11月の山頂は何℃?「100mで0.6℃」を富士山頂10年分で検証|全国32山の山頂気温・体感温度チェッカーと服装の目安【2026年】

気象

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こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

【すぐわかる答え】11月の山頂は、ふもとより「標高100mごとに約0.6℃」低くなります。ふもとが15℃でも、標高差1,000mの山頂は約9℃、2,500mなら約0℃。そこに風が加わると、体感は風速1m/sごとに約1℃下がります。気象庁の富士山頂の観測では、11月の最高気温の平均は−5.5℃、10年分300日のうち93%の日は最高気温が0℃未満でした。11月の1,500m以上の山は「秋山」ではなく「冬山の入り口」と考えて服装を選んでください。

10月29日には、北アルプスの前穂高岳付近(標高約2,700m)で、50歳の男性が「疲れと寒さで動けない」と行動不能になり、30日早朝から警察などが捜索したと報じられました(NBS長野放送・FNNプライムオンライン)。前日の28日から本州付近には今季一番の寒気が入り、富士山頂の最低気温は28日に−10.9℃、29日に−10.5℃まで下がっています。

紅葉の名所が低い山へ移っていく11月は、登山・ハイキングの人気の季節です。一方で、ふもとの陽気につられて薄着で登り、山頂付近の寒さと風で体力を奪われるケースが増える時期でもあります。この記事では、元気象庁職員の気象予報士として静岡と富士山頂の11月の気温を10年分(300日)比べ、「100mで0.6℃」が11月にどのくらい当てはまるかを検証しました。さらに、全国32山の山頂の気温と体感温度を、アメダスの最新値から計算するツールも用意しています。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 山の気温は100m上がるごとに約0.6℃下がる。11月の静岡と富士山頂の実測では、日中の最高気温どうしで0.67℃、朝の最低気温どうしで0.59℃、日平均で0.62℃(8割の日が0.54〜0.71℃の範囲)
  • 富士山頂の11月は、上旬で最高−3.3℃・最低−9.0℃、下旬で最高−7.2℃・最低−13.3℃(2016〜2025年の平均)。最高気温が0℃未満の日が93%、最低気温が−10℃以下の日が63%
  • ふもとの静岡が20℃以上なのに富士山頂は一日中氷点下、という日が10年で127日(11月の4割余り)。「下は秋、上は真冬」が11月の普通
  • 風速1m/sで体感は約1℃下がる。富士山頂の11月の平均風速は13.2m/s(平年値)なので、平均気温−8.7℃の体感は約−22℃
  • 服装の目安は「ふもとの予想気温−標高差×0.6℃−風速」で出した体感温度で選ぶ。体感が0℃を下回る山は、冬山装備と経験が必要
  • 服装の目安:高尾山・筑波山クラスは長袖+フリース+ウインドブレーカー+手袋、2,000m級はダウン+ハードシェル+ニット帽、3,000m級や体感0℃未満は冬山装備
  • 11月は日の入りが早く(東京で16時半〜45分ごろ)、下山が遅れると気温が急に下がる。行動を早めに切り上げることも防寒のひとつ

▶ 山頂の気温・体感温度チェッカー ▶ 富士山頂で検証した11月のデータ ▶ 体感温度別の服装 ▶ よくある質問

11月の山頂気温・体感温度チェッカー(全国32山)

山を選ぶと、ふもとのアメダスの最新の気温から山頂の推定気温と、風を加えた体感温度を計算し、服装の目安を表示します。登山の前日なら、天気予報で見たふもとの町の予想最高気温(または最低気温)を入れて計算することもできます。山頂の風速は、山の天気予報や前日の風の予報を参考に動かしてみてください。下の表は、いまの値で計算した全32山の「寒い順」ランキングです。

11月の山頂気温・体感温度チェッカー(全国32山)
ふもとの気温
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山頂の推定気温
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風を考えた体感温度
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風速1m/sで約1℃下がる目安
ふもととの差
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いまの推定・山頂気温ランキング(寒い順、ふもとのアメダスの最新値から)
順位山(標高)ふもと観測点ふもと山頂推定体感(風を加味)
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※山頂の気温は「ふもとのアメダスの気温 −(標高差÷100)×下がり方」で計算した目安です。富士山はアメダス富士山(標高3775m)の実測値です。晴れた朝は山の上のほうが暖かい「逆転層」ができることもあり、実際とは数℃ずれることがあります。富士山は閉山中で、北アルプスの3,000m級なども11月は積雪期に入り、冬山の経験と装備が前提となる時期です。

たとえば、ふもとの松本(標高610m)が15℃のとき、前穂高岳の山頂(3,090m)は標高差2,480m×0.6℃で約0℃。そこに風速10m/sの風が吹けば、体感は約−10℃です。市街地の15℃は「長袖1枚でちょうどいい」気温ですが、稜線では真冬の服装が必要になる、ということがツールで実感できると思います。

なぜ山の上は寒いの?「100mで0.6℃」の仕組み

空気は上に行くほど気圧が低くなり、持ち上げられた空気は膨らみます。膨らむときに空気は自分の熱を使うため、温度が下がります。乾いた空気なら100mで約1℃、雲ができるほど湿った空気なら水蒸気が水になるときに熱を出すので100mで約0.5℃しか下がりません。実際の大気はその間になることが多く、平均すると100mで約0.65℃(国際標準大気の値)。日本では覚えやすく「100mで0.6℃」と言われています。

標高1000m 標高2000m 標高3000m ふもと(静岡)最高19.7℃ 約13℃ 約6.5℃ 約0℃ 富士山頂 3776m 実測の平均 最高−5.5℃ 11月の日中:100m上がるごとに約0.6〜0.7℃下がる 静岡と富士山頂の11月(2016〜2025年)の平均から。中間の値は0.67℃/100mで計算した目安 さらに風速1m/sごとに体感は約1℃下がる(富士山頂の11月の平均風速は13.2m/s=平年値)
図1 標高と気温の関係(11月の日中の最高気温の平均。気象庁のデータから当ブログ作成)

ただし、これはあくまで平均です。よく晴れて風の弱い朝は、地面の熱が逃げて谷や盆地に冷たい空気がたまり、ふもとより山の中腹のほうが暖かい「逆転層」ができることがあります。逆に、強い寒気が入ってくる日は上空ほど冷えて、0.7℃を超える下がり方になります。次の章で、11月の実際の下がり方を確かめます。

10年分の実測で検証:11月も「100mで0.6℃」はほぼ正しい

気象庁は富士山頂(標高3,775m)で気温の観測を続けています。そこで、ふもとの静岡(標高14m)と富士山頂の2016〜2025年の11月の毎日の気温(300日分)を比べ、標高100mあたり何℃下がっているかを計算しました。標高差は3,761mです。

期間富士山頂 最高富士山頂 最低静岡 最高静岡 最低100mあたり(最高)100mあたり(最低)
11月上旬(1〜10日)−3.3℃−9.0℃21.3℃12.5℃0.66℃0.57℃
11月中旬(11〜20日)−5.9℃−11.9℃19.7℃10.7℃0.68℃0.60℃
11月下旬(21〜30日)−7.2℃−13.3℃18.1℃9.2℃0.67℃0.60℃
11月全体−5.5℃−11.4℃19.7℃10.8℃0.67℃0.59℃
表1 静岡と富士山頂の11月の気温と、標高100mあたりの下がり方(2016〜2025年の平均。気象庁のデータから当ブログ計算)

日中の最高気温どうしで比べると100mあたり0.67℃、朝の最低気温どうしでは0.59℃でした。朝のふもとは放射冷却で冷えやすく、山頂との差が小さくなるためです。日平均気温で見ると平均0.62℃で、300日のうち8割の日は0.54〜0.71℃の範囲に入りました。「100mで0.6℃」は11月でもよい目安で、日中の山頂を考えるなら0.65〜0.7℃で計算すると安全側になります。ツールの「100mで0.7℃(寒め)」はこのためです。

富士山頂の11月:最高気温が0℃未満の日が93%

富士山頂の11月:日中も氷点下が当たり前 2016〜2025年の平均(オレンジ=最高気温、青=最低気温、単位℃) 0-4-8-12-16 -3.3℃-9.0℃11月上旬-5.9℃-11.9℃11月中旬-7.2℃-13.3℃11月下旬 11月の10年分300日のうち、最高気温が0℃未満(真冬日)だった日は93%
図2 富士山頂の11月の旬別平均気温(気象庁「過去の気象データ」から当ブログ集計)
期間最低気温が0℃未満の日最高気温が0℃未満の日(真冬日)最低気温が−10℃以下の日
11月上旬99%86%39%
11月中旬100%98%71%
11月下旬100%96%78%
11月全体99.7%(300日中299日)93%63%
表2 富士山頂の11月の冷え込みの頻度(2016〜2025年。気象庁のデータから当ブログ集計)

富士山頂の11月は、ほぼ毎日が氷点下です。10年間で最も冷えたのは2021年11月27日の−23.1℃で、この日も静岡の最高気温は17.4℃ありました。一方、最も暖かかったのは2024年11月2日で、最高気温は6.9℃でした。気象庁の平年値(1991〜2020年)でも、富士山頂の11月は平均気温−8.7℃・最高−5.9℃・最低−11.8℃、平均風速は13.2m/sです。10月の平年値(最高0.7℃・最低−5.1℃)と比べると、10月から11月の1か月で山頂は約7℃寒くなります。

とくに注目してほしいのは、ふもとの静岡が最高気温20℃以上なのに、富士山頂の最高気温が0℃未満だった日が10年で127日(300日の42%)もあったことです。「ふもとは半袖でもいいくらい暖かかったのに、上は真冬だった」というのは11月の山では珍しくありません。

主な山の「ふもととの差」早見表

山頂の気温は「ふもとの気温−標高差×0.6℃」でおおよそわかります。下の表は、全国の主な山について、ふもとのアメダスとの標高差と、山頂が何℃低くなるかをまとめたものです。日中を考えて0.7℃で計算すると、さらに0.5〜3℃ほど低くなります。

山山頂の標高ふもとの観測点標高差山頂の低さ(0.6℃/100m)風速5m/sのときの体感の低さ
高尾山599m八王子(123m)476m約2.9℃約7.9℃
筑波山877mつくば(25m)852m約5.1℃約10.1℃
六甲山931m神戸(5m)926m約5.6℃約10.6℃
大山(丹沢)1,252m海老名(18m)1,234m約7.4℃約12.4℃
大山(鳥取・弥山)1,709m米子(7m)1,702m約10.2℃約15.2℃
赤城山(黒檜山)1,828m前橋(112m)1,716m約10.3℃約15.3℃
那須・茶臼岳1,915m那須高原(749m)1,166m約7.0℃約12.0℃
谷川岳1,977mみなかみ(524m)1,453m約8.7℃約13.7℃
石鎚山1,982m久万(511m)1,471m約8.8℃約13.8℃
赤岳(八ヶ岳)2,899m野辺山(1350m)1,549m約9.3℃約14.3℃
立山(雄山)3,003m上市(296m)2,707m約16.2℃約21.2℃
前穂高岳3,090m松本(610m)2,480m約14.9℃約19.9℃
槍ヶ岳3,180m松本(610m)2,570m約15.4℃約20.4℃
表3 主な山の山頂とふもとの気温差の目安(標高差×0.6℃で計算。体感は風速1m/sで1℃として計算)

高尾山や筑波山のような低い山でも、ふもとより3〜5℃ほど低くなります。2,000m級の谷川岳や石鎚山では約9℃、3,000m級の北アルプスや立山では15〜16℃も下がります。ふもとが15℃の日なら、3,000m級の山頂はほぼ0℃。さらに風が吹けば、体感は氷点下です。それぞれの山の11月の天気は、高尾山・筑波山・谷川岳・六甲山・石鎚山・大山・八ヶ岳・立山黒部・上高地・富士山のページでも確認できます。

実例:10月28〜29日の寒気で、富士山頂は1日で9℃下がった

今季一番の寒気が入った10月下旬の富士山頂の気温を見てみましょう。10月21〜27日は最高気温が2〜4℃台と、10月の平年(最高0.7℃)より暖かい日が続いていました。ところが寒気が入った28日は、最高気温が−4.7℃と前日(4.2℃)から8.9℃も下がり、最低気温は−10.9℃。29日も最高−4.9℃・最低−10.5℃で、11月上旬〜中旬並みの寒さになりました。

日付富士山頂の最高気温富士山頂の最低気温メモ
10月21日4.3℃−1.3℃
10月23日2.6℃−1.4℃
10月25日4.1℃−1.4℃
10月26日4.2℃1.1℃最低気温もプラス
10月27日4.2℃−5.2℃夜から寒気
10月28日−4.7℃−10.9℃今季一番の寒気
10月29日−4.9℃−10.5℃前穂高岳付近で男性が行動不能に(報道)
表4 2026年10月下旬の富士山頂の気温(気象庁の観測値。30日以降は集計前)

前穂高岳付近で男性が行動不能になったと報じられた29日は、この寒気の中でした。山の気温は、寒気が1つ入るだけで数日前とはまったく別の世界になります。「先週登ったときは平気だった」は11月の山では通用しないと考え、出発前日に必ずチェッカーと山の天気予報で確かめてください。

高尾山・筑波山など低い山でも油断できない理由

「低い山なら大丈夫」と思いがちですが、11月は低い山にも落とし穴があります。1つ目は汗冷え。登りで汗をかいたまま山頂で休むと、気温10℃前後でも体は急速に冷えます。2つ目は日の入りの早さ。紅葉シーズンの高尾山は下山の渋滞で時間がかかることがあり、樹林帯の登山道は16時を過ぎると足元が暗くなります。3つ目は山頂の風。筑波山のように周りに高い山がない独立峰は、ふもとが穏やかでも山頂の風が強いことがあります。

低い山でも、脱ぎ着しやすいフリースか薄手のダウン、手袋、ヘッドランプの3つは持っていきましょう。高尾山の紅葉の見頃は高尾山の紅葉 見頃2026で、筑波山の11月の天気は筑波山の11月で確認できます。

体感温度は「風速1m/sで約1℃下がる」

山の寒さで一番こわいのは風です。体のまわりの暖かい空気が風で吹き飛ばされるため、同じ気温でも風が強いほど寒く感じます。登山でよく使われる目安が「風速1m/sで体感温度が約1℃下がる」(リンケの式)。気温0℃で風速10m/sなら、体感は約−10℃です。森林限界より上の稜線や山頂は風をさえぎるものがなく、ふもとが穏やかでも10m/s以上の風が吹くことは珍しくありません。

風速による体感温度は、湿度も加えて計算できる体感温度・露点温度の計算ツールでも確かめられます。今日、全国でどこの風が強いかは今日いちばん風が強かった場所、どこが冷え込んだかは今日いちばん寒かった場所で毎日チェックできます。

順位地点都道府県日最大瞬間風速(m/s)起時
1奥尻北海道檜山地方17.22:08
2せたな北海道檜山地方16.33:10
3室蘭北海道胆振地方16.24:19
4南小松滋賀県16.13:12
5江差北海道檜山地方15.90:46
6飛島山形県15.82:56
7敦賀福井県15.30:47
8雲仙岳長崎県15.10:31
9宗谷岬北海道宗谷地方15.01:55
10弾崎新潟県14.93:54

気象庁の観測値を10分ごとに取得しています。観測時刻:11月3日 5時00分。全914地点のうち上位10地点を表示しています。

11月の登山の服装:山頂の体感温度別の目安

チェッカーで出した山頂の体感温度を、次の表に当てはめて服装を決めましょう。基本は、汗を吸って乾きやすい下着(ベースレイヤー)、保温のための中間着(フリース・ダウン)、風と雨を防ぐ外側(レインウェア・シェル)の重ね着です。

山頂の体感温度服装の目安小物
15℃以上長袖の速乾シャツ+薄手フリースかウインドブレーカー日の入り後の冷えに備えて1枚多め
10〜15℃長袖シャツ+フリース+防風になるレインウェア上下薄手のダウン、手袋
5〜10℃保温性のある下着+フリース+ダウン(中綿)+防風シェル手袋・ニット帽
0〜5℃厚手のフリースかダウン+ハードシェル防寒手袋(予備)・ニット帽・ネックゲイター、凍結に備えチェーンスパイク
−10〜0℃冬山の装備(保温下着・ダウン・ハードシェル・冬用手袋)アイゼン・ピッケルなど。冬山の経験が必要
−10℃未満厳冬期並みの冬山装備経験と装備がなければ山頂を目指さない判断を
表5 山頂の体感温度別・服装の目安(一般的な目安です。山の状況や体質に合わせて調整してください)

ふもとの町で着るものは、セーター・コート・ダウンはいつから?で気温別にまとめています。登山口までの移動中の服装の参考にしてください。

PR 11月の山は「薄手のダウン」と「予備の手袋」で安心が変わる
ザックに入れても場所をとらないインナーダウンは、休憩中や下山が遅れたときの体温低下を防ぐ心強い1枚です。手袋は濡れると一気に冷えるので、予備をもう1組持つのがおすすめです。

山の気温を予想するときの注意点

① 晴れた朝は「逆転層」で山のほうが暖かいことも

風が弱く晴れた朝は、盆地や谷の底に冷たい空気がたまり、ふもとの最低気温が山の中腹より低くなることがあります。この場合「ふもと−0.6℃×標高差」の計算は山頂を寒く見積もります。安全側の誤差なので問題は少ないですが、日中に向けて逆転層が消えると、山頂は計算どおりの気温になります。

② 寒気が入る日は「0.7℃以上」下がる

冬型の気圧配置で上空に寒気が流れ込む日は、上空ほど冷えるため、下がり方が大きくなります。こうした日は風も強まりやすく、日本海側の山では雪になります。冬型の始まりや続き方は冬型の気圧配置はいつから?、今季の寒さの背景はエルニーニョなのに寒いのはなぜ?で解説しています。

③ 11月は日の入りが早い

11月の東京の日の入りは16時半〜45分ごろで、山では稜線の陰に入ると日没前から急に冷えます。日没後は放射冷却で気温がどんどん下がり、ヘッドランプなしでは行動できません。下山は遅くとも15時ごろまでを目安に、余裕のある計画を立てましょう。

④ 雪と凍結

11月は本州の2,000m級の山にも雪が積もり始める時期です。富士山の初冠雪、旭岳の初冠雪と次に白くなる山、酸ヶ湯の積雪(10月28日に22cm)もあわせて確認してください。雪がなくても、朝は岩や木道、落ち葉の下の地面が凍ることがあります。

⑤ 11月は山小屋・交通の営業終了に注意

富士山は夏の開山期間を終えて閉山中で、一般の登山はできません。北アルプスでは上高地が例年11月15日に閉山し、立山黒部アルペンルートも例年11月30日で営業を終えます。多くの山小屋も10月下旬〜11月上旬に営業を終えるため、「寒くなったら小屋に逃げ込む」ことができない季節です。チェッカーの3,000m級の値は「この時期の稜線がどれほど寒いか」を知るための目安として使い、計画は営業状況を確かめたうえで、経験と装備に見合った山を選んでください。

ふもとの天気を確かめる:甲府・長野県の11月

八ヶ岳・南アルプス・富士山方面へ行く方のために、ふもとの甲府について「過去の同じ時期の天気」と「去年のいまごろ」を見られるツールを置いておきます。長野県内の各地の11月の気温は、県別ツールで比べられます。

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出かける日の天気の傾向はおでかけ天気、過去の天気は過去の天気を調べる、気圧の変化による体調への影響は今日の気圧チェックで確認できます。ふもとの町の気候は甲府の気候・松本の気候・静岡の気候もどうぞ。

寒くて危険な日の見分け方

次のような日は、山頂の体感温度が予想以上に下がりやすいので注意しましょう。

こんな日は要注意
  • 天気予報で「冬型の気圧配置」「強い寒気」「今季一番の冷え込み」と言われている日
  • 寒冷前線や低気圧が通った翌日(北西の風が強まり、気温が急降下)
  • ふもとの予想最高気温が15℃以下で、ふもととの標高差が2,500m前後以上の山へ行く日(山頂はほぼ氷点下)
  • 山の天気予報で稜線の風速が10m/s以上の日
  • 雨や霧で体がぬれる日(ぬれた服は乾いた服より何倍も熱を奪う)

今季一番の冷え込みの意味や、冷え込みの数字の見方は今季一番の冷え込みとは?で、11月全体の見通しは11月の天気2026(1か月予報)でまとめています。寒気と一緒に吹く北風については木枯らし1号2026はいつ?もどうぞ。

よくある質問

Q. 山の気温は100mでどのくらい下がりますか?

一般に100m上がるごとに約0.6℃下がります。11月の静岡と富士山頂の10年分のデータでは、最高気温どうしで0.67℃、最低気温どうしで0.59℃、日平均気温で0.62℃でした。日中の山頂を考えるなら0.65〜0.7℃で計算すると安全側になります。

Q. 11月の富士山頂は何℃ですか?

2016〜2025年の平均では、11月上旬が最高−3.3℃・最低−9.0℃、下旬が最高−7.2℃・最低−13.3℃です。11月の93%の日は最高気温が0℃未満で、平年の平均風速は13.2m/sあるため、体感温度は約−22℃になります。

Q. ふもとが15℃のとき、標高2,000mの山頂は何℃ですか?

ふもととの標高差が2,000mなら、15℃−2,000÷100×0.6℃=約3℃です。風速5m/sの風が吹けば体感は約−2℃になります。この記事のチェッカーで、山とふもとの気温を選んで計算できます。

Q. 11月の高尾山の服装はどうすればいいですか?

高尾山(599m)はふもとの八王子より3℃ほど低いのが目安です。日中は長袖シャツにフリースか薄手のダウン、防風になるウインドブレーカーがあれば安心です。朝や夕方、山頂で休憩するときは手袋もあると快適です。

Q. 風速と体感温度の関係は?

登山でよく使われる目安では、風速1m/sごとに体感温度が約1℃下がります(リンケの式)。気温0℃で風速10m/sなら体感は約−10℃です。山頂や稜線は風をさえぎるものがないので、ふもとより強い風を想定しましょう。

Q. ふもとより山の上のほうが暖かいことはありますか?

あります。風が弱く晴れた朝は、地面から熱が逃げて谷や盆地に冷たい空気がたまり、山の中腹のほうが暖かい「逆転層」ができることがあります。ただし日中になると解消することが多く、山頂の寒さを甘く見る理由にはなりません。

Q. 11月に登山するときの注意点は?

山頂は冬並みの寒さ、日の入りが早い(東京で16時半〜45分ごろ)、朝は凍結することがある、の3点です。体感温度に合った防寒具、ヘッドランプ、予備の手袋を持ち、下山は遅くとも15時ごろまでを目安にしましょう。

あわせて読みたい:山と初冬の天気
まとめ
  • 山の気温は100mで約0.6℃下がる。11月の日中は0.67℃と少し大きめ
  • 富士山頂の11月は最高−5.5℃・最低−11.4℃(10年平均)。93%の日は一日中氷点下
  • ふもと20℃以上でも山頂は真冬日、という日が10年で127日
  • 体感温度は風速1m/sで約1℃下がる。服装は「ふもとの気温−標高差×0.6℃−風速」で選ぶ
  • 体感0℃未満の山は冬山。日の入りが早いので下山は早めに

出典:気象庁「過去の気象データ検索」(富士山・静岡の日別値 2016〜2025年11月、2026年10月、富士山の平年値 1991〜2020年)、気象庁「アメダス」(ツールの最新値)、国立天文台 暦計算室(日の入り時刻)、NBS長野放送・FNNプライムオンライン(2026年10月30日、前穂高岳付近での行動不能者の報道)。気温の下がり方の検証・推定気温の計算・図表・ツールは当ブログによるものです。山の気温は地形や天気によって大きく変わります。登山の際は必ず最新の山の天気予報と登山計画を確認してください。

※記事内にはアフィリエイト広告(PR)を含みます

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