花粉が少ない県ランキング|スギ・ヒノキ林の面積と3月の風・雨で選ぶ「避粉地」は沖縄・北海道、本土は香川・大阪【気象予報士が解説】

日本地図と、スギ・ヒノキ林を表す六角形のパターンを重ねたイメージ 気象

「花粉が少ない県はどこ?」「花粉症から逃げられる場所(避粉地)に行きたい」——2〜4月、スギ・ヒノキ花粉に悩む人が毎年調べる疑問です。結論から言うと、スギ花粉が「ほぼゼロ」の県は沖縄と北海道の2つだけ。本州・四国・九州はどこにいても数十km先の山から花粉が飛んできます。

この記事では、林野庁の都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積(発生源の量)と、気象庁の3月の風・雨のデータ(飛びやすさ)を組み合わせて、花粉が少ない県ランキングと現実的な避粉地の選び方を気象予報士がまとめます。

のぶやん
のぶやん

私は気象庁で働いていた気象予報士です。花粉の量を決めるのは「近くにスギ林がどれだけあるか」と「その日に飛びやすい天気か」の2つ。前者は林野庁、後者は気象庁のデータで判断できます。

花粉が少ない県ランキング|県の面積に占めるスギ・ヒノキ林の割合

順位都道府県スギ人工林ヒノキ人工林県面積に占める割合森林に占める割合
1位沖縄県248ha0ha0.1%0%
2位北海道32,571ha0ha0.4%1%
3位香川県1,909ha14,339ha8.7%19%
4位長野県60,260ha81,426ha10.4%13%
5位大阪府7,745ha12,681ha10.7%35%
6位千葉県47,396ha8,846ha10.9%35%
7位新潟県145,488ha36ha11.6%17%
8位富山県49,455ha403ha11.7%18%
9位岩手県202,871ha3,996ha13.5%18%
10位神奈川県19,154ha14,631ha14%36%
11位東京都22,490ha9,123ha14.4%40%
12位埼玉県36,277ha19,105ha14.6%46%
13位福島県184,304ha26,505ha15.3%22%
14位茨城県62,052ha31,639ha15.4%50%
15位山梨県26,059ha44,979ha15.9%20%
スギ・ヒノキ人工林が少ない県トップ15(林野庁「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」、県面積比は当サイト計算)

1位沖縄はスギ人工林248ha(県面積の0.1%)でヒノキはゼロ。2位北海道はスギ32,571haありますが、道の面積が広大なため0.4%で、しかも道南に偏っています。この2道県以外は、3位の香川でも8.7%、大都市の大阪10.7%、東京14.4%と、県土の1割前後がスギ・ヒノキ林です。

逆にスギ・ヒノキ林が多いのは高知(52.5%)・奈良(45.5%)・和歌山(45.0%)・徳島(42.8%)・愛媛(41.6%)と紀伊半島〜四国の林業県、面積の絶対量では秋田のスギ367,469haが日本一です。

【ツール】指標と月を切り替えて全国順位を確認

下のツールでは、気温・雨・雪・晴れ・湿度・風・雷・台風・地震などの指標を年間・月別に切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(沖縄県を黄色で強調表示)。並び順を変えると「少ない県」「低い県」のランキングになります。

「県の面積比」だけでは決まらない3つの理由

① 花粉は県境を越えて飛ぶ

スギ花粉は風に乗って数十km、上空の風では200km以上運ばれます。東京23区にスギ林はほとんどありませんが、奥多摩・丹沢・秩父・日光の花粉が北西の風で運ばれ、飛散量は全国トップクラス。「県内のスギが少ない=花粉が少ない」が成り立つのは、周囲を海に囲まれた沖縄・北海道・離島だけです。

② 北海道は「シラカバ花粉」がある

北海道はスギ花粉こそ道南の一部を除いてほぼゼロですが、4月下旬〜6月にシラカバ(カバノキ科)花粉が飛びます。スギ花粉症の人の多くはシラカバに反応しないので避粉地として有効ですが、シラカバ花粉症の人は逆効果。3〜4月の北海道はスギもシラカバもない「空白期間」で、この時期が狙い目です。

③ 飛びやすい天気かどうか

花粉が多く飛ぶ条件は「晴れて気温が高い」「空気が乾いている」「風が強い」「雨の翌日」の4つ。同じ量のスギ林でも、3月に雨が多く風の弱い地域は飛散量が抑えられます。3月の気象条件を比べると次のとおりです。

都道府県3月の平均気温3月の雨の日3月の平均風速3月の平均湿度
沖縄県19.1℃34.2%5.2m/s71%
北海道1.1℃6.8%3.8m/s65%
香川県9.4℃26.1%2.6m/s62%
大阪府9.9℃26.9%2.5m/s59%
東京都9.4℃24.1%3.1m/s57%
長崎県11.2℃30.2%2.6m/s65%
鹿児島県12.8℃35.4%3.6m/s66%
高知県11.2℃29.6%1.9m/s62%
秋田県4℃21.7%4.9m/s68%
3月の気象条件(県庁所在地の平年値)。気温が高く、雨が少なく、風が強く、乾いているほど花粉が飛びやすい

現実的な「避粉地」ベスト

  1. 沖縄本島・宮古・石垣:スギ・ヒノキともにほぼゼロ。2〜4月は台風もなく、海開きの時期。最も確実な避粉地(沖縄の台風時期
  2. 北海道(3〜4月):スギ花粉なし、シラカバはまだ。ただし道南(函館周辺)には少量のスギ林がある
  3. 小笠原・奄美・五島などの離島:スギ林が少なく、海風で花粉が流されにくい。奄美・五島は九州の花粉が届くことがある
  4. 県内にスギが少ない都市部の、風上に山がない側:大阪湾岸・瀬戸内沿岸(香川など)は本土の中では少なめ。ただし「ゼロ」にはならない

「避粉旅行」の予算を抑えるなら、花粉のピーク(関東・関西は3月上旬〜下旬、九州は2月下旬〜3月中旬)だけ沖縄に1週間、という使い方が現実的です。沖縄の月別の天気・服装は沖縄本島の天気と服装 月別ガイドでどうぞ。

47都道府県 スギ・ヒノキ人工林ランキング(全順位)

順位都道府県スギ人工林ヒノキ人工林合計県面積比
1位沖縄県248ha0ha248ha0.1%
2位北海道32,571ha0ha32,571ha0.4%
3位香川県1,909ha14,339ha16,248ha8.7%
4位長野県60,260ha81,426ha141,686ha10.4%
5位大阪府7,745ha12,681ha20,426ha10.7%
6位千葉県47,396ha8,846ha56,242ha10.9%
7位新潟県145,488ha36ha145,524ha11.6%
8位富山県49,455ha403ha49,858ha11.7%
9位岩手県202,871ha3,996ha206,867ha13.5%
10位神奈川県19,154ha14,631ha33,785ha14%
11位東京都22,490ha9,123ha31,613ha14.4%
12位埼玉県36,277ha19,105ha55,382ha14.6%
13位福島県184,304ha26,505ha210,809ha15.3%
14位茨城県62,052ha31,639ha93,691ha15.4%
15位山梨県26,059ha44,979ha71,038ha15.9%
16位群馬県78,894ha23,746ha102,640ha16.1%
17位山形県159,976ha94ha160,070ha17.2%
18位石川県72,291ha4,809ha77,100ha18.4%
19位宮城県134,050ha8,870ha142,920ha19.6%
20位広島県54,273ha111,794ha166,067ha19.6%
21位滋賀県46,447ha34,535ha80,982ha20.2%
22位栃木県78,781ha53,632ha132,413ha20.7%
23位青森県201,036ha108ha201,144ha20.9%
24位島根県84,958ha67,403ha152,361ha22.7%
25位愛知県51,455ha67,986ha119,441ha23.1%
26位長崎県30,968ha69,863ha100,831ha24.4%
27位岡山県44,378ha132,874ha177,252ha24.9%
28位兵庫県118,032ha97,848ha215,880ha25.7%
29位山口県67,884ha90,489ha158,373ha25.9%
30位京都府63,738ha56,924ha120,662ha26.2%
31位福岡県72,288ha61,473ha133,761ha26.8%
32位福井県107,047ha6,916ha113,963ha27.2%
33位鹿児島県155,153ha99,666ha254,819ha27.7%
34位佐賀県41,379ha29,360ha70,739ha29%
35位岐阜県122,491ha209,262ha331,753ha31.2%
36位鳥取県72,226ha37,913ha110,139ha31.4%
37位秋田県367,469ha35ha367,504ha31.6%
38位静岡県110,615ha142,227ha252,842ha32.5%
39位大分県149,914ha67,396ha217,310ha34.3%
40位熊本県154,147ha110,915ha265,062ha35.8%
41位三重県100,260ha109,572ha209,832ha36.3%
42位宮崎県239,113ha65,660ha304,773ha39.4%
43位愛媛県113,024ha123,373ha236,397ha41.6%
44位徳島県139,054ha38,326ha177,380ha42.8%
45位和歌山県92,624ha120,184ha212,808ha45%
46位奈良県97,783ha70,238ha168,021ha45.5%
47位高知県155,214ha217,636ha372,850ha52.5%
林野庁「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」(平成24年3月31日現在)と県面積から計算

花粉が飛ぶ時期の目安

地域スギヒノキその他
九州2月上旬〜3月中旬3月中旬〜4月中旬
関西・中国・四国2月中旬〜3月下旬3月下旬〜4月下旬四国・紀伊半島はヒノキが多く4月がつらい
関東2月中旬〜4月上旬3月下旬〜5月上旬飛散量が全国最多クラス
東北3月上旬〜4月中旬少ない秋田はスギ面積日本一
北海道ほぼなし(道南に少量)なしシラカバ 4月下旬〜6月
沖縄なしなし
スギ・ヒノキ花粉の飛散時期の目安

スギは「前年の夏が暑くて日照が多い」と翌春の花粉が増えます。前年の夏の暑さは猛暑日・酷暑日が多い都道府県・市町村ランキング、当日の飛びやすさは晴れの日風速のデータで見当がつきます。

花粉シーズン(3月)の気象ランキング|雨・風・晴れ・気温で飛散しやすい県は?

スギ林の面積に加えて、飛散のピークである3月の気象条件(雨の日・風・晴れ・気温)で、花粉が「飛びやすい県」「飛びにくい県」を確かめます。

3月の雨の日の多さ(花粉が落ちやすい):沖縄は4位

順位都道府県雨の日の割合(3月)偏差値
1位鹿児島県35.4%64.4
2位福井県35.0%63.8
3位富山県34.8%63.5
4位沖縄県34.2%62.6
5位石川県34.0%62.3
6位千葉県33.4%61.4
7位島根県33.4%61.4
8位鳥取県33.0%60.8
9位宮崎県31.8%59.0
10位新潟県31.0%57.8
3月の雨の日の多さ(花粉が落ちやすい)ランキング(約60年の天気出現率)

沖縄県は4位(34.2%、偏差値62.6)。1位は鹿児島県(35.4%)、47位は北海道(6.8%)、全国平均は25.7%です。比較:北海47位・東京35位・山梨37位・静岡16位。雨の日は花粉の飛散が止まり、地面に落ちます。3月に雨の日が多い県は、同じスギ林面積でも体感の飛散量が少なくなります。詳しくは雨の日が多い都道府県ランキング(年間・月別)をご覧ください。

3月の平均風速の強さ(遠くまで飛ぶ):沖縄は1位

順位都道府県平均風速(3月)偏差値
1位沖縄県5.2m/s77.2
2位秋田県4.9m/s73.1
3位青森県4.3m/s64.9
4位石川県4.3m/s64.9
5位千葉県4.2m/s63.6
6位和歌山県4.1m/s62.2
7位神奈川県3.9m/s59.5
8位北海道3.8m/s58.1
9位宮城県3.8m/s58.1
10位広島県3.8m/s58.1
3月の平均風速の強さ(遠くまで飛ぶ)ランキング(平年値)

沖縄県は1位(5.2m/s、偏差値77.2)。1位は沖縄県(5.2m/s)、47位は高知県(1.9m/s)、全国平均は3.2m/sです。比較:北海8位・東京27位・山梨35位・静岡40位。詳しくは平均風速ランキングをご覧ください。

3月の晴れの日の多さ(飛散日和):沖縄は39位

順位都道府県晴れの日の割合(3月)偏差値
1位群馬県58.8%67.6
2位埼玉県57.1%65.7
3位山梨県57.0%65.6
4位栃木県54.6%62.9
5位高知県53.8%62.0
6位愛知県53.4%61.6
7位岐阜県52.5%60.6
8位茨城県51.1%59.0
9位三重県49.4%57.1
10位徳島県49.3%57.0
39位沖縄県32.5%38.3
3月の晴れの日の多さ(飛散日和)ランキング(約60年の天気出現率)

沖縄県は39位(32.5%、偏差値38.3)。1位は群馬県(58.8%)、47位は秋田県(23.1%)、全国平均は43.0%です。比較:北海44位・東京16位・山梨3位・静岡15位。晴れて気温が上がり、風がある日が「花粉日和」。関東内陸は3月の晴れが多く、飛散量も多くなります。詳しくは晴れの日が多い都道府県ランキング(年間・月別)をご覧ください。

3月の平均気温の高さ(飛散開始が早い):沖縄は1位

順位都道府県年平均気温(3月)偏差値
1位沖縄県19.1℃85.7
2位鹿児島県12.8℃64.4
3位宮崎県12.1℃62.1
4位高知県11.2℃59.0
5位長崎県11.2℃59.0
6位熊本県10.9℃58.0
7位福岡県10.8℃57.7
8位静岡県10.7℃57.3
9位佐賀県10.4℃56.3
10位山口県10.3℃56.0
3月の平均気温の高さ(飛散開始が早い)ランキング(平年値)

沖縄県は1位(19.1℃、偏差値85.7)。1位は沖縄県(19.1℃)、47位は北海道(1.1℃)、全国平均は8.5℃です。比較:北海47位・東京20位・山梨28位・静岡8位。詳しくは暖かい県ランキングをご覧ください。

よくある質問

Q. 花粉が飛ばない県はある?

スギ・ヒノキがほとんどない沖縄県と、スギ花粉の飛散量がごく少ない北海道(道北・道東)が該当します。ただし北海道はシラカバ花粉(4〜6月)があり、沖縄でも本土からの飛来がごくまれにあります。

Q. 花粉の飛散量は年によってどれくらい違う?

前年夏の気温と日照が高いほど雄花が多くつき、翌春の飛散量が増えます。多い年と少ない年で5〜10倍の差が出ることもあります。

Q. 花粉症の人が引っ越すならどこ?

スギ林面積比が小さく、3月に雨の日が多い県が候補です。沖縄・北海道に加え、都市部では海風で花粉が薄まる沿岸部が比較的楽とされます。移住の総合判断は住みやすい気候の県ランキングもご覧ください。

Q. 花粉が多い日の天気の特徴は?

晴れて気温が高い、空気が乾燥している、風が強い、雨の翌日——の4条件です。湿度が低い県ランキングの3月と平均風速ランキングをあわせて見ると、飛散しやすい地域が分かります。

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まとめ
  • スギ花粉がほぼゼロなのは沖縄(県面積の0.1%)と北海道(0.4%)の2道県だけ。3位の香川でも8.7%
  • スギ・ヒノキ林が多いのは高知52.5%・奈良・和歌山・徳島・愛媛。面積の絶対量では秋田のスギが日本一
  • 花粉は県境を越えて飛ぶので、東京・大阪のように県内にスギが少なくても飛散量は多い
  • 北海道は3〜4月が狙い目(スギなし・シラカバ前)。沖縄は2〜4月が最も確実な避粉地
  • 飛びやすい条件は「晴れ・高温・乾燥・強風・雨の翌日」

出典:気象庁の平年値(1991〜2020年)および観測データ、林野庁「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」(平成24年3月31日現在)。偏差値は47都道府県の平均を50とした値です。都道府県の値は原則として県庁所在地の気象官署の平年値を用いています。

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