「世界でいちばん乾燥している国はどこ?」——気温・降水量・日照時間・湿度に続く世界ランキングシリーズ、今回は乾燥している国ランキングです。
指標には、前回の湿度ランキングと同じEU・コペルニクス気候変動サービス(ECMWF)の公的な再解析データ「ERA5」による国連加盟193か国の首都の相対湿度(2022〜2024年平均)を使い、今回は「低い順」=乾燥している順に並べ替えました。今回は193か国すべてでデータを取得できました。
もちろん今回も「年間」と「1月〜12月の各月」の切り替え付き。偏差値も「乾燥の度合い」として計算し直しています。実は日本も、冬だけ見ればかなりの乾燥国。その意外な素顔もランキングで確かめられますよ。

僕の簡単なプロフィールです。
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世界の乾燥している国ランキング【地域別・月別/年間】
ボタンで「地域」と「期間(年間・各月)」を絞り込めます。値は各国の首都1地点の平均相対湿度で、数値が低い国ほど乾燥しています。偏差値は乾燥しているほど高くなる向きで計算しています。
調査方法について:値はECMWF(欧州中期予報センター)/EUコペルニクス計画の再解析データERA5から、各国首都の地点について2022〜2024年の日平均相対湿度を集計したものです(Open-Meteo APIを使用して取得)。再解析データとは、世界中の観測データを物理モデルで統合した「地球全体の気象データベース」で、WMOや各国気象機関の観測値がベースになっています。国全体の平均ではなく首都1地点の値である点にご注意ください。
乾燥している国TOP10を考察|砂漠気候のフルコース
世界一乾燥しているのはサウジアラビア(Riyadh・年平均相対湿度27.1%)。2位スーダン(27.9%)、3位ナミビア(32.4%)と続きます。
上位を占めるのは中東・北アフリカ・南部アフリカの砂漠国。年平均30%前後というのは、日本で乾燥注意報が出るレベルの空気が一年中続く世界です。最高気温ランキングや日照時間ランキングの上位国とほぼ同じ顔ぶれで、「暑い・晴れる・乾く」は砂漠気候のセットメニューだとよく分かります。
月別に切り替えると、乾燥のピークも見えてきます。砂漠国は一年中カラカラですが、地中海沿岸やアフリカのサバナ気候の国は「乾季だけ一気に乾く」タイプ。同じ乾燥でも中身が違うんですね。
なぜ乾燥するのか?気象予報士的に解説
- 亜熱帯高圧帯:緯度20〜30度付近は一年中下降気流に覆われ、雲が育ちません。サハラ・アラビア半島の砂漠はこの申し子です。
- 大陸の内陸:海から遠いほど水蒸気が届きません。モンゴルや中央アジアの国々が乾くのはこのためです。
- 寒流沿いの海岸砂漠:ナミブ砂漠やアタカマ砂漠のように、冷たい海流の上では空気が安定して雨雲ができず、海のすぐ隣なのに極端に乾燥します。
- 山脈の風下(雨陰):湿った風が山を越えると乾いた風に変わります。山脈の風下側は「雨の影」で乾燥地帯になります。
つまり乾燥地帯は「たまたま雨が少ない場所」ではなく、大気循環・海流・地形が組み合わさった必然の産物。乾燥している国の分布を眺めるだけで、地球の風の流れが透けて見えてきます。
逆に「乾燥と無縁」の国は?
ランキングの反対側、いちばん乾燥していない(=湿度が高い)のはサモア(Apia・年平均87.8%)。ブルネイ(87.6%)、コートジボワール(86.6%)と、赤道直下の島国・熱帯雨林国が続きます。海に囲まれて水蒸気が絶えず供給される国々で、乾燥とはまさに対極の世界です。詳しくは姉妹記事の湿度が高い国ランキングで考察しています。
日本は「冬だけ乾燥国」!順位の季節変化に注目
日本(東京)は年平均72.5%で、乾燥ランキングでは世界87位・偏差値48.3。年間で見れば世界のほぼ中位です。ところが1月に切り替えると平均62.8%まで下がり、順位は世界32位まで急上昇。冬の太平洋側は、世界の中でも立派な「乾燥地帯」になるのです。
冬の季節風が日本海側に雪を降らせたあと、山を越えて乾いた風になって関東平野に吹き下りる——まさに先ほどの「雨陰」の仕組みです。冬に火災や感染症、肌荒れへの注意が呼びかけられるのは、この乾燥のせい。「夏は世界有数の蒸し暑さ、冬は乾燥国並み」という振れ幅の大きさこそ、日本の気候の個性と言えます。
データの注意点|再解析データと「首都1地点」の値
本ランキングの値は、観測所の生データではなく、世界中の観測を物理モデルで統合したERA5再解析データの首都地点の値です。市街地のピンポイントの観測値とは数%ずれることがあります。また国全体の平均ではないため、国土が広い国では首都の値が国を代表しない点にご注意ください(例:エジプトのカイロよりも砂漠内陸部はさらに乾燥しています)。
なお「乾燥」の指標には、相対湿度のほかに降水量と蒸発量のバランスで見る「乾燥指数」もあります。降水量side からの視点は年間降水量ランキングもあわせてどうぞ。
まとめ|乾燥の世界地図は「下降気流」で決まる
今回の内容についてまとめました。
- 世界一乾燥しているのはサウジアラビア(年平均相対湿度27.1%)。中東・アフリカの砂漠国が上位を独占
- 乾燥の原因は亜熱帯高圧帯・内陸・寒流・雨陰の4パターン。いずれも「下降気流・水蒸気不足」が鍵
- いちばん乾燥と無縁なのはサモア(年平均87.8%)。赤道の島国は水蒸気の宝庫
- 日本(東京)は年間では87位と中位。ただし1月は世界32位まで上がる「冬だけ乾燥国」
- 値はERA5再解析(公的データ)による首都1地点・2022〜2024年平均の相対湿度
気象世界ランキングシリーズの他のランキングもあわせてどうぞ。
引用・出典(公的データ・一次情報)
- ERA5再解析データ(ECMWF/EUコペルニクス気候変動サービス):本ランキングの相対湿度データの原典
- Open-Meteo Historical Weather API:ERA5データの取得に使用(オープンデータAPI)
- 気象庁「過去の気象データ検索」:日本国内の湿度平年値
- WMO(世界気象機関):再解析の基礎となる世界観測網の国際基準
※値は各国首都1地点・2022〜2024年の平均相対湿度(ERA5)を低い順に並べたものです。今回は193か国すべてでデータを取得できたため、「データなし」の国はありません。


