「日本でいちばん地震が多い県はどこ?」——揺れを日常的に感じる県、ニュースでよく聞く県。体感やイメージではなく、データで見ると意外な答えが待っています。
今回は気象庁「震度データベース」に記録が残る1919年から2026年までの107年分の全データをさかのぼり、震度1以上を観測した地震の回数で「地震が多い都道府県・市町村ランキング」を作成しました。
47都道府県と全国1,894市区町村の両方を、比較しやすい偏差値つきでランキング。震度(震度1以上〜震度5弱以上)と期間(全期間・近年・年代別)を切り替えられるツールで、「強い揺れだけならどこが多い?」「昔と今でどう変わった?」まで分かります。

僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
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このランキングの作り方
- 気象庁「震度データベース検索」から、震度1以上を観測した地震の回数(1919〜2026年)を、47都道府県・全1,894市区町村ぶん集計した独自データです
- 数えているのは「その土地で実際に揺れた回数」。震源の場所ではなく、その場所で観測された揺れの数なので、暮らしの「揺れやすさ」に直結します
- ツールでは震度(震度1以上〜震度5弱以上)と期間(全期間・近年2000〜2026・年代別1920年代〜2020年代)を自由に切り替えられます
- 気象庁の観測点は年々増えているため、古い年代ほど回数は少なめに出ます。複数の期間で見比べるのがおすすめです
偏差値の見方
偏差値は「全国平均を50」として、平均からどれくらい離れているかを表す数値です。本記事では地震が多いほど偏差値が高くなるように計算しています(回数の桁が県によって大きく違うため、対数をとって算出)。
- 偏差値50……全国平均レベル
- 偏差値60以上……全国有数の「地震が多い」エリア
- 偏差値70以上……別格の多さ(群発地震クラス)
【都道府県】地震が多いランキング(震度・期間で切替)
まずは都道府県ランキングです。震度のボタン(震度1以上〜震度5弱以上)と期間のボタン(全期間・近年・各年代)で自由に切り替えられます。バーの色と長さは、その条件での地震の多さ(赤=多い/緑=少ない)を表します。
表でも確認できます。「近年」は2000〜2026年、「震度5弱以上」は全期間の強い揺れの回数です。
| 順位 | 都道府県 | 震度1以上 全期間 | 偏差値 | 近年 2000- | 震度5弱 以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 長野県 | 69,497 | 78.6 | 4,018 | 34 |
| 2 | 東京都 | 30,558 | 70.2 | 19,251 | 77 |
| 3 | 茨城県 | 19,487 | 65.7 | 9,200 | 55 |
| 4 | 北海道 | 16,319 | 63.9 | 6,767 | 55 |
| 5 | 福島県 | 14,888 | 62.9 | 10,213 | 68 |
| 6 | 岩手県 | 14,154 | 62.4 | 8,645 | 42 |
| 7 | 宮城県 | 12,609 | 61.3 | 9,675 | 55 |
| 8 | 鹿児島県 | 12,200 | 60.9 | 7,588 | 34 |
| 9 | 栃木県 | 12,187 | 60.9 | 5,108 | 27 |
| 10 | 千葉県 | 10,136 | 59.0 | 5,589 | 25 |
| 11 | 和歌山県 | 9,973 | 58.9 | 2,093 | 9 |
| 12 | 静岡県 | 8,889 | 57.7 | 2,986 | 32 |
| 13 | 青森県 | 8,595 | 57.4 | 4,153 | 32 |
| 14 | 熊本県 | 7,975 | 56.6 | 5,903 | 45 |
| 15 | 沖縄県 | 7,379 | 55.8 | 2,072 | 15 |
| 16 | 埼玉県 | 5,817 | 53.4 | 3,281 | 19 |
| 17 | 神奈川県 | 5,394 | 52.6 | 2,603 | 16 |
| 18 | 鳥取県 | 5,256 | 52.4 | 2,343 | 9 |
| 19 | 群馬県 | 4,999 | 51.9 | 3,314 | 10 |
| 20 | 新潟県 | 4,800 | 51.5 | 3,779 | 40 |
| 21 | 石川県 | 4,595 | 51.0 | 4,190 | 35 |
| 22 | 長崎県 | 3,931 | 49.4 | 969 | 5 |
| 23 | 山梨県 | 3,729 | 48.9 | 1,438 | 22 |
| 24 | 兵庫県 | 3,548 | 48.4 | 1,015 | 15 |
| 25 | 山形県 | 3,253 | 47.5 | 2,333 | 11 |
| 26 | 岐阜県 | 3,143 | 47.2 | 2,087 | 3 |
| 27 | 秋田県 | 3,123 | 47.1 | 2,272 | 13 |
| 28 | 宮崎県 | 2,941 | 46.5 | 1,741 | 17 |
| 29 | 京都府 | 2,788 | 46.0 | 807 | 6 |
| 30 | 大分県 | 2,640 | 45.4 | 1,847 | 19 |
| 31 | 福井県 | 2,338 | 44.2 | 703 | 7 |
| 32 | 三重県 | 2,282 | 43.9 | 582 | 7 |
| 33 | 広島県 | 2,097 | 43.1 | 863 | 13 |
| 34 | 愛媛県 | 2,055 | 42.9 | 874 | 7 |
| 35 | 愛知県 | 1,874 | 41.9 | 856 | 3 |
| 36 | 高知県 | 1,795 | 41.5 | 817 | 6 |
| 37 | 奈良県 | 1,721 | 41.1 | 760 | 8 |
| 38 | 福岡県 | 1,680 | 40.8 | 1,298 | 3 |
| 39 | 岡山県 | 1,679 | 40.8 | 893 | 4 |
| 40 | 徳島県 | 1,558 | 40.1 | 579 | 5 |
| 41 | 島根県 | 1,537 | 39.9 | 1,078 | 7 |
| 42 | 大阪府 | 1,428 | 39.2 | 738 | 3 |
| 43 | 滋賀県 | 1,269 | 38.0 | 609 | 4 |
| 44 | 香川県 | 1,254 | 37.8 | 475 | 3 |
| 45 | 山口県 | 1,021 | 35.8 | 649 | 7 |
| 46 | 富山県 | 889 | 34.4 | 655 | 3 |
| 47 | 佐賀県 | 808 | 33.4 | 557 | 3 |
1位は長野県の6万9千回。ただし9割は「松代群発地震」
全期間の1位は長野県(69,497回・偏差値78.6)。2位東京都の2倍以上という圧倒的な数字ですが、正体は1965〜1970年の「松代群発地震」。この5年余りだけで約6万3千回——全体の9割——を占めます。当時の松代(現・長野市)では、1日に600回揺れた日もあったほどです。
2位の東京都(30,558回)も同じカラクリで、2000年の三宅島・神津島近海の群発地震だけで1年に1万6千回超。伊豆諸島を含む統計のため、東京23区の体感とはかけ離れています。つまり全期間ランキングの上位2つは、どちらも「一時的な群発地震」が作った数字なのです。
「実力」の1位は茨城県。ほぼ毎日どこかで揺れる太平洋側
群発の「山」を除いて、107年間コンスタントに揺れ続けているという意味での実力1位は茨城県(19,487回)です。
年平均180回超——ほぼ2日に1回、県内のどこかで震度1以上を観測している計算になります。
以下、北海道(16,319回)、福島(14,888回)、岩手(14,154回)、宮城(12,609回)と、東日本〜北海道の太平洋側がずらり。この顔ぶれは偶然ではありません(理由は次の章で解説します)。
近年(2000年以降)は東京・福島・宮城がトップ級。震度4以上でも太平洋側が上位
ツールを「近年 2000〜2026」に切り替えると、上位は東京都(19,251回), 福島県(10,213回), 宮城県(9,675回)。
東京は三宅島群発、福島・宮城は2011年の東日本大震災の余震・誘発地震が主因です。震災前と後で東北の数字は桁が変わりました。
また、震度のボタンを「震度4以上」に切り替えると、群発による小さな揺れのかさ上げが消えて、東京(581回)・茨城(408回)・北海道(392回)・福島(383回)と「強い揺れの常連」が上位に並びます。東京の多さは1923年の関東大震災と伊豆諸島の地震を含むため。小さな揺れの回数と、強い揺れの回数では顔ぶれが変わる——ボタン一つで見えてきます。
1943年の鳥取地震(M7.2)、1948年の福井地震(M7.1)という昭和の二大内陸直下地震で、強い揺れを伴う激しい余震が続いた記録(1996年以前の旧震度階級を含む)が効いているためです。
ふだんの回数ランキングでは下位の「静かな県」に、強烈な直下地震の歴史が刻まれている——小さな揺れの「回数」と強い揺れの「歴史」は別物だと、ボタン一つで見えてきます。
なぜ東日本の太平洋側は地震が多いのか——「地震の3タイプ」で分かる
日本で体に感じる地震は、大きく3つのタイプに分けられます。ランキングの読み解きに欠かせない知識です。
- ①海溝型(プレート境界の地震)……太平洋プレートが沈み込む日本海溝・千島海溝沿いで毎日のように起きる。茨城・福島・宮城・北海道の多さの正体はこれ
- ②内陸活断層型……内陸の断層がずれて起きる。頻度は低いが直下で起きるため被害が大きい(阪神・淡路、熊本など)
- ③群発型……特定の場所で数千〜数万回集中的に起きる。松代(長野)、三宅島(東京)、能登(石川)、トカラ列島(鹿児島)が代表
多いランキングの上位は、①がベースにあり、そこに③の群発が突発的に積み上がる構図です。
太平洋プレートは年間約8cmずつ日本の下に沈み込んでいて、そのひずみが小さな地震として毎日解放されているのが東日本の太平洋側。
一方、能登やトカラのような群発は「いつどこで始まるか予測が難しい」のが特徴で、2020年代の石川県(3,181回)・鹿児島県(4,834回)の急増がまさにそれです。
【年代別】最多県は時代ごとに入れ替わる
年代別の傾向も見てみましょう。下の表は47都道府県ののべ観測回数(各県で観測した回数の合計)です。
| 年代 | 47都道府県ののべ回数 | その年代の最多県 | その年代の最少県 |
|---|---|---|---|
| 1920年代 | 15,150 | 茨城県(2,041回) | 富山県(22回) |
| 1930年代 | 15,063 | 茨城県(2,031回) | 佐賀県(22回) |
| 1940年代 | 18,069 | 鳥取県(2,384回) | 秋田県(26回) |
| 1950年代 | 13,256 | 和歌山県(2,109回) | 福岡県(12回) |
| 1960年代 | 79,134 | 長野県(62,951回) | 富山県(24回) |
| 1970年代 | 13,684 | 北海道(1,373回) | 富山県(16回) |
| 1980年代 | 15,035 | 東京都(2,484回) | 富山県(18回) |
| 1990年代 | 21,622 | 沖縄県(2,836回) | 佐賀県(34回) |
| 2000年代 | 50,031 | 東京都(16,162回) | 富山県(130回) |
| 2010年代 | 69,445 | 福島県(7,412回) | 富山県(155回) |
| 2020年代(〜2026) | 30,790 | 鹿児島県(4,834回) | 佐賀県(80回) |
最多県の顔ぶれは、1960年代の長野(松代群発)→2000年代の東京(三宅島群発)→2010年代の福島(東日本大震災)→2020年代の鹿児島(トカラ群発)と、時代ごとにガラリと入れ替わります。
「地震が多い場所」は固定ではなく、大地震や群発のたびに移り変わる——これが107年分のデータが教えてくれる一番の教訓です。
ツールの年代ボタンで、この変遷をぜひ確かめてみてください。
【市区町村】地震が多いランキング(全国1,894市区町村)
続いて市区町村別です。検索ボックスにあなたの街や近くの市区町村名を入れてみてください。震度(震度1以上〜震度5弱以上)の切り替え、都道府県での絞り込み、多い順/少ない順の並び替えができます。「全都道府県」のままなら全国1,894市区町村の全順位が表示されます。
回数が多い市区町村トップ30はこちらです。
| 全国順位 | 市区町村 | 都道府県 | 震度1以上回数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 長野市 | 長野県 | 64,652 | 95.0 |
| 2 | 三宅村 | 東京都 | 12,234 | 80.6 |
| 3 | 水戸市 | 茨城県 | 10,697 | 79.5 |
| 4 | 石岡市 | 茨城県 | 10,063 | 78.9 |
| 5 | 神津島村 | 東京都 | 8,818 | 77.8 |
| 6 | 宇都宮市 | 栃木県 | 8,752 | 77.7 |
| 7 | いわき市 | 福島県 | 7,877 | 76.8 |
| 8 | 和歌山市 | 和歌山県 | 7,763 | 76.7 |
| 9 | 新島村 | 東京都 | 7,694 | 76.6 |
| 10 | つくば市 | 茨城県 | 7,591 | 76.5 |
| 11 | 石巻市 | 宮城県 | 6,823 | 75.6 |
| 12 | 一関市 | 岩手県 | 6,270 | 74.8 |
| 13 | 宮古市 | 岩手県 | 6,087 | 74.6 |
| 14 | 日立市 | 茨城県 | 6,082 | 74.6 |
| 15 | 日光市 | 栃木県 | 6,037 | 74.5 |
| 16 | 盛岡市 | 岩手県 | 5,947 | 74.4 |
| 17 | 伊豆大島町 | 東京都 | 5,794 | 74.2 |
| 18 | 白河市 | 福島県 | 5,766 | 74.1 |
| 19 | 八戸市 | 青森県 | 5,727 | 74.1 |
| 20 | 東京千代田区 | 東京都 | 5,620 | 73.9 |
| 21 | 大船渡市 | 岩手県 | 5,347 | 73.5 |
| 22 | 福島市 | 福島県 | 5,148 | 73.1 |
| 23 | 釧路市 | 北海道 | 5,054 | 73.0 |
| 24 | 鹿児島十島村 | 鹿児島県 | 4,956 | 72.8 |
| 25 | 土浦市 | 茨城県 | 4,932 | 72.8 |
| 26 | 田村市 | 福島県 | 4,886 | 72.7 |
| 27 | 根室市 | 北海道 | 4,842 | 72.6 |
| 28 | 栗原市 | 宮城県 | 4,810 | 72.6 |
| 29 | 登米市 | 宮城県 | 4,561 | 72.1 |
| 30 | 楢葉町 | 福島県 | 4,415 | 71.8 |
1位は長野市の6万4千回。「群発の街と島」が上位を独占
市区町村の1位は長野市(64,652回)。松代群発地震のお膝元で、2位以下を5倍以上引き離す別格の数字です。続く三宅村(12,234回)・神津島村(8,818回)は2000年の火山性群発、上位には能登群発の輪島市・珠洲市なども顔を出します。
つまり市区町村ランキングの上位は「群発地震が起きた場所リスト」でもあります。一過性の数字である点は割り引いて見てください。
観測の長い都市では水戸市・石岡市。北関東の「毎日揺れる」実力
群発を除いた「日常的に揺れる街」の代表は水戸市(10,697回)・石岡市(10,063回)など茨城の都市。
海溝型の地震を100年間受け続けてきた、いわば「実力型」の多さです。同じ多いでも、長野市型(一時的な群発)と水戸市型(恒常的な海溝型)はまったく性質が違う——ここが市区町村ランキングの読みどころです。
「地震が多い=危険」とも限らない——読むときの注意
最後に大事な注意点です。揺れの回数と、被害の大きさは別物です。
- 回数が多い=小さな揺れが多い……ランキング上位の大半は震度1〜2の小さな揺れ。回数の多さがそのまま危険度ではありません
- 大災害は「少ない県」でも起きる……1995年の阪神・淡路大震災(兵庫)、2016年の熊本地震は、回数ランキングでは中位以下の県で起きました。静かな地域の直下型ほど油断が生まれやすい
- 「多い地域」は備えも進む……日常的に揺れる地域は建物の耐震化や住民の防災意識が高い傾向があります。回数だけで住みやすさは判断できません
このランキングは「揺れの頻度」の見える化であって、危険度マップではありません。どの地域に住んでいても、家具の固定・備蓄・ハザードマップの確認は必須です。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
- 全期間(1919〜2026年)の1位は長野県(69,497回)。ただし9割は1960年代の松代群発地震。2位東京都も三宅島群発が主因
- 「実力」の多さは茨城県(19,487回・ほぼ2日に1回)を筆頭に、福島・宮城・北海道など東日本の太平洋側。日本海溝の海溝型地震が理由
- 震度4以上に絞ると東京・茨城・北海道・福島など太平洋側の「強い揺れの常連」が上位に。小さな揺れと強い揺れでは顔ぶれが変わる
- 最多県は時代ごとに交代——60年代長野→00年代東京→10年代福島→20年代鹿児島(トカラ)。「多い場所」は固定ではない
- 市区町村1位は長野市(64,652回)。群発型の長野市・三宅村と、恒常型の水戸市・石岡市では多さの性質が違う
- ただし回数≠危険度。大災害は回数が少ない地域でも起きる。どこに住んでいても備えは必須
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【偏差値つき】地震が少ない県・市町村ランキング|日本一地震が少ないのはどこ?(気象庁1919〜2026年の全データ)
データ出典・注記
- 出典:気象庁「震度データベース検索」の震度1以上の観測回数を、47都道府県・全1,894市区町村について集計
- 期間:1919年1月1日〜2026年7月18日(データベースにさかのぼれる全期間)
- 「震度1以上の観測回数」は、その地域の観測点で震度1以上を観測した地震の数(震源の位置ではなく観測地点でカウント)
- 一部の古い記録(1943年鳥取地震・1948年福井地震の余震など)には震度を特定できない「震度不明」の有感記録があります。合計(震度1以上)には含まれますが、震度2以上などの震度別の絞り込みには含まれません
- 気象庁の観測点数は時代とともに増加しているため、古い年代ほど回数が少なくなる傾向があります
- 本ランキングは揺れの頻度の目安であり、地域の危険度や安全性を示すものではありません
以上が、「地震が多い都道府県・市町村ランキング」でした。
読んでいただきありがとうございました。


