台風が来ない県はどこ?上陸したことがない23都府県の一覧と、本当に台風が少ない県ランキング【気象庁75年データ・自動更新】

日本地図と台風の経路を示す曲線、都道府県別の接近数を色で示した点のイメージ 気象

「台風が来ない県ってあるの?」「台風の被害が少ない地域に住みたい」——答えを先に言うと、気象庁の統計では23の都府県が1951年以来「台風上陸ゼロ」です。ただし、上陸しないことと台風が来ないことは別です。

この記事では、気象庁の75年分(1951〜2025年)のデータから、上陸したことがない都道府県の一覧、本当に台風の影響が少ない県、そして「上陸ゼロなのに被害が出る理由」を気象予報士が解説します。

のぶやん
のぶやん

私は気象庁で働いていた気象予報士です。「上陸ゼロ」の県の中に、実は台風の影響を最も受ける沖縄が入っています。この記事はそのカラクリの説明から始めます。

台風が上陸したことがない都道府県 一覧(23都府県)

気象庁の「上陸」は、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に最初に達した地点の都道府県にだけ数えます(台風の「上陸」「通過」「接近」の定義の違い)。そのため、内陸県や「最初に達しにくい位置」の県は上陸ゼロになります。

分類上陸ゼロの都府県
内陸県(海がない)栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・岐阜・滋賀・奈良
日本海側(最初に達しにくい)山形・新潟・富山・石川・鳥取・島根・京都
瀬戸内・湾の奥大阪・岡山・香川
太平洋側なのにゼロ福島・茨城・東京・佐賀
定義上ゼロ(小さい島は「通過」)沖縄
1951〜2025年に台風の上陸が0回の都府県(気象庁)。表は公開時点の集計で、上の見出しの数字は自動更新されます

太平洋に面しているのに上陸ゼロの福島・茨城・東京は、南から来た台風が先に千葉県や静岡県に上陸してしまうため。佐賀は長崎・福岡に囲まれ、海岸線が有明海と玄界灘の一部しかないためです。

「上陸ゼロ」でも再上陸はある

一度上陸した台風が海に出て再び達する「再上陸」を含めると、上陸ゼロの県にも台風は来ています。たとえば大阪府は上陸0回でも再上陸6回、岡山県12回、京都府回、石川県2回。四国や紀伊半島に上陸した台風が瀬戸内海を渡って本州に再上陸するコースです。再上陸を含めた順位は台風の上陸数が多い都道府県・市町村ランキングで確認できます。

【ツール】指標と月を切り替えて全国順位を確認

下のツールでは、気温・雨・雪・晴れ・湿度・風・雷・台風・地震などの指標を年間・月別に切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(長野県を黄色で強調表示)。並び順を変えると「少ない県」「低い県」のランキングになります。

本当に台風が少ない県は?「接近数」で見る

上陸は「最初に達した1県」しか数えないので、影響の大きさは「接近数」(台風の中心が300km以内に入った回数)で見るのが正確です。県庁所在地の役場から300km以内に入った回数を数えると、本当に台風が少ないのは北海道と東北・北陸だとわかります。

順位都道府県接近回数(1951〜2025年)年平均上陸数再上陸
1位北海道51回0.7回7回20回
2位青森県79回1.1回2回3回
3位秋田県88回1.2回1回9回
4位岩手県92回1.2回2回0回
5位新潟県110回1.5回0回5回
6位山形県114回1.5回0回2回
7位宮城県119回1.6回1回0回
8位福島県122回1.6回0回0回
9位栃木県133回1.8回0回0回
10位石川県135回1.8回0回2回
11位富山県136回1.8回0回0回
12位島根県137回1.8回0回1回
13位長野県138回1.8回0回0回
14位福井県143回1.9回1回0回
15位茨城県146回1.9回0回0回
台風の接近が少ない県ベスト15(県庁所在地から300km以内、気象庁ベストトラックから独自集計)

1位の北海道は75年で51回、年0.7回。2位青森、3位秋田、4位岩手と続き、北日本は沖縄(278回)の3分の1以下です。台風が北海道に近づく前に温帯低気圧に変わることが多いためで、理由は北海道に台風が来ないのはなぜ?理由を解説しますで解説しています。

一方、上陸ゼロの沖縄は接近回数278回で全国最多、東京も161回で全国平均並み。「上陸ゼロ=台風が来ない」ではないことがはっきりわかります(沖縄に台風が多いのはなぜ?月別の接近数と旅行を避けるべき時期を気象庁75年データで解説【気象予報士】)。

台風が多い県ワースト|鹿児島は上陸45回で日本一

順位都道府県接近回数年平均上陸数再上陸
47位沖縄県278回3.7回0回0回
46位鹿児島県207回2.8回45回0回
45位宮崎県205回2.7回14回0回
44位長崎県192回2.6回18回1回
43位熊本県188回2.5回8回1回
42位高知県185回2.5回26回7回
41位大分県184回2.5回3回0回
40位愛媛県181回2.4回3回8回
39位佐賀県178回2.4回0回1回
38位徳島県177回2.4回7回0回
台風の接近が多い県ワースト10

上陸数の日本一は鹿児島県の45回で、2位の高知(26回)を大きく引き離しています。接近では沖縄・鹿児島・宮崎・長崎・熊本・高知の順で、南西諸島〜九州南部〜四国の太平洋側が「台風銀座」です。

47都道府県 台風の上陸・再上陸・接近 一覧

都道府県上陸再上陸接近(県庁所在地)年平均接近
沖縄県0回0回278回3.7回
鹿児島県45回0回207回2.8回
宮崎県14回0回205回2.7回
長崎県18回1回192回2.6回
熊本県8回1回188回2.5回
高知県26回7回185回2.5回
大分県3回0回184回2.5回
愛媛県3回8回181回2.4回
佐賀県0回1回178回2.4回
徳島県7回0回177回2.4回
香川県0回0回175回2.3回
神奈川県5回4回171回2.3回
福岡県1回3回170回2.3回
和歌山県25回7回169回2.3回
山口県2回15回168回2.2回
静岡県22回4回167回2.2回
広島県3回8回167回2.2回
兵庫県1回17回166回2.2回
大阪府0回6回165回2.2回
三重県4回0回163回2.2回
岡山県0回12回162回2.2回
東京都0回0回161回2.1回
千葉県9回10回160回2.1回
奈良県0回0回160回2.1回
滋賀県0回0回159回2.1回
京都府0回0回159回2.1回
埼玉県0回0回156回2.1回
山梨県0回0回155回2.1回
愛知県12回6回154回2.1回
岐阜県0回0回149回2回
鳥取県0回0回149回2回
茨城県0回0回146回1.9回
群馬県0回0回146回1.9回
福井県1回0回143回1.9回
長野県0回0回138回1.8回
島根県0回1回137回1.8回
富山県0回0回136回1.8回
石川県0回2回135回1.8回
栃木県0回0回133回1.8回
福島県0回0回122回1.6回
宮城県1回0回119回1.6回
山形県0回2回114回1.5回
新潟県0回5回110回1.5回
岩手県2回0回92回1.2回
秋田県1回9回88回1.2回
青森県2回3回79回1.1回
北海道7回20回51回0.7回
47都道府県の台風データ(1951〜2025年、気象庁)。接近は県庁所在地の役場から300km以内

「台風が来ない県」でも起きる3つの被害

  1. 大雨:台風本体が遠くても、湿った空気が前線を刺激して大雨になります。2019年台風19号では上陸地点から遠い長野・福島・宮城で河川が氾濫しました。
  2. 温帯低気圧に変わってからの暴風:北海道や東北では「台風から変わった低気圧」で暴風が吹きます。統計上は台風ではないので上陸・接近に数えられません。
  3. フェーン現象:日本海側では台風の南風が山を越えて40℃近い高温になり、火災や農作物の被害が出ます。

「上陸ゼロ」の県でも、過去に起きた災害は昭和の三大台風の枕崎台風(広島県で2,000人以上)のように広範囲です。あなたの街の過去の台風被害は災害履歴データベースで調べられます。

移住や引っ越しで台風を避けるなら

  • 台風そのものを避ける:北海道・青森・秋田・岩手。接近が年1回前後
  • 上陸コースを避ける:日本海側と内陸県。ただし大雨とフェーンには注意
  • 強い勢力の直撃を避ける:鹿児島・高知・和歌山・宮崎・沖縄以外
  • 災害全体で選ぶ:地震・雪・雨も合わせた災害が少ない県ランキング(災害偏差値)を参考に

台風の来る時期を避けたい場合は台風はなぜ9月に多い?月別の発生数・接近数・上陸数と「8月の台風」「9月の台風」の違いを気象予報士が解説、当たり年の傾向は台風の当たり年・少ない年ランキングをどうぞ。

指標別に見る「台風の来にくさ」|内陸の長野は何位?

上陸の有無に加えて、接近数・風・雨の指標で「台風の影響の受けにくさ」を47都道府県で比べます。ここでは上陸したことがない内陸県の代表として長野県を強調しています。

台風の接近数の少なさ:長野は24位

順位都道府県台風の接近数偏差値
1位北海道1.9回31.1
2位青森県2.7回41.6
3位岩手県2.7回41.6
4位宮城県2.7回41.6
5位秋田県2.7回41.6
6位山形県2.7回41.6
7位福島県2.7回41.6
8位新潟県2.8回42.9
9位富山県2.8回42.9
10位石川県2.8回42.9
24位長野県3.3回49.5
台風の接近数の少なさランキング(年平均接近数、少ない順)

長野県は24位(3.3回、偏差値49.5)。1位は北海道(1.9回)、47位は沖縄県(7.7回)、全国平均は3.3回です。比較:岐阜35位・山梨23位・東京21位・鹿児島46位。詳しくは台風の接近数ランキングあなたの市町村には年何個来る?気象庁データをご覧ください。

平均風速の弱さ:長野は16位

順位都道府県平均風速偏差値
1位山形県1.7m/s32.8
2位高知県1.8m/s34.2
3位京都府1.9m/s35.6
4位山口県1.9m/s35.6
5位熊本県2.1m/s38.4
6位山梨県2.2m/s39.8
7位静岡県2.2m/s39.8
8位奈良県2.2m/s39.8
9位愛媛県2.2m/s39.8
10位茨城県2.3m/s41.2
16位長野県2.5m/s44.0
平均風速の弱さランキング(年平均風速の平年値、弱い順)

長野県は16位(2.5m/s、偏差値44.0)。1位は山形県(1.7m/s)、47位は沖縄県(5.3m/s)、全国平均は2.9m/sです。比較:岐阜18位・山梨6位・東京23位・鹿児島36位。内陸の盆地は台風が来ても風が弱まりやすく、風速の平年値も低くなります。詳しくは平均風速ランキングをご覧ください。

年降水量の少なさ:長野は1位

順位都道府県年降水量偏差値
1位長野県965mm33.7
2位岡山県1,143mm37.9
3位北海道1,146mm37.9
4位香川県1,150mm38.0
5位山梨県1,161mm38.3
6位山形県1,207mm39.4
7位福島県1,207mm39.4
8位群馬県1,247mm40.3
9位宮城県1,277mm41.0
10位兵庫県1,278mm41.0
年降水量の少なさランキング(平年値、少ない順)

長野県は1位(965mm、偏差値33.7)。1位は長野県(965mm)、47位は高知県(2,666mm)、全国平均は1,657mmです。比較:岐阜35位・山梨5位・東京24位・鹿児島45位。詳しくは降水量が多い都道府県・市町村ランキングをご覧ください。

9月の雨の日の少なさ:長野は15位

順位都道府県雨の日の割合(9月)偏差値
1位岡山県26.2%31.5
2位愛媛県27.1%33.9
3位佐賀県27.2%34.1
4位山口県27.5%34.9
5位香川県28.2%36.7
6位兵庫県28.4%37.3
7位広島県28.4%37.3
8位長崎県28.6%37.8
9位熊本県28.9%38.6
10位和歌山県29.7%40.7
15位長野県30.7%43.3
9月の雨の日の少なさランキング(約60年の天気出現率、少ない順)

長野県は15位(30.7%、偏差値43.3)。1位は岡山県(26.2%)、47位は栃木県(39.5%)、全国平均は33.2%です。比較:岐阜35位・山梨11位・東京30位・鹿児島18位。台風と秋雨前線が重なる9月に雨の日が少ない県は、台風の影響も相対的に小さい傾向があります。詳しくは雨の日が多い都道府県ランキング(年間・月別)をご覧ください。

よくある質問

Q. 台風が「上陸」しない県なら被害はない?

いいえ。上陸は「台風の中心が海岸線に達すること」の定義上の話で、内陸県や日本海側の県は中心が通過しなくても暴風域や大雨に入ります。2019年の台風19号(令和元年東日本台風)では、上陸地点から遠い長野県の千曲川が決壊しました。上陸・通過・接近の定義の違いもご覧ください。

Q. 本当に台風が少ないのはどこ?

接近数で見ると北海道・東北の日本海側と、内陸の長野・岐阜・山梨が少ないグループです。一方で沖縄・九州南部は毎年複数回接近します。台風の接近数ランキングで市町村単位まで確認できます。

Q. 台風を避けて移住するなら?

接近数が少なく、かつ川の氾濫や土砂災害の危険区域を避けることが重要です。県単位より水害リスクDBで市区町村の浸水想定を確認してください。災害が少ない県ランキングでは台風以外の災害も合わせて比較できます。

Q. 台風が来ない年はある?

1951年以降で上陸ゼロの年は2000年・2008年・2020年など数回あります。逆に2004年は10個が上陸して最多でした。年ごとの上陸数は台風の当たり年・少ない年ランキングで確認できます。

あわせて読みたい関連ランキング

まとめ
  • 気象庁の統計で台風上陸ゼロの都府県は23。内陸8県、日本海側、瀬戸内、そして沖縄
  • 上陸ゼロでも再上陸や接近はある。沖縄は接近278回で日本一
  • 本当に台風が少ないのは北海道(75年で51回)・青森・秋田・岩手
  • 上陸数の日本一は鹿児島県の45回。接近は沖縄・鹿児島・宮崎・長崎の順
  • 「来ない県」でも大雨・温帯低気圧・フェーンの被害はある

出典:気象庁の平年値(1991〜2020年)および観測データ、気象庁 台風の統計資料・ベストトラック(接近回数は役場座標から300km以内で独自集計)。偏差値は47都道府県の平均を50とした値です。都道府県の値は原則として県庁所在地の気象官署の平年値を用いています。

タイトルとURLをコピーしました