世界の最大瞬間風速ランキング【観測史上・公式記録】世界一強い風はどこで吹いた?WMO世界記録と日本の富士山91.0m/sを比較

世界地図に最大瞬間風速の記録地点を円で示し、風の流線と記録の棒グラフを重ねたイメージ 気象

「世界でいちばん強い風はどこで吹いた?」——世界ランキングシリーズ、今回は観測史上の最大瞬間風速です。各国の気象機関が公表している国内記録を集め、風速の強い順にランキングしました。竜巻の推定風速(ドップラーレーダーによる推定)は含めず、地上の観測所で実際に測った瞬間風速だけを対象にしています。

データはWMO(世界気象機関)の公式アーカイブと、各国気象機関の公表値を1か国ずつ確認して集めました。日本の記録は気象庁「観測史上1〜10位の値」から自動取得しています(最大瞬間風速ランキング【日本】と同じデータ)。日本記録は富士山(静岡県)の91.0m/s(1966年9月25日)。掲載23か国・地域の中では6位で、世界でも有数の記録です。

世界の最大瞬間風速ランキング【国・地域別・観測史上の記録】

ボタンで「地域」「記録が観測された年代」「出典の区分」を絞り込めます。値は各国・地域の観測史上の最大瞬間風速(山岳/平地の区分つき)。偏差値は掲載23か国・地域の中での位置づけです。日本の値は気象庁データから自動更新されます。

首都の平均風速で見る「風の強い国」|記録との違い

最大瞬間風速の記録に対して、首都の平均風速で見た「いつも風が強い国」のランキングです。オーストラリアと日本の位置を確認します。

平均風速の強さ(首都):オーストラリアは111位

順位平均風速偏差値
1位マーシャル諸島6.8m/s82.3
2位ニュージーランド6.6m/s80.5
3位トンガ5.9m/s74.4
4位モーリシャス5.7m/s72.7
5位キリバス5.6m/s71.8
6位ツバル5.4m/s70.1
7位アンティグア・バーブーダ5.3m/s69.2
8位モーリタニア5.2m/s68.3
9位ソマリア5.2m/s68.3
10位デンマーク5.2m/s68.3
111位オーストラリア2.7m/s46.6
32位日本4.2m/s59.6
平均風速の強さ(首都)ランキング(193か国、平年値)

オーストラリアは111位(2.7m/s、偏差値46.6)。日本は32位(4.2m/s)。1位はマーシャル諸島(6.8m/s)、最下位はブータン(1.0m/s)、193か国の平均は3.1m/sです。詳しくは世界の風が強い国ランキングいちばん風が強い国はどこ?年平均風速をご覧ください。

1月の平均風速の強さ:オーストラリアは123位

順位平均風速(1月)偏差値
1位マーシャル諸島8.3m/s86.7
2位デンマーク6.5m/s73.6
3位キリバス6.4m/s72.9
4位ソマリア6.3m/s72.2
5位マルタ6.0m/s70.0
6位ニュージーランド5.9m/s69.3
7位フィンランド5.6m/s67.1
8位アンティグア・バーブーダ5.6m/s67.1
9位グレナダ5.6m/s67.1
10位モルディブ5.5m/s66.3
123位オーストラリア2.6m/s45.3
47位日本4.4m/s58.3
1月の平均風速の強さランキング(193か国、平年値)

オーストラリアは123位(2.6m/s、偏差値45.3)。日本は47位(4.4m/s)。1位はマーシャル諸島(8.3m/s)、最下位はタジキスタン(1.0m/s)、193か国の平均は3.3m/sです。詳しくは平均風速の世界ランキングをご覧ください。

7月の平均風速の強さ:オーストラリアは111位

順位平均風速(7月)偏差値
1位ツバル6.9m/s79.9
2位ソマリア6.6m/s77.5
3位マーシャル諸島6.5m/s76.7
4位トンガ6.5m/s76.7
5位アンティグア・バーブーダ6.4m/s75.9
6位ニュージーランド6.3m/s75.1
7位モーリシャス6.2m/s74.3
8位セントクリストファー・ネービス6.2m/s74.3
9位クウェート5.9m/s71.9
10位スーダン5.8m/s71.1
111位オーストラリア2.8m/s47.1
46位日本3.8m/s55.1
7月の平均風速の強さランキング(193か国、平年値)

オーストラリアは111位(2.8m/s、偏差値47.1)。日本は46位(3.8m/s)。1位はツバル(6.9m/s)、最下位はブータン(0.9m/s)、193か国の平均は3.2m/sです。詳しくは平均風速の世界ランキングをご覧ください。

平均風速の弱さ(首都):オーストラリアは87位

順位平均風速偏差値
1位ブータン1.0m/s31.8
2位タジキスタン1.1m/s32.6
3位ネパール1.2m/s33.5
4位リヒテンシュタイン1.3m/s34.4
5位サントメ・プリンシペ1.4m/s35.3
6位アンドラ1.4m/s35.3
7位コンゴ共和国1.5m/s36.1
8位コンゴ民主共和国1.5m/s36.1
9位マレーシア1.5m/s36.1
10位ボスニア・ヘルツェゴビナ1.5m/s36.1
87位オーストラリア2.7m/s46.6
158位日本4.2m/s59.6
平均風速の弱さ(首都)ランキング(193か国、弱い順)

オーストラリアは87位(2.7m/s、偏差値46.6)。日本は158位(4.2m/s)。1位はブータン(1.0m/s)、最下位はマーシャル諸島(6.8m/s)、193か国の平均は3.1m/sです。詳しくは平均風速の世界ランキングをご覧ください。

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よくある質問

Q. サイクロン・ハリケーン・台風の違いは?

同じ熱帯低気圧で、発生する海域による呼び名の違いです。北西太平洋が台風、北大西洋・北東太平洋がハリケーン、インド洋・南太平洋がサイクロン。バロー島の記録はサイクロン、日本の記録はすべて台風によるものです。

Q. 日本の富士山91.0m/sは世界で何番目?

この記事の23か国・地域の中で6位。平地・離島に限れば宮古島の85.3m/sは世界でも屈指の記録です。日本の歴代最大瞬間風速ランキングで全国945地点を確認できます。

Q. 年平均で世界一風が強い場所は?

南極のコモンウェルス湾(年平均約19m/s)です。人が住む都市ではウェリントン(ニュージーランド)が知られています。世界一風が強い場所はどこ?で解説しています。

Q. 風速の測り方は世界共通?

WMOは地上10mでの観測を標準としていますが、「瞬間」の定義(3秒平均か1秒か)は国によって異なり、日本は3秒平均です。この記事では各国の定義をそのまま掲載しています。

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地域
年代(記録が観測された年代で絞り込み)
出典の区分
最大瞬間風速の記録:23か国・地域

出典:WMO World Weather and Climate Extremes Archive(2025年7月31日版)および各国気象機関の公表値。「公式」=WMO公認または各国気象機関が国内記録として公表した値、「準公式」=気象機関の観測値だが国内記録としての公表ページを確認できず二次資料で確認した値。竜巻の推定風速は含みません。「山岳」は山頂・稜線の観測所、「平地」はそれ以外の観測所です。

【ツール】世界193か国の気候指標を切り替えて順位を確認

下のツールでは、年平均気温・年較差・最高/最低気温の記録・降水量・降雪量・雲量・日照時間・湿度・風速・紫外線を年間・月別に切り替えて、国連加盟193か国の順位と偏差値を確認できます(オーストラリアを黄色で強調表示)。

世界の最大瞬間風速 TOP10を考察|サイクロンと山頂観測所

順位国・地域記録地点観測日備考
1位オーストラリア113.2m/s(平地)バロー島1996年4月10日サイクロン・オリビア
2位アメリカ103.3m/s(山岳)ワシントン山(ニューハンプシャー州)1934年4月12日温帯低気圧
3位フランス(本土)100.0m/s(山岳)エグアル山1968年11月1日温帯低気圧
4位台湾95.2m/s(山岳)蘭嶼2023年10月4日台風14号(コイヌ)
5位ドイツ93.1m/s(山岳)ツークシュピッツェ1985年6月12日雷雨・前線
6位日本91.0m/s(山岳)富士山(静岡県)1966年9月25日台風26号
7位フィジー85.0m/s(平地)バヌアバラブ2016年2月20日サイクロン・ウィンストン
8位スウェーデン81.0m/s(山岳)タルファラ1992年12月20日冬の暴風
9位香港78.9m/s(山岳)大老山1962年9月1日台風ワンダ
10位レユニオン(仏)77.8m/s(山岳)マイド2002年1月22日サイクロン・ディナ
国・地域別 観測史上の最大瞬間風速 TOP10

1位はオーストラリア・バロー島の113.2m/s(408km/h)。1996年4月10日、サイクロン・オリビアが通過したときの記録で、WMOが公認する地上観測の世界記録です。2位のアメリカ・ワシントン山103.3m/s(231mph・1934年4月12日)は、バロー島の記録が2010年に認定されるまで62年間「世界一」だった値で、いまも「熱帯低気圧以外」および北半球の世界記録として登録されています。標高1,917mの山頂観測所で、温帯低気圧の風です。

3位のフランス・エグアル山100m/s(360km/h・1968年)は古い測器による値で信頼性に議論があります。4位の台湾・蘭嶼95.2m/sは2023年10月4日、台風14号(コイヌ)で観測されたもので、この直後に風速計が破損しました。5位のドイツ・ツークシュピッツェ93.1m/s(1985年)は山頂観測所の雷雨・前線による突風。6位に日本の富士山91.0m/s(1966年・台風26号)が入ります。上位10地点のうち平地は、バロー島とフィジーのバヌアバラブ(85.0m/s・2016年サイクロン・ウィンストン)だけです。

日本の富士山91.0m/sは世界6位、平地なら宮古島85.3m/s

日本記録は富士山(静岡県)の91.0m/s(1966年9月25日)で、掲載23か国・地域の中では6位。山頂観測所の記録どうしで比べると、ワシントン山・ツークシュピッツェに次ぐ水準です。平地に限れば日本の記録は宮古島の85.3m/s(1966年9月5日・第2宮古島台風)で、これはフィジーの85.0m/sと並び、平地の記録としてはバロー島に次ぐ世界2位級。台風の常襲地帯である南西諸島が、風の強さでも世界トップクラスであることがわかります。

「山岳」と「平地」で記録の意味が違う

ツールの各行に「山岳」「平地」の区分を付けています。山頂観測所(ワシントン山・ツークシュピッツェ・ケアンゴーム・富士山など)は地形で風が加速されるため、平地より20〜30m/s大きい値が出ます。そのため、各国の「国内記録」は山頂観測所を持つ国ほど大きくなり、国どうしの単純比較には向きません。イギリスは低地の記録63.3m/s(フレーザーバラ・1989年)、スイスは52.8m/s(グラールス・1985年)、スウェーデンは43.0m/s(ハネ・1999年)と、平地の記録は別に公表している国が多いので備考に記しました。

WMO公認の風速の世界記録

区分記録地点観測日要因
世界記録113.2m/sバロー島(オーストラリア)1996年4月10日サイクロン・オリビア
熱帯低気圧以外・北半球103.3m/sワシントン山(米・ニューハンプシャー州)1934年4月12日温帯低気圧
WMO公認 最大瞬間風速の世界記録

WMOの極値アーカイブに登録されている風速の記録はこの2つだけで、竜巻の風速は「観測」ではなく推定値のため対象外です(1999年オクラホマ州の竜巻でレーダーが推定した約135m/sは、地上観測ではありません)。なお、1997年のグアムの台風パカで観測された105.5m/sは、その後の調査で測器の信頼性が否定され、記録から外されています。

国・地域別の最大瞬間風速記録 一覧(出典つき)

ランキングツールに収録した全23か国・地域の記録と出典です。

順位国・地域記録地形地点観測日区分出典・備考
1位オーストラリア113.2m/s平地バロー島
Barrow Island
1996年4月10日公式WMO / 豪州気象局
WMO公認の世界記録(408km/h)
2位アメリカ103.3m/s山岳ワシントン山(ニューハンプシャー州)
Mount Washington
1934年4月12日公式WMO / マウントワシントン観測所
熱帯低気圧以外・北半球のWMO記録(231mph)
3位フランス(本土)100.0m/s山岳エグアル山
Mont Aigoual
1968年11月1日準公式Météo-Franceデータ(二次資料)
360km/h。古い測器で信頼性に議論あり
4位台湾95.2m/s山岳蘭嶼
Lanyu
2023年10月4日公式中央気象署・報道
観測後に風速計が破損。従来記録89.8m/s(1984年)
5位ドイツ93.1m/s山岳ツークシュピッツェ
Zugspitze
1985年6月12日公式ドイツ気象局(DWD)
335km/h
6位日本91.0m/s山岳富士山(静岡県)1966年9月25日公式気象庁
当ブログの最大瞬間風速ランキング参照
7位フィジー85.0m/s平地バヌアバラブ
Vanua Balavu
2016年2月20日準公式フィジー気象局(二次資料)
306km/h。観測直後に観測所が破壊
8位スウェーデン81.0m/s山岳タルファラ
Tarfala
1992年12月20日公式SMHI
平地では43.0m/sハネ(1999年)
9位香港78.9m/s山岳大老山
Tate's Cairn
1962年9月1日公式香港天文台(HKO)
284km/h。天文台本部では259km/h
10位レユニオン(仏)77.8m/s山岳マイド
Maïdo
2002年1月22日準公式Météo-France(二次資料)
280km/h
10位モーリシャス77.8m/s平地モン・デゼール
Mon Désert
1975年2月6日準公式モーリシャス気象局(二次資料)
280km/h
12位イギリス77.2m/s山岳ケアンゴーム山頂
Cairngorm Summit
1986年3月20日公式英国気象庁(Met Office)
173mph。低地では63.3m/sフレーザーバラ(1989年)
13位アイスランド74.5m/s山岳ガグンヘイジ
Gagnheiði
1995年1月16日公式アイスランド気象局
14位スイス74.4m/s山岳グラン・サン・ベルナール峠
Grand St-Bernard
1990年2月27日公式MeteoSwiss(二次資料)
268km/h。平地では52.8m/sグラールス(1985年)
15位ニュージーランド69.4m/s山岳マウント・ジョン
Mt John
1970年4月18日公式NIWA
250km/h
16位スペイン68.9m/s山岳イサーニャ(テネリフェ島)
Izaña
2005年11月28日公式AEMET(二次資料)
248km/h。イベリア半島では65.6m/s(2024年)
17位ノルウェー64.7m/s山岳ユーヴァスホー
Juvvasshøe
2011年12月26日公式ノルウェー気象研究所(二次資料)
18位韓国63.7m/s平地束草(ソクチョ)
Sokcho
2006年10月23日公式韓国気象庁(KMA)・報道
台風では60.0m/s高山(2003年・台風メーミー)
19位フィンランド61.6m/s山岳ラウクケロ
Laukukero
1997年1月31日公式フィンランド気象研究所(FMI)
FMIは瞬間風速の記録を非公式扱いとしている
20位デンマーク53.5m/s平地ケグネス灯台
Kegnæs Fyr
2013年10月28日公式デンマーク気象研究所(DMI)
21位アイルランド51.1m/s平地メイス・ヘッド
Mace Head
2025年1月24日公式Met Éireann
184km/h。従来記録182km/h(1945年)
22位ベルギー46.7m/s平地ボーヴシャン
Beauvechain
1990年1月25日準公式ベルギー王立気象研究所(二次資料)
168km/h
23位オランダ45.0m/s平地フク・ファン・ホラント
Hoek van Holland
1921年11月6日公式KNMI
162km/h
国・地域別 観測史上の最大瞬間風速と出典(23か国・地域)

調査方法と注意点

  • 世界記録・大陸別記録はWMO「World Weather and Climate Extremes Archive」の記録表(2025年7月31日版)およびWMOの検証発表から転記しました。WMOが正式に審査・認定した記録と、他の公的資料に基づく既存記録の両方が含まれます。
  • 国・地域別の記録は、各国の気象機関の公表値を優先し、気象機関のデータでも国内記録として公表したページを確認できなかった値は「準公式」として二次資料(学術誌・報道・専門サイト)で確認しています。公式データで国内記録を確認できなかった国は掲載していません。
  • 各国の観測網の密度・観測開始年・測器の基準は異なります。特に1900年代前半の記録には測定環境が現在の基準と異なるものがあり、疑義が指摘されている値は備考に記しました。
  • 日本の値は気象庁「観測史上1〜10位の値」から毎月自動取得しています。他国の記録は固定値で、更新が確認でき次第この記事を改訂します。
  • 瞬間風速の定義(3秒平均・1秒値など)と測器の高さは国によって異なります。km/h・mph・ノットで公表された値はm/sに換算し、元の値を備考に記しました。瞬間風速の記録を公表していない国(カナダ・イタリア・中国本土など)は掲載していません。

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