仙台市5区 地震で揺れやすい区・強い区ランキング【30年以内に震度6弱以上の確率】太白区50.4%〜泉区4.8%、同じ市内で10.5倍の差

日本地図で仙台市の位置を強調した点と同心円、5区の30年確率を並べた棒グラフを重ねたイメージ 気象

「仙台市で地震に強い区・弱い区はどこ?」——防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション、2024年版)が公表している「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を、仙台市5区の区役所付近の250mメッシュ値で比べると、最も高い太白区の50.4%から最も低い泉区の4.8%まで、同じ市内で10.5倍の差があります。

この記事では仙台市5区の確率を一覧にし、区によって数字が違う理由(地盤と活断層の位置)、仙台市で想定される地震、宮城県全体の中での位置づけ、そして区の数字の読み方を気象予報士がまとめます。

のぶやん
のぶやん

仙台市は5区の中で太白区だけが50%を超え、青葉区・泉区は1桁台です。市役所のある青葉区の中心部は広瀬川がつくった段丘(台地)の上、泉区は丘陵地で揺れにくく、太白区役所のある長町は名取川の沖積低地で、しかも長町-利府線断層帯のすぐそばです。同じ市で10倍の差がつくのは地盤と断層の位置の違いです。

仙台市5区 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率ランキング

確率が高い順に並べています。「全国偏差値」は当サイトが集計した全国1,894市区町村(政令市は区単位)の30年確率(6弱以上)の分布に対する偏差値(平均28.1%)です。

順位区6弱以上6強以上全国偏差値
1太白区50.4%10%58.8
2若林区18.8%1.9%46.3
3宮城野区16.9%1.7%45.6
4青葉区7.6%0.8%41.9
5泉区4.8%0.6%40.8
仙台市 区別 30年以内に震度6弱以上・6強以上の揺れに見舞われる確率(J-SHIS 2024年版、区役所付近250mメッシュ、平均ケース)

仙台市5区の平均は19.7%。宮城県の代表値(県庁所在地付近のメッシュ)は7.7%で都道府県ランキングでは36位、全国の市区町村平均は28.1%です。平均より高い太白区と、低い若林区・宮城野区・青葉区・泉区では、同じ市でも数字の意味が変わります。

【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認

下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(宮城県を強調表示)。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。

なぜ区によって確率がこれほど違うのか

台地と丘陵の区は低い。青葉区7.6%・泉区4.8%は市内の最低グループです。青葉区役所付近は広瀬川の河岸段丘(仙台段丘)の上で、泉区は七北田川北側の丘陵地。いずれも洪積層や岩盤に近い硬い地盤で、地震波の増幅が小さくなります。

沖積低地の区はやや高い。宮城野区16.9%・若林区18.8%は七北田川・広瀬川・名取川が運んだ土砂でできた仙台平野の沖積低地です。2011年の東北地方太平洋沖地震では宮城野区で震度6強を観測し、沿岸部は津波の浸水域になりました。

太白区は低地に加えて活断層が近い。太白区50.4%が市内で突出しているのは、区役所のある長町周辺が名取川の低地であることに加え、市の中心部を南西-北東に走る長町-利府線断層帯(M7.0〜7.5程度)の直上に近いためです。J-SHISの確率には海溝型だけでなく活断層による揺れも含まれるため、断層の直近では確率が跳ね上がります。

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仙台市で想定される地震

宮城県沖地震:仙台の地震リスクの主役は太平洋のプレート境界で繰り返す宮城県沖地震です。2011年の巨大地震(M9.0)で仙台市は震度6強を観測しました。地震本部の長期評価では、宮城県沖のM7.0〜7.5程度の地震は30年以内に70〜90%と、日本で最も高い確率のグループです。

長町-利府線断層帯:仙台市の中心部を通る全長約21〜40kmの活断層帯で、M7.0〜7.5程度の地震が想定されています。30年以内の発生確率は1%以下と低いものの、都市直下の断層のため、発生すれば青葉区・太白区・宮城野区の広い範囲で震度6強〜7が想定されています。

過去の地震:1978年宮城県沖地震(M7.4)では仙台市で震度5(当時の階級)を観測し、ブロック塀の倒壊など都市型の被害が問題になりました。2011年の東北地方太平洋沖地震では市内で震度6強、2021・2022年の福島県沖地震でも震度5強〜6弱を観測しています。

仙台市全体の地震リスク(データベースより)

指標値備考
年平均有感地震回数80.2回1919年以降の気象庁震度データベース(役所付近の観測点)
総観測回数3,521回同上
過去最大震度6強市役所付近の観測点の値。2011年東北地方太平洋沖地震では宮城野区で震度6強を観測
30年確率(6弱以上)16.9%市役所付近メッシュ
30年確率(5強以上)64%同上
表層地盤増幅率1.291.6以上で「揺れやすい」とされる
役所付近の地形分類扇状地国土地理院 地形分類
仙台市の地震リスク詳細ページより

仙台市の年平均有感地震回数は80.2回(宮城県は都道府県で7位)、表層地盤増幅率は1.29です。30年確率は全国平均を下回りますが、地震が少ない市町村ランキングと「地震が少ない県は本当に安全か」で解説しているように、回数の少なさと揺れの大きさは別の指標です。

区の確率をどう読むか——3つの注意点

  1. 「区役所付近の250mメッシュ」の値です。同じ区でも台地の上と川沿いの低地では確率が大きく変わります。自宅の値はJ-SHISの地図で住所検索して確認してください。
  2. 確率は「揺れる確率」であって「被害を受ける確率」ではありません。被害は建物の耐震性・家具固定・液状化しやすい地盤かどうかで決まります。
  3. 低い区も安全ではありません。「30年以内に○%」の意味の記事で解説しているように、確率が低く見える地域でも直下型地震は起こりえます。

備えのチェックリスト

  • 自宅の建築年を確認(1981年6月以降=新耐震、2000年6月以降=現行基準)
  • 市のハザードマップで揺れやすさ・液状化・津波の3つを重ねて確認(ハザードマップの見方)
  • 家具固定・寝室の安全確保・備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
  • 火災保険と地震保険の加入状況を確認(宮城県のイ構造・保険金額1,000万円あたりの年額は11,600円、47都道府県で9番目に高い)

都道府県で見る宮城の地震リスク|確率・地盤・回数・観測市町村数

仙台市の区ごとの比較に加えて、宮城県全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。

30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:宮城は36位

順位都道府県30年以内に震度6弱以上の確率偏差値
1位高知県77.7%69.9
2位徳島県77.5%69.8
3位香川県73.6%68.2
4位和歌山県73.1%68.0
5位静岡県72.8%67.9
6位千葉県71.2%67.3
7位埼玉県62.4%63.7
8位岐阜県61.9%63.5
9位大分県57.4%61.6
10位三重県48.9%58.2
36位宮城県7.7%41.4
30年以内に震度6弱以上の確率の都道府県ランキング(上位10と宮城県)

宮城県は36位(7.7%、偏差値41.4)。1位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。全47都道府県の順位は30年以内に震度6弱以上の確率ランキングで確認できます。

表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):宮城は12位

順位都道府県表層地盤増幅率偏差値
1位石川県1.60倍68.6
2位千葉県1.55倍65.2
3位茨城県1.54倍64.5
4位埼玉県1.54倍64.5
5位新潟県1.53倍63.8
6位山口県1.51倍62.4
7位香川県1.50倍61.8
8位佐賀県1.50倍61.8
9位富山県1.45倍58.4
10位福井県1.45倍58.4
12位宮城県1.42倍56.3
表層地盤増幅率の都道府県ランキング(上位10と宮城県)

宮城県は12位(1.42倍、偏差値56.3)。1位は石川県(1.60倍)、全国平均は1.33倍です。全47都道府県の順位は表層地盤増幅率ランキングで確認できます。

有感地震の年間回数の多さ:宮城は7位

順位都道府県有感地震の年間回数偏差値
1位長野県650回107.1
2位東京都286回71.4
3位茨城県182回61.2
4位北海道153回58.3
5位福島県139回57.0
6位岩手県132回56.3
7位宮城県118回54.9
8位鹿児島県114回54.5
9位栃木県114回54.5
10位千葉県95回52.6
有感地震の年間回数の都道府県ランキング(上位10と宮城県)

宮城県は7位(118回、偏差値54.9)。1位は長野県(650回)、全国平均は68回です。全47都道府県の順位は有感地震の年間回数ランキングで確認できます。

震度6弱以上を観測した市区町村数の多さ:宮城は3位

順位都道府県震度6弱以上を観測した市区町村数偏差値
1位福島県3485.9
2位茨城県3081.0
3位宮城県2777.3
4位熊本県2372.3
5位北海道1663.7
6位新潟県1157.5
7位岩手県1056.3
8位栃木県1056.3
9位鳥取県1056.3
10位石川県752.6
震度6弱以上を観測した市区町村数の都道府県ランキング(上位10と宮城県)

宮城県は3位(27、偏差値77.3)。1位は福島県(34)、全国平均は5です。全47都道府県の順位は震度6弱以上を観測した市区町村数ランキングで確認できます。

宮城県内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10

宮城県の35市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村

順位市区町村30年確率(6弱以上)
1気仙沼市54.3%
2登米市54%
3丸森町51.4%
4石巻市51%
5東松島市47.9%
6名取市46.1%
7岩沼市43%
8亘理町42.9%
9大和町42.6%
10涌谷町42.2%
宮城県の30年確率(6弱以上) 上位10(35市区町村中)

地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村

順位市区町村表層地盤増幅率地形分類
1加美町2.14後背湿地
2登米市2.09後背湿地
3大和町2.08後背湿地
4丸森町2.04後背湿地
5名取市1.95三角州・海岸低地
6岩沼市1.86三角州・海岸低地
7亘理町1.81三角州・海岸低地
8涌谷町1.8自然堤防
9東松島市1.78三角州・海岸低地
10角田市1.76自然堤防
宮城県の表層地盤増幅率 上位10(35市区町村中)

有感地震の回数が多い市区町村

順位市区町村年平均有感地震回数過去最大震度
1石巻市194.6回6強
2登米市167.7回6強
3気仙沼市155.2回6弱
4栗原市153.8回7
5大崎市153.6回6強
6岩沼市139.4回6弱
7南三陸町132.3回6弱
8東松島市129.2回6強
9名取市106.7回6強
10涌谷町101.6回6強
宮城県の年平均有感地震回数 上位10(35市区町村中)

過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは27市区町村(女川町=6弱、亘理町=6弱、富谷市=6弱、大衡村=6強、大郷町=6弱、大和町=6弱、利府町=6弱、松島町=6弱、東松島市=6強、塩竈市=6強、石巻市=6強、仙台市=6強、川崎町=6強、山元町=6強、大河原町=6弱、蔵王町=6強、岩沼市=6弱、角田市=6弱、名取市=6強、白石市=6弱、大崎市=6強、登米市=6強、美里町=6強、南三陸町=6弱、栗原市=7、涌谷町=6強、気仙沼市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。

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水害・台風の備えは保険の見直しから

地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. 仙台市で最も地盤が良い区は?

青葉区(7.6%)と泉区(4.8%)です。青葉区役所付近は広瀬川の河岸段丘、泉区は丘陵地で、硬い地盤の上にあります。ただし青葉区でも広瀬川沿いの低地や宅地造成地では条件が変わります。

Q. 太白区の確率が高いのはなぜ?

区役所のある長町周辺が名取川の沖積低地で、しかも長町-利府線断層帯のすぐ近くにあるためです。同じ太白区でも西部の丘陵地(茂庭・秋保方面)は条件が異なります。

Q. 仙台市で津波の心配がある区は?

宮城野区・若林区の沿岸部です。2011年の津波では仙台東部道路より東側の広い範囲が浸水しました。市の津波ハザードマップで避難場所を確認してください。

Q. 2011年に仙台市で観測した最大震度は?

宮城野区で震度6強、青葉区・若林区・泉区で震度6弱でした。市内では建物被害のほか、丘陵地の造成宅地で地すべり・宅地被害が多発しました。

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まとめ
  • 仙台市5区で30年以内に震度6弱以上の確率が最も高いのは太白区(50.4%)、最も低いのは泉区(4.8%)で10.5倍の差
  • 市の平均は19.7%、全国の市区町村平均は28.1%、宮城県は都道府県36位(7.7%)
  • 差の理由は地盤(台地・丘陵か、低地・埋立地か)と活断層までの距離。確率は「区役所付近のメッシュ」の値なので自宅はJ-SHISで確認
  • 確率が低い区も安全ではない。耐震・家具固定・液状化と津波のハザードマップ・地震保険の4点で備える

出典:防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、今後30年以内に震度6弱以上/6強以上の揺れに見舞われる確率、平均ケース、区役所・市役所付近の250mメッシュ)、地震調査研究推進本部の長期評価、気象庁 震度データベース(1919年〜)、国土地理院 地形分類。偏差値は当サイトが全国1,894市区町村の分布から算出。

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