世界の風が強い国ランキング【国連加盟193か国】いちばん風が強い国はどこ?年平均風速で月別・年間比較

気象

「世界でいちばん風が強い国はどこ?」——傘が壊れる、自転車が進まない、洗濯物が飛んでいく。毎日の生活にいちばん直結する気象要素のひとつがです。世界ランキングシリーズ第13弾は、年平均風速で世界の国々を比べます。

今回はECMWF(欧州中期予報センター)のERA5再解析データ——EUコペルニクス気候変動サービス(C3S)が提供する公的な気候データ——から、国連加盟193か国の首都の「日平均風速(地上10m)」の年平均(2022〜2024年)を調査しました。今回は国連加盟193か国すべてでデータを取得できました。

もちろん「年平均」と「1月〜12月の各月」の切り替え付き。目安として、風速2m/s前後は「そよ風」、4m/sで木の葉や小枝が揺れ、6m/sを超えると傘が差しにくくなり、8m/s級が日常なら「常に風と付き合う暮らし」です。あなたの住む街と比べながら見てみてください。

世界の風が強い国ランキング【地域別・月別/年平均】

ボタンで「地域」と「期間(年平均・各月)」を絞り込めます。値は各国の首都1地点における日平均風速の年平均(m/s)で、バーの色は風の強さの目安(水色=穏やか〜紫=非常に強い)に対応しています。

地域で絞り込み:
期間で切り替え(年平均・各月):
弱い強い値=首都の日平均風速の年平均・m/s(ERA5再解析・2022〜2024年平均)
国連加盟193か国すべてのデータを掲載しています。
出典:ECMWF ERA5再解析(EUコペルニクス気候変動サービス・C3S)の地上10m風速データ(Open-Meteo Historical Weather API経由)。値は各国の首都1地点・2022〜2024年の「日平均風速」の平均(m/s)。偏差値は当該期間のデータがある国を母集団として算出。

調査方法について:値はECMWFのERA5再解析データ(EUコペルニクス気候変動サービス提供の公的データ)から、各国首都の地点について2022〜2024年の日平均風速(地上10m)を取得し、月別・年間で平均したものです(Open-Meteo Historical Weather APIを使用して取得)。風速の観測・統計の基準はWMO(世界気象機関)の定めに、日本国内の観測値は気象庁のデータに基づいています。国全体ではなく首都1地点の値である点にご注意ください。

風が強い国TOP10を考察|主役は「海と偏西風」

世界一風が強いのはマーシャル諸島(Majuro・年平均6.8m/s)。2位ニュージーランド(6.6m/s)、3位トンガ(5.9m/s)と続きます。

上位の顔ぶれに共通するのは「海に開けた立地」です。風は摩擦の少ない海の上でこそ強く吹くため、海に囲まれた島国や、海からの風をまともに受ける沿岸の首都は年間を通して風が強くなります。さらに、偏西風帯や貿易風帯といった「地球規模の風の通り道」に位置していると、季節を問わず安定した強風が吹き続けます。

月別に切り替えると、同じ国でも「風の季節」がはっきり見えてきます。風の年間リズムは、雨や気温と並ぶ「その国の気候の個性」なんですね。

風が弱い国は?|内陸・盆地・赤道の「無風地帯」

反対にいちばん風が弱いのはブータン(Thimphu・年平均1.0m/s)。タジキスタン(1.1m/s)、ネパール(1.2m/s)と続きます。

風が弱い首都に多いのは、内陸の盆地や谷あい、密林に囲まれた低地です。地面の摩擦で風は弱まり、山に囲まれていればなおさら。さらに赤道付近には貿易風がぶつかって上昇気流に変わる「熱帯収束帯」があり、昔の帆船乗りが「赤道無風帯(ドルドラムス)」と恐れたように、地上の風はむしろ穏やかになります。風が弱いことは過ごしやすさでもある一方、大気汚染物質が滞留しやすいという裏の顔もあります。

なぜ差が出るのか?気象予報士的に解説

  • 海か内陸か:海面は地面より摩擦が小さく、風が減速しません。海に開けた首都ほど風が強く、内陸・盆地の首都ほど弱くなります。
  • 偏西風帯・貿易風帯:中高緯度の偏西風、低緯度の貿易風という「地球規模の風の帯」に入っているかどうかで、年間の底上げが決まります。
  • 気圧配置の季節変化:モンスーン(季節風)や冬の強い気圧傾度など、季節で風が強まる仕組みがあると月別の差が大きくなります。
  • 低気圧の通り道:温帯低気圧が頻繁に通るルート上の国は、強風の日が多く平均値も押し上げられます。

日本の風は?|ピークは「春の嵐」のシーズン

日本(東京)は年平均4.2m/sで世界32位・偏差値59.6。月別で見ると2月が平均4.9m/sでもっとも強く、「春一番」や発達した低気圧が次々と通る晩冬〜春に風が強まる、東京らしいリズムが表れています。いちばん穏やかなのは12月(平均3.1m/s)です。

なお、これは平均風速の話。日本は台風による瞬間的な暴風では世界トップクラスの「風の国」です。平均風速でも世界32位と意外な上位につけていますが、瞬間最大風速の記録ではさらに存在感を増します。「ふだんは穏やか、ときどき猛烈」——これが日本の風の個性といえます。

データの注意点|再解析データと「首都1地点」の値

本ランキングの値は、ERA5再解析データによる首都地点の推定値です。再解析の風速は約31km四方の格子の平均的な値のため、ビル街や海岸など局所的な風の強弱は表現しきれず、地上観測値とは差が出ることがあります。また国全体ではなく首都1地点の値のため、国土が広い国や離島の多い国では、首都の値が国を代表しない点にご注意ください。今回は193か国すべてでデータを取得できました。

日本国内の風の観測値は、気象庁の「過去の気象データ検索」で各地点の平均風速・最大風速が確認できます。

まとめ|風の世界地図は「海と緯度」で決まる

  • 世界一風が強いのはマーシャル諸島(年平均6.8m/s)。海に開けた立地と「地球規模の風の帯」が強さの源
  • 風が弱いのは内陸・盆地・赤道無風帯の首都。最下位はブータン(1.0m/s)
  • 日本(東京)は年平均4.2m/s・世界32位。2月の「春の嵐」シーズンがピーク、台風の瞬間風速は世界トップクラス
  • 値はERA5再解析(公的データ)による首都1地点・2022〜2024年の日平均風速の平均

気象世界ランキングシリーズ、これで13部作。シリーズの他のランキングもあわせてどうぞ。

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引用・出典(公的データ・一次情報)

‥値は各国首都1地点・2022〜2024年の日平均風速(地上10m)の平均(ERA5)です。今回は193か国すべてでデータを取得できました。

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