日本三大豪雪地帯とは?酸ケ湯・肘折・津南のデータと、豪雪地帯・特別豪雪地帯に指定された都道府県別市町村数一覧【2026年版】

日本地図上に降雪量を白と青で示した点と雪、積雪の棒グラフを重ねたイメージ 気象

「日本三大豪雪地帯はどこ?」——実は公式な定義はありません。よく挙げられるのは青森(津軽・八甲田)、新潟(魚沼・上越)、そして北陸か白川郷(岐阜)ですが、気象庁の観測データで「雪の量」を数えると、上位はもっとはっきりします。

一方、法律にはっきり定義があるのが「豪雪地帯」「特別豪雪地帯」です。豪雪地帯対策特別措置法にもとづいて国が指定するもので、2026年4月1日現在、24道府県532市町村が豪雪地帯、そのうち201市町村が特別豪雪地帯。国土の約半分が豪雪地帯という事実は意外と知られていません。

この記事では、(1)データで見る「本当の三大豪雪地帯」、(2)豪雪地帯・特別豪雪地帯の定義と都道府県別の市町村数一覧、(3)自分の町が指定されているかの調べ方をまとめます。

のぶやん
のぶやん

私は気象庁で働いていた気象予報士です。「三大豪雪地帯」は観光や地理の言い回しで、「特別豪雪地帯」は税金や補助金に直結する法律用語。混ざりやすいので分けて説明します。

データで見る「日本三大豪雪地帯」

気象庁の平年値(1991〜2020年)で年間降雪量が多い観測地点を並べると、次のようになります。

順位観測地点所在地年間降雪量最深積雪
1位酸ケ湯青森県青森市(八甲田山)1,706cm373cm
2位肘折山形県大蔵村1,469cm321cm
3位津南新潟県津南町1,301cm271cm
4位大井沢山形県西川町1,265cm262cm
5位朱鞠内北海道幌加内町1,247cm235cm
6位守門新潟県魚沼市1,243cm252cm
7位只見福島県只見町1,233cm231cm
8位幌加内北海道幌加内町1,232cm195cm
9位桧枝岐福島県檜枝岐村1,221cm222cm
10位音威子府北海道音威子府村1,216cm186cm
11位藤原群馬県みなかみ町1,152cm207cm
12位野沢温泉長野県野沢温泉村1,087cm205cm
年間降雪量の平年値トップ12(気象庁、全国362地点。全地点はこちら

データが示す三大豪雪地帯は「青森(八甲田・津軽)」「山形(月山・朝日連峰の麓)」「新潟(魚沼・津南)」です。酸ケ湯の年間降雪量17mは東京の地下鉄5階分、最深積雪3.7mは2階の屋根まで埋まる高さ。国道が開通する「雪の回廊」で知られる八甲田は、観測地点としても文句なしの日本一です。

「都市」に限れば青森市(年間降雪量567cm・最深積雪101cm)が世界の大都市でも最多とされ、札幌(479cm)、山形、富山と続きます(雪が降らない県ランキング)。白川郷(岐阜)や北陸は「雪が多くて有名」ですが、量では東北・新潟の山間部に及びません。

【ツール】指標と月を切り替えて全国順位を確認

下のツールでは、気温・雨・雪・晴れ・湿度・風・雷・台風・地震などの指標を年間・月別に切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(青森県を黄色で強調表示)。並び順を変えると「少ない県」「低い県」のランキングになります。

豪雪地帯・特別豪雪地帯とは?法律の定義

「豪雪地帯」は豪雪地帯対策特別措置法(1962年)にもとづいて、積雪が特に多く、住民の生活や産業に支障がある地域を国が指定するものです。指定されると除雪費の補助、道路や住宅の雪対策、雪下ろしの安全対策などの支援を受けられます。

区分おおまかな基準市町村数(2026年4月)
豪雪地帯累年平均積雪積算値(毎日の積雪の深さを冬の間足し合わせた値)が5,000cm・日以上などの地域532市町村(24道府県)
特別豪雪地帯豪雪地帯のうち、積雪積算値が15,000cm・日以上で、かつ道路の交通が長期間途絶するなど生活への支障が著しい地域201市町村(豪雪地帯の内数)
豪雪地帯・特別豪雪地帯の区分(国土交通省)

指定面積は約37.8万km²で国土の約51%、人口は約1,900万人(全国の約15%)。つまり日本人の7人に1人は「豪雪地帯」に住んでいます。

都道府県別 豪雪地帯・特別豪雪地帯の市町村数 一覧

都道府県豪雪地帯の市町村数うち特別豪雪地帯備考
北海道179(全域)86市町村数・特別豪雪地帯数ともに全国最多
青森県40(全域)13
岩手県33(全域)2
宮城県81県の一部(栗原市など)
秋田県25(全域)13
山形県35(全域)26全市町村の7割以上が特別豪雪地帯
福島県2014会津地方が中心
栃木県30日光市など
群馬県141みなかみ町が特別豪雪地帯
新潟県30(全域)18
富山県15(全域)6
石川県19(全域)2
福井県17(全域)4
山梨県20
長野県2010
岐阜県104白川村・高山市など
静岡県20
滋賀県41長浜市が特別豪雪地帯
京都府80
兵庫県70
鳥取県19(全域)0全域指定だが特別豪雪地帯はなし
島根県80
岡山県80
広島県60
合計532市町村(24道府県)201市町村
豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定状況(国土交通省、令和8年4月1日現在)。「全域」は道府県の全市町村が豪雪地帯

全域が豪雪地帯なのは北海道・青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・石川・福井・鳥取の10道県。福島・長野・岐阜は一部指定ですが特別豪雪地帯が多く、会津・信州北部・飛騨は東北並みの雪国です。四国・九州・沖縄には豪雪地帯の指定はありません。

自分の町が指定されているか調べるには

  • 国土交通省「豪雪地帯の指定地域」の一覧(都道府県別PDF)で市町村名を確認
  • 市町村の公式サイトで「豪雪地帯」「特別豪雪地帯」と検索。指定されている自治体は除雪費の補助制度のページに記載がある
  • 平成の大合併で市の一部だけが特別豪雪地帯(旧町村単位)のケースも多い

なぜ日本海側にだけ豪雪地帯があるのか

冬、シベリアからの寒気は暖かい日本海(対馬暖流)の上を渡るときに大量の水蒸気を吸い上げ、日本列島の山にぶつかって雪を降らせます。「暖かい海」と「高い山」の組み合わせが世界的にも珍しい豪雪を生み、山を越えた太平洋側は乾いた晴天になります。酸ケ湯・肘折・津南はいずれも日本海から50〜100kmの山の斜面にあり、雪雲が最初にぶつかる場所です。

太平洋側で唯一、豪雪地帯の指定があるのが北海道と、栃木(日光)・群馬(みなかみ)・静岡の山間部。日光やみなかみは日本海側から山を越えてきた雪雲の「最後の一滴」が落ちる場所です。

豪雪地帯の暮らしとコスト

  • 雪下ろし:特別豪雪地帯では冬に3〜5回。転落事故は毎年100人前後が死亡し、雪害の死者の多くを占める
  • 除雪費:自治体の除雪費は豪雪年に数十億円規模。青森市は年間20〜30億円
  • 住宅:高床式・落雪屋根・融雪装置が標準。灯油代は本州南部の2〜3倍
  • 交通:特別豪雪地帯では冬季通行止めの道路があり、集落が孤立することも

雪の少ない県への移住を考えるなら雪が降らない県ランキング、雪も含めた災害全体の少なさは災害が少ない県ランキング(災害偏差値)、都道府県別の最深積雪・降雪量は積雪量ランキング最深積雪ランキングをご覧ください。

指標別に見る「豪雪」|降雪量・雪の日数・冬の気温で青森は何位?

三大豪雪地帯(酸ケ湯・肘折・津南)は観測地点の記録ですが、都道府県単位でも青森・北海道・山形・新潟が上位を占めます。指標ごとに確認します。

年降雪量の多さ:青森は1位

順位都道府県年降雪量偏差値
1位青森県567cm89.8
2位北海道479cm82.7
3位山形県285cm67.1
4位秋田県273cm66.1
5位富山県253cm64.5
6位岩手県209cm61.0
7位福井県186cm59.1
8位長野県163cm57.3
9位石川県157cm56.8
10位鳥取県140cm55.4
年降雪量の多さランキング(平年値)

青森県は1位(567cm、偏差値89.8)。1位は青森県(567cm)、47位は沖縄県(0cm)、全国平均は72cmです。比較:北海2位・新潟11位・山形3位・東京25位。詳しくは降雪量ランキングをご覧ください。

雪の日数の多さ:青森は2位

順位都道府県雪の日数偏差値
1位北海道90.6日79.7
2位青森県85.3日77.4
3位秋田県75.7日73.3
4位山形県64.4日68.5
5位岩手県64.0日68.3
6位新潟県49.7日62.2
7位長野県49.3日62.1
8位福島県46.1日60.7
9位石川県39.2日57.7
10位富山県38.4日57.4
雪の日数の多さランキング(約60年の天気出現率)

青森県は2位(85.3日、偏差値77.4)。1位は北海道(90.6日)、47位は沖縄県(0.0日)、全国平均は21.1日です。比較:北海1位・新潟6位・山形4位・東京39位。詳しくは雪の日数ランキングをご覧ください。

1月の降雪量の多さ:青森は1位

順位都道府県年降雪量(1月)偏差値
1位青森県195cm89.1
2位北海道137cm75.7
3位富山県104cm68.0
4位山形県103cm67.7
5位秋田県100cm67.1
6位福井県85cm63.6
7位石川県67cm59.4
8位岩手県63cm58.4
9位新潟県63cm58.4
10位長野県63cm58.4
1月の降雪量の多さランキング(平年値)

青森県は1位(195cm、偏差値89.1)。1位は青森県(195cm)、47位は沖縄県(0cm)、全国平均は27cmです。比較:北海2位・新潟9位・山形4位・東京23位。1月は青森が2mに迫り、県庁所在地としては世界でも指折りの豪雪都市です。詳しくは年降雪量の詳しいランキングをご覧ください。

1月の平均気温の低さ:青森は3位

順位都道府県年平均気温(1月)偏差値
1位北海道-3.2℃25.4
2位岩手県-1.6℃30.4
3位青森県-0.9℃32.6
4位長野県-0.4℃34.2
5位山形県-0.1℃35.1
6位秋田県0.4℃36.7
7位福島県1.9℃41.4
8位宮城県2.0℃41.8
9位新潟県2.5℃43.3
10位栃木県2.8℃44.3
1月の平均気温の低さランキング(平年値、低い順)

青森県は3位(-0.9℃、偏差値32.6)。1位は北海道(-3.2℃)、47位は沖縄県(17.3℃)、全国平均は4.6℃です。比較:北海1位・新潟9位・山形5位・東京26位。新潟や富山は気温がそれほど低くないのに雪が多い「湿った豪雪」、北海道は「乾いた粉雪」と、雪質が違います。詳しくは暖かい県ランキングをご覧ください。

青森の月別の降雪量・雪の日数と全国順位

青森市の月別降雪量と雪の日数、全国順位です。12〜2月は降雪量で1位、雪の日数でも1〜2位が続きます。

青森の降雪量順位1位青森の雪の日数順位1位
1月195cm1位青森(195cm)24.5日1位青森(24.5日)
2月141cm1位青森(141cm)20.3日1位青森(20.3日)
3月64cm2位北海(74cm)13.6日2位北海(15.9日)
4月4cm2位北海(6cm)1.8日2位北海(3.4日)
5月0cm2位北海(0cm)0.0日2位北海(0.0日)
6月0cm2位北海(0cm)0.0日2位北海(0.0日)
7月0cm2位北海(0cm)0.0日2位北海(0.0日)
8月0cm2位北海(0cm)0.0日2位北海(0.0日)
9月0cm2位北海(0cm)0.0日2位北海(0.0日)
10月0cm2位北海(1cm)0.1日2位北海(0.5日)
11月23cm2位北海(30cm)5.9日2位北海(8.8日)
12月143cm1位青森(143cm)19.1日2位北海(19.1日)
青森県の月別値と全国順位

12月143cm・1月195cm・2月141cmと3か月で約480cm。雪の日数は1月に約25日と、ほぼ毎日雪が降ります。3月も64cmで、春は4月まで雪が残ります。

よくある質問

Q. なぜ酸ケ湯・肘折・津南が「三大豪雪地帯」?

いずれも日本海からの湿った季節風が山地にぶつかる位置にあり、標高が高い(酸ケ湯890m、肘折330m、津南450m)ため気温が低く、雨ではなく雪として積もります。酸ケ湯は年降雪量17m超、最深積雪5.6mの記録があります。

Q. 青森市が「世界一雪が多い都市」と言われる理由は?

人口10万人以上の都市で年降雪量が約6〜7mに達するのは世界でも青森市と札幌市くらいで、海外メディアが「世界で最も雪の多い都市」と紹介したことから広まりました。世界の最深積雪ランキングでは日本の記録が世界2位です。

Q. 雪が多い県は寒い県?

必ずしもそうではありません。新潟・富山・石川は1月平均気温が2〜3℃と北海道より暖かいのに、降雪量は全国上位です。日本海の暖かさが雪の「材料」になっているためです。

Q. 豪雪地帯で暮らすコツは?

除雪の時間と費用(融雪設備・除雪機)、雪下ろしの安全対策、車の冬装備が必須です。一方で夏は涼しく、水資源やスキー場という利点もあります。雪が降らない県ランキングと比べてみてください。

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まとめ
  • 「日本三大豪雪地帯」に公式定義はないが、気象庁データでは青森(酸ケ湯1,706cm)・山形(肘折1,469cm)・新潟(津南1,301cm)が上位
  • 法律上の「豪雪地帯」は24道府県532市町村、うち「特別豪雪地帯」は201市町村(2026年4月)。国土の約半分、人口の約15%
  • 全域が豪雪地帯なのは北海道・青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・石川・福井・鳥取の10道県
  • 特別豪雪地帯が多いのは北海道86・山形26・新潟18・福島14・青森13・秋田13
  • 豪雪の理由は「暖かい日本海」と「高い山」。太平洋側は日光・みなかみなど山間部のみ

出典:気象庁の平年値(1991〜2020年)および観測データ、国土交通省「豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定(令和8年4月1日現在)」。偏差値は47都道府県の平均を50とした値です。都道府県の値は原則として県庁所在地の気象官署の平年値を用いています。

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