災害が少ない県ランキング|地震・台風・雪・雨の4指標を合わせた「災害偏差値」で47都道府県を比較【気象予報士が集計】

日本地図上に都道府県別の災害リスクを色分けした点と、指標の棒グラフを重ねたイメージ 気象

「災害が少ない県に住みたい」「移住先は安全な地域がいい」——地震・台風・豪雪・豪雨、日本はどこにいても何かしらの災害と隣り合わせですが、それでも「少ない県」と「多い県」の差ははっきりあります

この記事では、当サイトが気象庁のデータから作った4つの偏差値つきランキング(地震回数・台風接近数・最深積雪・年降水量)を合成して、47都道府県の「災害偏差値」を算出しました。偏差値が低いほど災害が少ない県です。

のぶやん
のぶやん

私は気象庁で働いていた気象予報士です。「災害が少ない県」の記事はたくさんありますが、印象論ではなく気象庁の観測データで順位を出したのはこの記事だけだと思います。

結論:災害が少ない県1位は岡山、2位香川、3位大阪

順位都道府県災害偏差値震度4以上の地震(年)台風接近(年)最深積雪(cm)年降水量(mm)
1位岡山県43.70.192.211,143.1
2位香川県44.80.252.311,150.1
3位大阪府45.20.242.211,338.3
4位奈良県45.30.32.131,365.1
5位群馬県45.50.751.9111,247.4
6位兵庫県45.50.562.211,277.8
7位山梨県460.722.1151,160.7
8位和歌山県46.60.592.311,414.4
9位愛知県46.80.362.181,578.9
10位京都府46.80.392.171,522.9
災害が少ない県ベスト10(4指標の偏差値平均。低いほど災害が少ない)

1位は岡山県。震度4以上の地震は100年余りで年0.19回、台風の接近は年2.2回、雪はほぼ積もらず、年降水量1,143mmは全国で2番目に少ない——4つの指標すべてで「少ない側」に入る唯一の県です。「晴れの国」を名乗る岡山が、災害でも日本一穏やかでした(「晴れの国おかやま」は本当か)。

2位の香川県、3位の大阪府、4位の奈良県も瀬戸内〜近畿の内陸です。共通点は「南に四国山地や紀伊山地があって台風と雨を弱めてくれる」「日本海側の雪雲が中国山地で止まる」「活発な地震帯から少し離れている」の3つ。瀬戸内海周辺は日本で最も災害の少ない地域と言えます。

5位の群馬県、7位の山梨県は内陸県の強みで台風・雪・雨が少なく、地震回数だけがやや多めです。

【ツール】指標と月を切り替えて全国順位を確認

下のツールでは、気温・雨・雪・晴れ・湿度・風・雷・台風・地震などの指標を年間・月別に切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(岡山県を黄色で強調表示)。並び順を変えると「少ない県」「低い県」のランキングになります。

災害が多い県ワースト10

順位都道府県災害偏差値震度4以上の地震(年)台風接近(年)最深積雪(cm)年降水量(mm)
47位沖縄県59.51.073.702,161
46位鹿児島県59.22.322.832,434.7
45位東京都585.442.161,598.2
44位宮崎県56.80.882.702,625.5
43位熊本県55.32.432.512,007
42位石川県54.91.271.8322,401.5
41位福井県54.70.361.9482,299.6
40位富山県54.70.211.8512,374.2
39位高知県54.60.352.512,666.4
38位北海道53.93.680.7971,146.1
災害が多い県ワースト10

最下位は沖縄県。台風の接近が年3.7回で日本一(台風が来ない県はどこ?では「上陸ゼロ」ですが、接近は最多です)、年降水量2,161mm、地震も震度4以上が年1回ペースと少なくありません。46位の鹿児島県は台風・地震・雨の三拍子、44位の宮崎県は年降水量2,626mmが全国最多クラスです。

意外なのが45位の東京都。台風・雪・雨は平均的ですが、震度4以上の地震が年5.4回と突出しています。これは伊豆諸島(三宅島・新島・神津島など)の群発地震が東京都として集計されるためで、23区だけを見れば順位はもっと上がります。あなたの街の地盤・過去の震度は市区町村別の地震ランキングと地震リスクデータベースで確認できます。

北陸3県(富山・石川・福井)は地震・台風は少ないのに、雪と雨(年2,300〜2,400mm)で下位に入りました。「災害」の中身が県によってまったく違うことがわかります。

47都道府県 災害偏差値ランキング(全順位)

順位都道府県災害偏差値地震偏差値台風偏差値雪偏差値雨偏差値
1位岡山県43.741.65243.237.9
2位香川県44.842.155.643.238
3位大阪府45.242.152.943.242.5
4位奈良県45.342.551.544.143.1
5位群馬県45.546.347.647.640.3
6位兵庫県45.544.853.143.241
7位山梨県4646.150.149.338.3
8位和歌山県46.6455443.244.3
9位愛知県46.843.149.846.348.2
10位京都府46.843.351.245.846.8
11位秋田県46.945.231.65952
12位愛媛県46.943.657.342.844
13位山形県47.245.438.865.139.4
14位三重県47.443.952.344.549
15位広島県47.443.453.44548
16位徳島県47.742.456.243.249.1
17位福岡県47.842.554.243.750.7
18位長野県47.955.445.457.233.7
19位山口県47.94353.743.751.3
20位埼玉県48.153.450.446.741.7
21位島根県48.142.545.151.553.2
22位岩手県48.561.732.758.541.1
23位宮城県48.663.340.149.841
24位岐阜県49.143.748.449.354.8
25位滋賀県49.14251.254.148.9
26位栃木県49.560.24446.746.9
27位佐賀県49.741.356.444.157
28位大分県49.84658.143.251.7
29位千葉県50.359.651.54545.2
30位神奈川県50.549.954.545.851.7
31位新潟県50.553.137.756.854.5
32位長崎県51.144.260.344.155.6
33位福島県51.270.54154.139.4
34位茨城県52.372.547.645.843.2
35位鳥取県52.445.648.45956.5
36位青森県5353.329.186.942.8
37位静岡県53.752.653.442.865.8
38位北海道53.971.321.485.237.9
39位高知県54.642.958.443.273.8
40位富山県54.741.744.865.166.9
41位福井県54.74346.863.865.2
42位石川県54.950.844.656.867.6
43位熊本県55.360.659.243.258.3
44位宮崎県56.847.563.942.872.9
45位東京都5886.251.845.448.6
46位鹿児島県59.259.764.544.168.4
47位沖縄県59.54984.142.861.9
47都道府県の災害偏差値と内訳(各指標は高いほどリスクが大きい)

災害偏差値の計算方法

次の4指標について、47都道府県の平均を50・標準偏差を10とする偏差値を計算し、その平均を「災害偏差値」としました。どれも当サイトの偏差値つきランキング記事から取った気象庁のデータです。

「震度4以上」にしたのは、震度1〜3は観測点の密度で回数が大きく変わるのに対し、震度4以上は昔の観測網でも見逃しにくく、生活に影響が出る揺れだからです。今後30年の地震発生確率(J-SHIS)は含めていないので、将来の地震リスクは今後30年以内に震度6弱以上の地震が起きる確率ランキングをあわせて見てください。

のぶやん
のぶやん

「雨が多い=災害」とは限らないのでは?と思うかもしれません。ただ、年降水量が多い県は日本の場合ほぼ例外なく豪雨の記録も多く、水害・土砂災害の履歴と重なります。

「災害が少ない県」を選ぶときの3つの注意点

  1. 県より市町村、市町村より地形:同じ県でも沿岸・河口・埋立地と台地では水害・液状化のリスクが別物です。当サイトの地震リスクデータベース水害リスクデータベースで市区町村ごとに確認してください。
  2. 「起きていない」と「起きない」は違う:地震回数が少ない県にも活断層はあります。富山・福井など地震回数が少ない県の中にも、J-SHISの30年確率が高い市町村があります。
  3. 雪は「災害」であり「コスト」:豪雪地帯では雪下ろし・除雪の負担が毎年発生します。移住なら雪が降らない県ランキングも参考に。

気候の快適さ(暑さ・寒さ・湿度・晴れ)で選ぶなら住みやすい気候の県ランキングを、両方を合わせて見たい人は夏涼しくて冬暖かい県ランキング(年較差)もどうぞ。

指標別に見る「災害の少なさ」|岡山は4つの指標で何位?

災害偏差値のもとになった4指標(地震・台風・雪・雨)に、J-SHISの30年確率を加えて、指標ごとの47都道府県ランキングを並べました。順位は「少ない順」です。

有感地震の少なさ:岡山は9位

順位都道府県有感地震の年間回数偏差値
1位佐賀県8回44.1
2位富山県8回44.1
3位山口県10回44.2
4位香川県12回44.5
5位滋賀県12回44.5
6位大阪府13回44.6
7位島根県14回44.7
8位徳島県15回44.8
9位岡山県16回44.9
10位福岡県16回44.9
有感地震の少なさランキング(年間の有感地震回数、少ない順)

岡山県は9位(16回、偏差値44.9)。1位は佐賀県(8回)、47位は長野県(650回)、全国平均は68回です。比較:香川4位・大阪6位・広島15位・東京46位。詳しくは地震が少ない県・市町村ランキングをご覧ください。

30年以内に震度6弱以上となる確率の低さ:岡山は31位

順位都道府県30年以内に震度6弱以上の確率偏差値
1位北海道2.3%39.2
2位長野県2.7%39.4
3位山形県3.8%39.8
4位島根県4.7%40.2
5位山口県5.5%40.5
6位青森県5.6%40.5
7位群馬県5.6%40.5
8位福岡県6.3%40.8
9位岩手県6.9%41.1
10位長崎県7.0%41.1
31位岡山県42.9%55.7
30年以内に震度6弱以上となる確率の低さランキング(J-SHIS 2024年版・県庁所在地、低い順)

岡山県は31位(42.9%、偏差値55.7)。1位は北海道(2.3%)、47位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。比較:香川45位・大阪29位・広島28位・東京35位。岡山は回数では少なくても南海トラフ地震の想定震源域に近く、確率は中位です。詳しくは今後30年以内に震度6弱以上の地震が起きる確率ランキングをご覧ください。

台風の接近数の少なさ:岡山は14位

順位都道府県台風の接近数偏差値
1位北海道1.9回31.1
2位青森県2.7回41.6
3位岩手県2.7回41.6
4位宮城県2.7回41.6
5位秋田県2.7回41.6
6位山形県2.7回41.6
7位福島県2.7回41.6
8位新潟県2.8回42.9
9位富山県2.8回42.9
10位石川県2.8回42.9
14位岡山県3.0回45.6
台風の接近数の少なさランキング(年平均接近数、少ない順)

岡山県は14位(3.0回、偏差値45.6)。1位は北海道(1.9回)、47位は沖縄県(7.7回)、全国平均は3.3回です。比較:香川26位・大阪31位・広島15位・東京21位。詳しくは台風の接近数ランキングあなたの市町村には年何個来る?気象庁データをご覧ください。

降雪量の少なさ:岡山は7位

順位都道府県年降雪量偏差値
1位静岡県0cm44.2
2位宮崎県0cm44.2
3位沖縄県0cm44.2
4位大阪府1cm44.3
5位兵庫県1cm44.3
6位和歌山県1cm44.3
7位岡山県1cm44.3
8位香川県1cm44.3
9位愛媛県1cm44.3
10位高知県1cm44.3
降雪量の少なさランキング(年降雪量の平年値、少ない順)

岡山県は7位(1cm、偏差値44.3)。1位は静岡県(0cm)、47位は青森県(567cm)、全国平均は72cmです。比較:香川8位・大阪4位・広島23位・東京22位。詳しくは降雪量ランキングをご覧ください。

降水量の少なさ:岡山は2位

順位都道府県年降水量偏差値
1位長野県965mm33.7
2位岡山県1,143mm37.9
3位北海道1,146mm37.9
4位香川県1,150mm38.0
5位山梨県1,161mm38.3
6位山形県1,207mm39.4
7位福島県1,207mm39.4
8位群馬県1,247mm40.3
9位宮城県1,277mm41.0
10位兵庫県1,278mm41.0
降水量の少なさランキング(年降水量の平年値、少ない順)

岡山県は2位(1,143mm、偏差値37.9)。1位は長野県(965mm)、47位は高知県(2,666mm)、全国平均は1,657mmです。比較:香川4位・大阪13位・広島22位・東京24位。詳しくは降水量が多い都道府県・市町村ランキングをご覧ください。

よくある質問

Q. 岡山が1位なのに南海トラフ地震は大丈夫?

有感地震の回数や台風・雪・雨の少なさでは全国トップですが、南海トラフ巨大地震(30年以内70〜80%)では岡山市で震度6弱程度、県南部の低地では液状化も想定されています。「災害が少ない」は「災害がない」ではありません。地震が少ない県は本当に安全かもあわせてお読みください。

Q. 災害偏差値はどうやって計算している?

地震回数・台風接近数・降雪量・降水量の4指標を47都道府県で偏差値化し、平均したものです。指標の重みは等しく、津波・火山・土砂災害は含みません。自宅単位のリスクはハザードマップの見方で確認してください。

Q. 移住先を選ぶとき、どの指標を重視すべき?

命に関わる順に「地震の30年確率と地盤」「水害・土砂の危険区域」「雪と暑さ(生活コスト)」の順で見るのがおすすめです。県単位の順位より、市区町村・住所単位のデータ(地震リスクDB水害リスクDB)のほうが判断材料になります。

Q. 災害が少ない県は地震保険も安い?

おおむね連動しますが、例外があります。岡山は最も安い1等地グループですが、台風や地震の少ない香川は南海トラフの影響で2等地です。地震保険料ランキングで確認できます。

あわせて読みたい関連ランキング

まとめ
  • 災害が少ない県1位は岡山県(災害偏差値43.7)、2位香川、3位大阪、4位奈良、5位群馬。瀬戸内〜近畿内陸が最も穏やか
  • 災害が多い県は沖縄・鹿児島・東京・宮崎・熊本。東京は伊豆諸島の地震が押し上げている
  • 北陸3県は地震・台風が少ないのに雪と雨で下位。「災害の中身」は県で違う
  • 指標は地震(震度4以上)・台風接近・最深積雪・年降水量の4つの偏差値平均
  • 県単位はあくまで目安。市町村・地形単位のリスクは地震・水害リスクDBで確認を

出典:気象庁の平年値(1991〜2020年)および観測データ、気象庁 震度データベース、気象庁 台風の統計資料。偏差値は47都道府県の平均を50とした値です。都道府県の値は原則として県庁所在地の気象官署の平年値を用いています。

タイトルとURLをコピーしました