「積雪量が多い場所」と聞いてどこを思い浮かべますか? 都道府県どうしの比較なら、日本一は北海道ではなく青森県。そして市町村・地点単位まで掘り下げると、同じ青森県の酸ケ湯(青森市)が373cmと、桁違いの数字が飛び出します。
この記事では、気象庁の平年値データをもとに、積雪量(積雪の深さ)ランキングを「都道府県別」と「市町村(全アメダス地点)別」の2本立てで作成しました。年間だけでなく各月にも切り替えられるツール付き、比較の目安になる偏差値も添えています。

僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
- 家族だんらんが好き
このランキングの作り方
使用したのは、気象庁が公表している最深積雪の平年値(1991〜2020年の30年平均)です。「積雪量」は積もっている雪の深さのことで、このランキングでは1年(または各月)のうち最も深く積もったときの雪の深さ=最深積雪の平年値で比較しています。降った雪の合計で比べる降雪量ランキングとは別の指標です(違いは記事後半で解説します)。
- 都道府県別:各都道府県の気象台(多くは県庁所在地)の値で比較
- 市町村(地点)別:積雪を観測している全国のアメダス・気象台345地点をすべてランキング
- 偏差値:表示中の期間の全地点平均から算出(平均50、酸ケ湯の年間偏差値はなんと101.0)
- 年の平年値が掲載されていない一部地点(酸ケ湯など16地点)は、月別平年値の最大値で代用
【都道府県】積雪量ランキング(年間・月別切替)
まずは都道府県別。上のボタンで年間・各月を切り替えられます。
※年間上位10県の簡易表示です(公開ページでは年間・各月を切り替えて47都道府県すべてが表示されます)
1位は青森県の101cm。雪国の「常設の雪」
都道府県別の1位は青森県(青森市)の101cm・偏差値86.6。冬のピークにはおよそ1mの雪が常に積もっている計算です。2位は北海道(札幌市)の97cmで、この2つが飛び抜けたトップ争い。3位グループは山形・富山の51cmで、上位との差は約2倍もあります。
注目は富山県・福井県の存在感です。降雪量ランキングでは北日本勢に譲る北陸ですが、一度の寒波でドカッと積もる「湿った重い雪」の地域のため、積雪量(深さ)で見ると上位に食い込みます。逆に雪の日数が多い北海道でも、道内の代表地点・札幌以外の内陸(例:朱鞠内235cm)は都道府県ランキングには表れません。ここが次の市町村別ランキングの見どころです。
積雪量ゼロの県も——太平洋側との極端な差
一方で、東京・大阪・名古屋をはじめ太平洋側の多くの県は年間の最深積雪平年値が数cm以下、九州南部や四国の一部では0cm。同じ日本で「1m超え」と「ほぼゼロ」が同居しているのが、世界有数の豪雪国・日本の面白さです。
【市町村(地点)別】積雪量ランキング 全345地点
こちらが本命、積雪を観測する全国345地点すべてのランキングです。都道府県での絞り込みと、地点名・市町村名での検索もできます。お住まいの地域やスキーで訪れる街を探してみてください。
※年間上位15地点の簡易表示です(公開ページでは期間切替・都道府県絞り込み・検索付きで全345地点が表示されます)
日本一の積雪量は酸ケ湯の373cm。偏差値101の異次元
地点別の1位は青森県青森市・酸ケ湯の373cm。偏差値は101.0と、テストなら満点超えの異次元です。八甲田山系の標高約890mに位置し、大雪のニュースで毎年名前が挙がる日本一の豪雪地。2位は山形県大蔵村・肘折の321cm、3位は新潟県津南町の271cmと、こちらも「豪雪地帯の聖地」が並びます。
4位以下も大井沢(山形県西川町)262cm、守門(新潟県魚沼市)252cm、朱鞠内(北海道幌加内町)235cm、只見(福島県)231cm、桧枝岐(福島県)232cm、十日町(新潟県)217cm——青森・山形・新潟・福島の山沿いが上位を独占します。
富士山頂216cmの意外、そして「街」の最強は青森市と十日町市
高所の代表・富士山(214cm)が意外にもトップ10圏内にとどまるのは、山頂の雪が強風で吹き飛ばされてしまうため。積雪量は「降る量」だけでなく「積もって残る条件」で決まることがよくわかります。人が多く住む市街地に限れば、青森市街(101cm)や十日町市街(217cm)、倶知安町(183cm)あたりが「雪と暮らす街」の代表格です。
雪は市町村単位の現象——同じ県でも8倍差
新潟県を見ると、津南271cm・十日町217cmに対して新潟市はわずか22cm。同じ県内で10倍以上の差があります。山形県も肘折321cmに対して山形市51cm。都道府県ランキングは「県庁所在地の値」にすぎず、雪は徹底的に市町村単位・地区単位の現象です。ツールの県絞り込みで、県内の「雪格差」をぜひ見てみてください。
「積雪量」と「降雪量」の違いとは?
よく混同されますが、この2つは別の指標です。
- 積雪量(積雪の深さ・最深積雪)……いま地面に積もっている雪の深さ。ものさしで測るイメージ。この記事のランキングはこちら。
- 降雪量……新たに降り積もった雪の合計。毎日の「新しく増えた分」を1年分足し合わせたもの。
- たとえば酸ケ湯は降雪量1706cm(17m!)に対して積雪量は最大373cm。降った雪が自らの重みで締まり、解けながら積み上がるため、積雪量は降雪量の2〜3割程度になるのが普通です。
- 気温が低い北日本は雪が解けにくく積雪が残りやすい一方、北陸は大量に降ってもある程度解けるため、「降雪量の北陸、残る雪の北日本」という個性が生まれます。
降った量で見るランキングは降雪量ランキングを、観測史上の一発記録は歴代最深積雪ランキングをどうぞ。
まとめ
- 積雪量(最深積雪平年値)の都道府県1位は青森県の101cm(偏差値86.6)、2位北海道97cm。3位の山形・富山51cmに約2倍の差。
- 市町村・地点別の日本一は酸ケ湯(青森市)の373cm。偏差値101.0の異次元。肘折321cm、津南271cmと続く。
- 積雪量で見ると富山・福井など北陸の「重い雪」が存在感を増す。降雪量ランキングとは順位が入れ替わる。
- 同じ県内でも8倍以上の差はザラ。雪は市町村単位の現象なので、345地点ツールで地元をチェック。
- 積雪量=積もっている深さ、降雪量=降った合計。酸ケ湯は「17m降って、最大3.7m積もる」。
雪の関連ランキングはこちらです。






