京都市11区 地震で揺れやすい区・強い区ランキング【30年以内に震度6弱以上の確率】伏見区54.8%〜左京区12.6%、同じ市内で4.3倍の差

日本地図で京都市の位置を強調した点と同心円、11区の30年確率を並べた棒グラフを重ねたイメージ 気象

「京都市で地震に強い区・弱い区はどこ?」——防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション、2024年版)が公表している「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を、京都市11区の区役所付近の250mメッシュ値で比べると、最も高い伏見区の54.8%から最も低い左京区の12.6%まで、同じ市内で4.3倍の差があります。

この記事では京都市11区の確率を一覧にし、区によって数字が違う理由(地盤と活断層の位置)、京都市で想定される地震、京都府全体の中での位置づけ、そして区の数字の読み方を気象予報士がまとめます。

のぶやん
のぶやん

京都市は伏見区54.8%・山科区51.3%が突出し、残りの9区は12〜19%という「二極」構造です。市の中心部は扇状地の硬めの地盤ですが、南部の伏見・山科は巨椋池の干拓地や盆地の軟らかい堆積層に加え、奈良盆地東縁・宇治川などの断層が近く、確率が3〜4倍になります。

京都市11区 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率ランキング

確率が高い順に並べています。「全国偏差値」は当サイトが集計した全国1,894市区町村(政令市は区単位)の30年確率(6弱以上)の分布に対する偏差値(平均28.1%)です。

順位6弱以上6強以上全国偏差値
1伏見区54.8%13.8%60.5
2山科区51.3%11.5%59.1
3南区19%2.2%46.4
4下京区18.1%2%46.1
5西京区16.1%1.7%45.3
6中京区15.6%1.5%45.1
7東山区14.8%1.5%44.8
8右京区14.6%1.4%44.7
9上京区13.8%1.2%44.4
10北区12.6%1.1%43.9
11左京区12.6%1.1%43.9
京都市 区別 30年以内に震度6弱以上・6強以上の揺れに見舞われる確率(J-SHIS 2024年版、区役所付近250mメッシュ、平均ケース)

京都市11区の平均は22.1%。京都府の代表値(県庁所在地付近のメッシュ)は14.3%で都道府県ランキングでは28位、全国の市区町村平均は28.1%です。平均より高い伏見区・山科区と、低い南区・下京区・西京区・中京区・東山区・右京区・上京区・北区・左京区では、同じ市でも数字の意味が変わります。

【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認

下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(京都府を強調表示)。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。

なぜ区によって確率がこれほど違うのか

市街地の9区は低い。中京区15.6%・下京区18.1%・上京区13.8%・北区12.6%・左京区12.6%・東山区14.8%・右京区14.6%・西京区16.1%・南区19%はいずれも12〜19%で、全国平均(28.1%)を下回ります。京都盆地の北半分は鴨川・桂川がつくった扇状地で、礫が多く沖積平野としては硬めの地盤です。

伏見区・山科区は地盤と断層の両方で高い。伏見区54.8%・山科区51.3%は市内で突出しています。伏見区南部は1941年まで存在した巨椋池の干拓地で、厚い軟弱層と液状化リスクを抱えています。山科区は山科盆地の堆積層の上です。さらに両区は奈良盆地東縁断層帯や宇治川断層・黄檗断層に近く、活断層による揺れの確率が上乗せされています。

市内には活断層が多い。京都市は東に花折断層帯、西に西山断層帯(京都西山断層帯)、南に奈良盆地東縁断層帯と、盆地を囲むように活断層があります。文化財の多い東山・北山のふもとは断層のすぐそばで、確率は低くても直下型地震の被害想定は小さくありません。

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京都市で想定される地震

花折断層帯:比良山地から京都市東部(左京区・東山区)を通り南へ延びる全長約46kmの活断層帯で、M7.3程度の地震が想定されています。30年以内の発生確率はほぼ0〜0.6%ですが、市街地に近く、発生すれば左京区・東山区から中京区にかけて震度6強〜7が想定されています。

奈良盆地東縁断層帯・宇治川断層:伏見区から奈良市へ延びる奈良盆地東縁断層帯はM7.4程度、30年以内ほぼ0〜5%と、活断層としては高いグループです。京都市の被害想定では、この断層の地震で伏見区・山科区・南区の広い範囲が震度6強〜7とされています。

南海トラフと過去の地震:南海トラフ巨大地震(30年以内70〜80%)では京都市は震度5強〜6弱の長い揺れが想定されています。1830年の京都地震(M6.5程度)では市中で大きな被害があり、1995年兵庫県南部地震では京都市で震度5を観測、2018年大阪府北部地震でも震度5強でした。

京都市全体の地震リスク(データベースより)

指標備考
年平均有感地震回数10.2回1919年以降の気象庁震度データベース(役所付近の観測点)
総観測回数1,211回同上
過去最大震度5強市役所付近の観測点の値。2018年大阪府北部地震で震度5強
30年確率(6弱以上)15.6%市役所付近メッシュ
30年確率(5強以上)59.5%同上
表層地盤増幅率1.231.6以上で「揺れやすい」とされる
役所付近の地形分類扇状地国土地理院 地形分類
京都市の地震リスク詳細ページより

京都市の年平均有感地震回数は10.2回(京都府は都道府県で29位)、表層地盤増幅率は1.23です。30年確率は全国平均を下回りますが、地震が少ない市町村ランキング「地震が少ない県は本当に安全か」で解説しているように、回数の少なさと揺れの大きさは別の指標です。

区の確率をどう読むか——3つの注意点

  1. 「区役所付近の250mメッシュ」の値です。同じ区でも台地の上と川沿いの低地では確率が大きく変わります。自宅の値はJ-SHISの地図で住所検索して確認してください。
  2. 確率は「揺れる確率」であって「被害を受ける確率」ではありません。被害は建物の耐震性・家具固定・液状化しやすい地盤かどうかで決まります。
  3. 低い区も安全ではありません。「30年以内に○%」の意味の記事で解説しているように、確率が低く見える地域でも直下型地震は起こりえます。

備えのチェックリスト

  • 自宅の建築年を確認(1981年6月以降=新耐震、2000年6月以降=現行基準)
  • 市のハザードマップで揺れやすさ・液状化・津波の3つを重ねて確認(ハザードマップの見方
  • 家具固定・寝室の安全確保・備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
  • 火災保険と地震保険の加入状況を確認(京都府のイ構造・保険金額1,000万円あたりの年額は7,300円、47都道府県で34番目に高い)

都道府県で見る京都の地震リスク|確率・地盤・回数・観測市町村数

京都市の区ごとの比較に加えて、京都府全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。

30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:京都は28位

順位都道府県30年以内に震度6弱以上の確率偏差値
1位高知県77.7%69.9
2位徳島県77.5%69.8
3位香川県73.6%68.2
4位和歌山県73.1%68.0
5位静岡県72.8%67.9
6位千葉県71.2%67.3
7位埼玉県62.4%63.7
8位岐阜県61.9%63.5
9位大分県57.4%61.6
10位三重県48.9%58.2
28位京都府14.3%44.1
30年以内に震度6弱以上の確率の都道府県ランキング(上位10と京都府)

京都府は28位(14.3%、偏差値44.1)。1位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。全47都道府県の順位は30年以内に震度6弱以上の確率ランキングで確認できます。

表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):京都は38位

順位都道府県表層地盤増幅率偏差値
1位石川県1.60倍68.6
2位千葉県1.55倍65.2
3位茨城県1.54倍64.5
4位埼玉県1.54倍64.5
5位新潟県1.53倍63.8
6位山口県1.51倍62.4
7位香川県1.50倍61.8
8位佐賀県1.50倍61.8
9位富山県1.45倍58.4
10位福井県1.45倍58.4
38位京都府1.19倍40.7
表層地盤増幅率の都道府県ランキング(上位10と京都府)

京都府は38位(1.19倍、偏差値40.7)。1位は石川県(1.60倍)、全国平均は1.33倍です。全47都道府県の順位は表層地盤増幅率ランキングで確認できます。

有感地震の年間回数の多さ:京都は29位

順位都道府県有感地震の年間回数偏差値
1位長野県650回107.1
2位東京都286回71.4
3位茨城県182回61.2
4位北海道153回58.3
5位福島県139回57.0
6位岩手県132回56.3
7位宮城県118回54.9
8位鹿児島県114回54.5
9位栃木県114回54.5
10位千葉県95回52.6
29位京都府26回45.9
有感地震の年間回数の都道府県ランキング(上位10と京都府)

京都府は29位(26回、偏差値45.9)。1位は長野県(650回)、全国平均は68回です。全47都道府県の順位は有感地震の年間回数ランキングで確認できます。

震度6弱以上を観測した市区町村数の多さ:京都は28位

順位都道府県震度6弱以上を観測した市区町村数偏差値
1位福島県3485.9
2位茨城県3081.0
3位宮城県2777.3
4位熊本県2372.3
5位北海道1663.7
6位新潟県1157.5
7位岩手県1056.3
8位栃木県1056.3
9位鳥取県1056.3
10位石川県752.6
28位京都府145.2
震度6弱以上を観測した市区町村数の都道府県ランキング(上位10と京都府)

京都府は28位(1、偏差値45.2)。1位は福島県(34)、全国平均は5です。全47都道府県の順位は震度6弱以上を観測した市区町村数ランキングで確認できます。

京都府内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10

京都府の26市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村

順位市区町村30年確率(6弱以上)
1久御山町57.8%
2八幡市54.9%
3大山崎町53.1%
4木津川市30.7%
5精華町27%
6城陽市26.1%
7和束町22.7%
8長岡京市19.9%
9京都市15.6%
10宇治田原町14.5%
京都府の30年確率(6弱以上) 上位10(26市区町村中)

地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村

順位市区町村表層地盤増幅率地形分類
1久御山町2.12後背湿地
2大山崎町2.06後背湿地
3八幡市2.06後背湿地
4与謝野町1.44砂州・砂礫州
5宮津市1.44砂州・砂礫州
6福知山市1.39谷底低地
7城陽市1.28扇状地
8長岡京市1.27扇状地
9木津川市1.24扇状地
10京都市1.23扇状地
京都府の表層地盤増幅率 上位10(26市区町村中)

有感地震の回数が多い市区町村

順位市区町村年平均有感地震回数過去最大震度
1亀岡市14.8回5強
2八幡市12.2回5強
3久御山町11.5回5強
4南丹市11回5弱
5京都市10.2回5強
6大山崎町9.8回5強
7宇治市9.2回5弱
8城陽市8.2回5弱
9長岡京市7.8回5強
10宇治田原町7.3回4
京都府の年平均有感地震回数 上位10(26市区町村中)

過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは1市区町村(宮津市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。

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水害・台風の備えは保険の見直しから

地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. 京都市で最も地盤が良い区は?

北区(12.6%)・左京区(12.6%)・上京区(13.8%)など、鴨川の扇状地の上にある区です。ただし左京区・東山区は花折断層帯に近く、確率が低くても直下型地震の被害想定は大きい点に注意してください。

Q. 伏見区・山科区が高いのはなぜ?

伏見区南部は巨椋池の干拓地で軟弱な地盤、山科区は山科盆地の堆積層の上にあり、さらに奈良盆地東縁断層帯・宇治川断層に近いためです。地盤と断層の両方の条件が重なっています。

Q. 京都市に津波は来る?

来ません。内陸のため津波の想定はありませんが、南海トラフ地震では震度5強〜6弱の長周期の揺れが想定され、高層建物や文化財への影響が課題です。

Q. 京都市で想定される最大の地震は?

花折断層帯(M7.3程度)や奈良盆地東縁断層帯(M7.4程度)の直下型地震で、市内の広い範囲に震度6強〜7が想定されています。木造住宅と文化財の密集地での火災延焼が最大の課題です。

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まとめ
  • 京都市11区で30年以内に震度6弱以上の確率が最も高いのは伏見区(54.8%)、最も低いのは左京区(12.6%)で4.3倍の差
  • 市の平均は22.1%、全国の市区町村平均は28.1%、京都府は都道府県28位(14.3%)
  • 差の理由は地盤(台地・丘陵か、低地・埋立地か)と活断層までの距離。確率は「区役所付近のメッシュ」の値なので自宅はJ-SHISで確認
  • 確率が低い区も安全ではない。耐震・家具固定・液状化と津波のハザードマップ・地震保険の4点で備える

出典:防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、今後30年以内に震度6弱以上/6強以上の揺れに見舞われる確率、平均ケース、区役所・市役所付近の250mメッシュ)、地震調査研究推進本部の長期評価、気象庁 震度データベース(1919年〜)、国土地理院 地形分類。偏差値は当サイトが全国1,894市区町村の分布から算出。

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