくるのが定番。2012年には隣の茨城で国内最大級の竜巻も起きています。夏の黒い雲は、雨だけでなく風も警戒してください。

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09

台風 ── 接近は年3.3個、山の大雨が川に集まる内陸県

結論:接近は年3.3個。2019年の東日本台風——秋山川決壊の記憶。
3.3個/年(接近) 偏差値 49 全国 20位 / 47位中 関東 1位 / 7位中 台風の接近数ランキング →

この表で台風の指標に使っているのは「上陸数」ではなく「接近数」です。先に理由を書きます。気象庁の「上陸」は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、沖縄県は定義上どれだけ台風が通っても上陸に数えられません。上陸数で47都道府県を並べると、日本で最も台風の影響を受ける沖縄が最下位に並ぶという逆転が起きます。また上陸は中心が最初に達した1県だけを数えるため、隣県が大きな被害を受けても数字に表れません。中心から300km以内に入った回数を数える「接近数」なら、47都道府県すべてを同じものさしで、しかも毎年の値として比べられます。

「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することをいいます。海に面していない栃木県では、台風は暴風よりも「山に降らせる大雨」で牙をむきます。接近数は年3.3個・全国20位です。

接近で数えると、栃木を含む関東甲信地方には年3.3個(気象庁平年値・1991〜2020年)。月別では9月の1.2個がピークで、8月0.8個・10月0.7個——夏の終わりから秋に重心があります。台風は「来やすい時期」がわかっている——つまり備えを計画できる災害です。市町村別の詳しい接近回数は台風の接近数ランキングで確認できます。

警戒すべきはです。2019年の東日本台風では県内で記録的な大雨となり、秋山川の決壊などで栃木市・佐野市が浸水。2015年の関東・東北豪雨でも鬼怒川の上流域で大雨が続きました。「栃木の台風対策は山の雨と川」——ハザードマップの確認が第一歩です。

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10

地震 ── 過去の観測回数と、これからの確率

結論:年113.9回は全国9位。今市地震の記憶を持つ、内陸の直下型と向き合う県。
約113.9回/年 偏差値 61 全国 9位 / 47位中 関東 3位 / 7位中 地震観測回数ランキング →

全国9位、関東1都6県では3位です。107年間の合計は12,187回、年平均113.9回。3月が突出して多いのは2011年の東北地方太平洋沖地震の余震の影響で、県東部には太平洋側の地震の揺れが届きやすい位置にあります。

関東1都6県の地震観測回数(震度1以上・回/年)

東京都285.6
茨城県182.1
栃木県113.9
千葉県94.7
埼玉県54.4
神奈川県50.4
群馬県46.7

1919〜2026年の107年間の平均。バーの長さは東京都を100%とした割合。出典:気象庁 震度データベース検索

「地震が少ない=安全」ではありません

この数字は過去に何回揺れたかであって、これから何回揺れるかではありません。2016年の前まで、熊本は「地震の少ない県」と見られていました——だからこそ、あの地震の教訓は重いのです。石川は2024年に、やはり「回数が多い県」ではないところで大きな被害が出ました。むしろ、回数が少ない県ほど耐震意識と備えが薄いという指摘があります。揺れ慣れていないぶん、家具の固定も備蓄も後回しになりやすいためです。過去の回数は防災の判断材料の半分でしかありません。

そこで、残り半分の「これからの確率」を並べます。地震調査研究推進本部(J-SHIS)が公表している、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率です。

過去の実績

約113.9回/年

震度1以上(1919〜2026年)・全国9位。107年間の合計は12,187回。過去にどれだけ揺れたか

これからの確率

14.9%

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率。栃木県庁位置・J-SHIS 2024年版(2026年7月取得)。これから揺れる可能性

沖の海溝型地震

ほぼ0%

関谷断層(M7.5程度)の30年以内の地震発生確率。地震本部 長期評価。1949年の今市地震の記憶も、この県の足元に

この県の記憶は、1949年の今市地震(M6.2)です。現在の日光市付近を直下型の揺れが襲い、10人が犠牲になりました。古くは1683年の日光付近の地震で山崩れが男鹿川をせき止め、天然の湖(五十里湖)ができた記録も残ります。県内の主要活断層である関谷断層(M7.5程度)の30年確率はほぼ0%、県庁位置の30年確率14.9%は全国24位——関東では相対的に落ち着いた評価ですが、2011年には県内でも4人が犠牲になっています。

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04県内の主要都市を比べる

同じ栃木県でも、県都宇都宮と、県北の大田原、県南の佐野、奥日光の土呂部では顔が違います。平野の暑さと雷、高原の冷涼——標高がつくる「二つの国」を持つ県です。

宇都宮(宇都宮市)県庁所在地

年平均気温
14.3℃
年間降水量
1,525mm
年間日照時間
1,961時間
猛暑日日数
16.2日

餃子と雷の県都。夏は夕立、冬は快晴と氷点下の朝——内陸気候の代表値。

→ 宇都宮の地点別データ(月別・50年の変化)

大田原(大田原市)大田原・県北の田園

年平均気温
12.9℃
年間降水量
1,523mm
年間日照時間
1,953時間
猛暑日日数
12.0日

県北の田園都市。年12.9℃と冷涼で、那須連山からの「おろし」が吹く冬が名物。

→ 大田原の地点別データ(月別・50年の変化)

佐野(佐野市)佐野・県南の暑さの街

年平均気温
14.5℃
年間降水量
1,258mm
年間日照時間
2,084時間
猛暑日日数
34.8日

県南の街。猛暑日34.8日と日照2,084時間——「関東有数の暑さ」の顔。

→ 佐野の地点別データ(月別・50年の変化)

土呂部(日光市)土呂部・奥日光の高原

年平均気温
8.0℃
年間降水量
1,627mm
年間日照時間
1,750時間
猛暑日日数
0.0日

奥日光の高原集落。年8.0℃・猛暑日0日——県内に広がる「小さな北海道」。

→ 土呂部の地点別データ(月別・50年の変化)

05気象予報士の総括

10の指標を通して見ると、栃木県は「冬の快晴と夏の雷が同居する、内陸気候の見本の県」だと言えます。1月の晴れ73%・日照212時間に、雷日数全国10位の夏、冬日7位の冷え込み——偏差値レーダーは整った形なのに、季節ごとの顔ははっきり違います。

月別に分解すると、主役はやはり冬です。晴れ72〜73%・日照200時間前後の快晴が12月〜2月に続き、朝は氷点下——「光と霜」の季節。試練は夏で、7月215mm・9月217mmの雨と午後の雷。「冬の青空を楽しみ、夏の午後の雷に備える」のが栃木の暮らしのリズムです。

そして9番目と10番目、台風と地震。台風は秋山川の決壊が教えた「山の雨と川」への備え。地震は回数9位ながら30年確率14.9%と関東では落ち着いた評価——それでも今市地震の記憶が「内陸直下」への警戒を伝えます。

冬の快晴と男体山を楽しみ、夏の午後は雨雲レーダーを見て、台風の雨は川の水位で読む——このページの結論はこの一行です。

06近くの県・気候が似た県と比べる

「栃木と群馬って何が違うの?」に答えるための入口です。カードから各県の詳細ページへ移動できます。

47都道府県データの一覧表で、複数の県を並べて比較する →

よくある質問(栃木県の気候)

Q. 栃木県の気候の特徴は?

A. 年平均気温14.3℃(全国37位)、年間降水量1,525mm(全国27位)、年間日照時間1,961時間(全国24位)です。全国と比べると「地震の揺れが多い」「紫外線が弱め」が際立つ気候です。

Q. 栃木県では雪は積もりますか?

A. 平地で積もるのは年に数回です。年間降雪量の平年値は18cm(全国19位)にとどまります。

Q. 栃木県に台風は多いですか?

A. 台風の接近数は年平均3.3個で全国20位です。全国では中位で、接近は8月〜9月に集中します。

Q. 栃木県は地震が多いですか?

A. 震度1以上の揺れは年平均113.9回(全国9位)です。県庁所在地が今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は14.9%(全国24位)と評価されています。

Q. 栃木県で過ごしやすい季節はいつですか?

A. 気候データの上では4月・5月・10月が過ごしやすい時期です。詳しくは本文の「月別の過ごしやすさカレンダー」をご覧ください。

07関連ページ

出典・集計方法・データの限界
気温・降水量・日照時間・湿度・風速
気象庁の平年値(1991〜2020年)。県の代表値は宇都宮地方気象台の観測値、県内都市は各地の気象台・観測所の値です。
偏差値と全国順位
全国47都道府県の代表観測点の値から当サイトが算出しました。
紫外線(UV指数)
日本国内の実測地点が限られているため、気象庁の紫外線解析値(推定値)をもとにした値です。実測値ではありません。
天気出現率
気象庁の日別天気概況をもとに、日ごとの天気を晴れ・曇り・雨・雪の4区分に集計(1968〜2025年の58年分・当サイト独自集計)。
降雪量
気象庁の平年値(降雪の深さ合計)。
地震
気象庁「震度データベース検索」で震度1以上を観測した回数(1919年1月〜2026年、観測点数の増加による影響を含みます)。
30年確率・活断層
地震調査研究推進本部/防災科研(J-SHIS)の公表値。

1日のうちで天気が変わった日は代表的な天気に寄せているため、天気出現率は体感と数%のずれが出ることがあります。

降雪量と地震の偏差値は、値が一部の県に極端に偏るため、対数変換したうえで算出しています。

台風の列について。月別表の台風は栃木県単独ではなく、関東甲信地方への接近数の平年値(気象庁・1991〜2020年)です。たとえば「7月 0.4」は「毎年7月に平均0.4個接近する」という意味です。

地震の列について。月別表の地震だけ色を付けていません。3月が突出して多いのは「2011年の東北地方太平洋沖地震」の余震の影響で、季節性ではありません。年間にならすと約113.9回(12,187回÷107年)です。

監修:のぶやん(気象予報士)/最終更新:2026年8月2日

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