「堺市で地震に強い区・弱い区はどこ?」——防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション、2024年版)が公表している「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を、堺市7区の区役所付近の250mメッシュ値で比べると、最も高い中区の61.3%から最も低い南区の20.1%まで、同じ市内で3.0倍の差があります。
この記事では堺市7区の確率を一覧にし、区によって数字が違う理由(地盤と活断層の位置)、堺市で想定される地震、大阪府全体の中での位置づけ、そして区の数字の読み方を気象予報士がまとめます。

堺市は中区61.3%・西区51.5%が高く、南区20.1%が最も低いという3倍の差があります。泉北丘陵の上にある南区・美原区・東区は低め、石津川・大和川の低地にある中区・西区は高め。市の中心部の堺区は百舌鳥古墳群のある台地の上で、中間の38.5%です。
堺市7区 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率ランキング
確率が高い順に並べています。「全国偏差値」は当サイトが集計した全国1,894市区町村(政令市は区単位)の30年確率(6弱以上)の分布に対する偏差値(平均28.1%)です。
| 順位 | 区 | 6弱以上 | 6強以上 | 全国偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 中区 | 61.3% | 17.2% | 63.1 |
| 2 | 西区 | 51.5% | 11.4% | 59.2 |
| 3 | 堺区 | 38.5% | 6.7% | 54.1 |
| 4 | 北区 | 34.3% | 5.1% | 52.4 |
| 5 | 東区 | 29.8% | 3.9% | 50.7 |
| 6 | 美原区 | 27.4% | 3.2% | 49.7 |
| 7 | 南区 | 20.1% | 2.4% | 46.9 |
堺市7区の平均は37.6%。大阪府の代表値(県庁所在地付近のメッシュ)は28.1%で都道府県ランキングでは19位、全国の市区町村平均は28.1%です。平均より高い中区・西区・堺区と、低い北区・東区・美原区・南区では、同じ市でも数字の意味が変わります。
【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認
下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(大阪府を強調表示)。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。
なぜ区によって確率がこれほど違うのか
低地の区は高い。中区61.3%・西区51.5%は市内の最高グループです。中区役所付近は石津川の沖積低地、西区は海岸の低地と埋立地(堺泉北臨海工業地帯)に近く、軟らかい地盤が揺れを増幅します。西区の臨海部は液状化と津波の想定区域でもあります。
台地の区は中間。堺区38.5%・北区34.3%は、仁徳天皇陵古墳など百舌鳥古墳群がのる段丘(台地)の上にあります。大阪市の上町台地と同じく洪積層の硬めの地盤で、低地の区より10〜20ポイント低くなります。
泉北丘陵の区は低い。南区20.1%・美原区27.4%・東区29.8%は泉北ニュータウンが広がる丘陵地で、市内で最も低いグループです。ただし丘陵地の造成宅地では盛土部分の地震被害が別のリスクになります。
停電・断水に備えるなら
台風や地震で最初に困るのは電気と水です。気象庁の警報が出てから買いに走っても店頭にはありません。平時にそろえておくものを3つだけ挙げると、ポータブル電源・水と非常食・非常持ち出しセットです。
堺市で想定される地震
上町断層帯:大阪市から堺市を通って南へ延びる全長約42kmの活断層帯で、M7.5程度の地震が想定されています。30年以内の発生確率は2〜3%と活断層としては高いグループで、大阪府の被害想定では堺市の広い範囲が震度6強〜7とされています。堺市にとって最大のリスクです。
南海トラフ巨大地震:30年以内の発生確率は70〜80%。堺市では震度6弱程度の長い揺れが想定され、堺区・西区の臨海部には地震発生から約1時間半〜2時間で最大3〜4mの津波が到達すると想定されています。
過去の地震:1995年兵庫県南部地震では堺市で震度4、2018年大阪府北部地震では震度4〜5弱を観測しました。市内で震度6以上を観測した近年の記録はありません。
区の確率をどう読むか——3つの注意点
- 「区役所付近の250mメッシュ」の値です。同じ区でも台地の上と川沿いの低地では確率が大きく変わります。自宅の値はJ-SHISの地図で住所検索して確認してください。
- 確率は「揺れる確率」であって「被害を受ける確率」ではありません。被害は建物の耐震性・家具固定・液状化しやすい地盤かどうかで決まります。
- 低い区も安全ではありません。「30年以内に○%」の意味の記事で解説しているように、確率が低く見える地域でも直下型地震は起こりえます。
備えのチェックリスト
- 自宅の建築年を確認(1981年6月以降=新耐震、2000年6月以降=現行基準)
- 市のハザードマップで揺れやすさ・液状化・津波の3つを重ねて確認(ハザードマップの見方)
- 家具固定・寝室の安全確保・備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
- 火災保険と地震保険の加入状況を確認(大阪府のイ構造・保険金額1,000万円あたりの年額は11,600円、47都道府県で14番目に高い)
都道府県で見る大阪の地震リスク|確率・地盤・回数・観測市町村数
堺市の区ごとの比較に加えて、大阪府全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。
30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:大阪は19位
| 順位 | 都道府県 | 30年以内に震度6弱以上の確率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 高知県 | 77.7% | 69.9 |
| 2位 | 徳島県 | 77.5% | 69.8 |
| 3位 | 香川県 | 73.6% | 68.2 |
| 4位 | 和歌山県 | 73.1% | 68.0 |
| 5位 | 静岡県 | 72.8% | 67.9 |
| 6位 | 千葉県 | 71.2% | 67.3 |
| 7位 | 埼玉県 | 62.4% | 63.7 |
| 8位 | 岐阜県 | 61.9% | 63.5 |
| 9位 | 大分県 | 57.4% | 61.6 |
| 10位 | 三重県 | 48.9% | 58.2 |
| 19位 | 大阪府 | 28.1% | 49.7 |
大阪府は19位(28.1%、偏差値49.7)。1位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。全47都道府県の順位は30年以内に震度6弱以上の確率ランキングで確認できます。
表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):大阪は17位
| 順位 | 都道府県 | 表層地盤増幅率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 石川県 | 1.60倍 | 68.6 |
| 2位 | 千葉県 | 1.55倍 | 65.2 |
| 3位 | 茨城県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 4位 | 埼玉県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 5位 | 新潟県 | 1.53倍 | 63.8 |
| 6位 | 山口県 | 1.51倍 | 62.4 |
| 7位 | 香川県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 8位 | 佐賀県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 9位 | 富山県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 10位 | 福井県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 17位 | 大阪府 | 1.39倍 | 54.3 |
大阪府は17位(1.39倍、偏差値54.3)。1位は石川県(1.60倍)、全国平均は1.33倍です。全47都道府県の順位は表層地盤増幅率ランキングで確認できます。
有感地震の年間回数の多さ:大阪は42位
| 順位 | 都道府県 | 有感地震の年間回数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 長野県 | 650回 | 107.1 |
| 2位 | 東京都 | 286回 | 71.4 |
| 3位 | 茨城県 | 182回 | 61.2 |
| 4位 | 北海道 | 153回 | 58.3 |
| 5位 | 福島県 | 139回 | 57.0 |
| 6位 | 岩手県 | 132回 | 56.3 |
| 7位 | 宮城県 | 118回 | 54.9 |
| 8位 | 鹿児島県 | 114回 | 54.5 |
| 9位 | 栃木県 | 114回 | 54.5 |
| 10位 | 千葉県 | 95回 | 52.6 |
| 42位 | 大阪府 | 13回 | 44.6 |
大阪府は42位(13回、偏差値44.6)。1位は長野県(650回)、全国平均は68回です。全47都道府県の順位は有感地震の年間回数ランキングで確認できます。
震度6弱以上を観測した市区町村数の多さ:大阪は15位
| 順位 | 都道府県 | 震度6弱以上を観測した市区町村数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 福島県 | 34 | 85.9 |
| 2位 | 茨城県 | 30 | 81.0 |
| 3位 | 宮城県 | 27 | 77.3 |
| 4位 | 熊本県 | 23 | 72.3 |
| 5位 | 北海道 | 16 | 63.7 |
| 6位 | 新潟県 | 11 | 57.5 |
| 7位 | 岩手県 | 10 | 56.3 |
| 8位 | 栃木県 | 10 | 56.3 |
| 9位 | 鳥取県 | 10 | 56.3 |
| 10位 | 石川県 | 7 | 52.6 |
| 15位 | 大阪府 | 4 | 48.9 |
大阪府は15位(4、偏差値48.9)。1位は福島県(34)、全国平均は5です。全47都道府県の順位は震度6弱以上を観測した市区町村数ランキングで確認できます。
大阪府内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10
大阪府の42市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 30年確率(6弱以上) |
|---|---|---|
| 1 | 東大阪市 | 67.6% |
| 2 | 八尾市 | 66.3% |
| 3 | 大東市 | 65.2% |
| 4 | 泉大津市 | 65.1% |
| 5 | 門真市 | 64.3% |
| 6 | 寝屋川市 | 60.9% |
| 7 | 高石市 | 60.1% |
| 8 | 摂津市 | 58.2% |
| 9 | 吹田市 | 58% |
| 10 | 高槻市 | 56% |
地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村
| 順位 | 市区町村 | 表層地盤増幅率 | 地形分類 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東大阪市 | 2.3 | 後背湿地 |
| 2 | 門真市 | 2.29 | 後背湿地 |
| 3 | 大東市 | 2.24 | 後背湿地 |
| 4 | 吹田市 | 2.18 | 後背湿地 |
| 5 | 摂津市 | 2.17 | 後背湿地 |
| 6 | 寝屋川市 | 2.16 | 後背湿地 |
| 7 | 八尾市 | 2.16 | 後背湿地 |
| 8 | 高槻市 | 2.13 | 後背湿地 |
| 9 | 泉大津市 | 2.11 | 三角州・海岸低地 |
| 10 | 高石市 | 1.94 | 旧河道・旧池沼 |
有感地震の回数が多い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 年平均有感地震回数 | 過去最大震度 |
|---|---|---|---|
| 1 | 能勢町 | 13.1回 | 5弱 |
| 2 | 島本町 | 11.6回 | 5強 |
| 3 | 高槻市 | 9.2回 | 6弱 |
| 4 | 枚方市 | 8.9回 | 6弱 |
| 5 | 箕面市 | 8.7回 | 6弱 |
| 6 | 交野市 | 8.5回 | 5強 |
| 7 | 寝屋川市 | 8.1回 | 5強 |
| 8 | 四條畷市 | 7.8回 | 5弱 |
| 9 | 豊能町 | 7.1回 | 5弱 |
| 10 | 大東市 | 6.8回 | 5弱 |
過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは4市区町村(箕面市=6弱、茨木市=6弱、枚方市=6弱、高槻市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。
水害・台風の備えは保険の見直しから
地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 堺市で最も地盤が良い区は?
南区(20.1%)です。泉北丘陵の硬い地盤の上にあります。美原区(27.4%)・東区(29.8%)も低いグループです。
Q. 中区・西区が高いのはなぜ?
石津川の沖積低地や海岸の低地・埋立地にあり、軟らかい地盤が揺れを増幅するためです。西区の臨海部は液状化と津波の想定区域でもあります。
Q. 堺市に津波は来る?
南海トラフ巨大地震で、堺区・西区の臨海部に最大3〜4mの津波が約1時間半〜2時間で到達すると想定されています。市の津波ハザードマップで避難場所を確認してください。
Q. 上町断層帯の地震が起きたら堺市はどうなる?
大阪府の被害想定では、堺市の広い範囲で震度6強〜7となり、建物倒壊と火災で大きな被害が想定されています。30年以内の発生確率は2〜3%と活断層としては高いグループです。
あわせて読みたい関連ランキング
- 堺市7区で30年以内に震度6弱以上の確率が最も高いのは中区(61.3%)、最も低いのは南区(20.1%)で3.0倍の差
- 市の平均は37.6%、全国の市区町村平均は28.1%、大阪府は都道府県19位(28.1%)
- 差の理由は地盤(台地・丘陵か、低地・埋立地か)と活断層までの距離。確率は「区役所付近のメッシュ」の値なので自宅はJ-SHISで確認
- 確率が低い区も安全ではない。耐震・家具固定・液状化と津波のハザードマップ・地震保険の4点で備える
出典:防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、今後30年以内に震度6弱以上/6強以上の揺れに見舞われる確率、平均ケース、区役所・市役所付近の250mメッシュ)、地震調査研究推進本部の長期評価、気象庁 震度データベース(1919年〜)、国土地理院 地形分類。偏差値は当サイトが全国1,894市区町村の分布から算出。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介している商品・サービスは、記事の内容に関係するものを選んでいます。


