神戸市9区 地震で揺れやすい区・強い区ランキング【30年以内に震度6弱以上の確率】須磨区53.2%〜北区13.1%、同じ市内で4.1倍の差

日本地図で神戸市の位置を強調した点と同心円、9区の30年確率を並べた棒グラフを重ねたイメージ 気象

「神戸市で地震に強い区・弱い区はどこ?」——防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション、2024年版)が公表している「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を、神戸市9区の区役所付近の250mメッシュ値で比べると、最も高い須磨区の53.2%から最も低い北区の13.1%まで、同じ市内で4.1倍の差があります。

この記事では神戸市9区の確率を一覧にし、区によって数字が違う理由(地盤と活断層の位置)、神戸市で想定される地震、兵庫県全体の中での位置づけ、そして区の数字の読み方を気象予報士がまとめます。

のぶやん
のぶやん

1995年に震度7を経験した神戸市ですが、J-SHISの30年確率は須磨区・長田区・垂水区・西区・中央区が48〜53%、北区は13.1%と4倍の差があります。六甲山地の北側(北区)は低く、南側の海岸低地と西部の台地は高め。灘区・兵庫区が低めに出るのは区役所付近のメッシュの条件によるもので、1995年の被害分布とは必ずしも一致しません。

神戸市9区 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率ランキング

確率が高い順に並べています。「全国偏差値」は当サイトが集計した全国1,894市区町村(政令市は区単位)の30年確率(6弱以上)の分布に対する偏差値(平均28.1%)です。

順位6弱以上6強以上全国偏差値
1須磨区53.2%11.6%59.9
2長田区52.9%11.3%59.7
3垂水区50.2%10.4%58.7
4西区50.2%10.2%58.7
5中央区48%9%57.8
6東灘区36.1%5.5%53.1
7兵庫区23%2.4%48.0
8灘区20.6%2.3%47.1
9北区13.1%1%44.1
神戸市 区別 30年以内に震度6弱以上・6強以上の揺れに見舞われる確率(J-SHIS 2024年版、区役所付近250mメッシュ、平均ケース)

神戸市9区の平均は38.6%。兵庫県の代表値(県庁所在地付近のメッシュ)は7.6%で都道府県ランキングでは37位、全国の市区町村平均は28.1%です。平均より高い須磨区・長田区・垂水区・西区・中央区と、低い東灘区・兵庫区・灘区・北区では、同じ市でも数字の意味が変わります。

【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認

下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(兵庫県を強調表示)。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。

なぜ区によって確率がこれほど違うのか

海岸低地と埋立地の区は高い。須磨区53.2%・長田区52.9%・中央区48%は六甲山地と海に挟まれた狭い海岸低地と埋立地(ポートアイランド・六甲アイランド)にあります。1995年の兵庫県南部地震では、この帯状の地域に「震災の帯」と呼ばれる震度7の激震域が現れ、埋立地では大規模な液状化が起きました。

西部の台地も高い。垂水区50.2%・西区50.2%は明石海峡に近く、1995年の震源(明石海峡直下)に最も近い区です。段丘や丘陵の上にありますが、活断層(六甲・淡路島断層帯)の近さが確率を押し上げています。

北区は六甲山地の北側で低い。北区13.1%は六甲山地の北側の盆地・丘陵で、市内で最も低い値です。東灘区36.1%・兵庫区23%・灘区20.6%が中位〜低めなのは、区役所付近のメッシュが扇状地や台地の比較的硬い地盤にあるためで、同じ区の海岸部・埋立地は条件が異なります。1995年に震度7だった地域が含まれることを忘れないでください。

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神戸市で想定される地震

六甲・淡路島断層帯:淡路島から六甲山地の南縁を通り、神戸市街の直下を走る活断層帯です。1995年の兵庫県南部地震(M7.3)はこの断層帯の一部(野島断層など)が動いたもので、神戸市では震度7を観測、死者6,400人超の被害となりました。動いた区間の30年確率はほぼ0%ですが、主部六甲山地南縁-淡路島東岸区間はM7.9程度、30年以内ほぼ0〜1%とされています。

有馬-高槻断層帯:北区の北側を東西に走る断層帯で、M7.5程度、30年以内ほぼ0〜0.03%です。1596年の慶長伏見地震はこの断層帯の活動と考えられています。

南海トラフ巨大地震:30年以内の発生確率は70〜80%。神戸市では震度5強〜6弱の長い揺れと、大阪湾内に最大3〜4mの津波が地震発生から約1時間半で到達すると想定されています。ポートアイランドや兵庫運河周辺は浸水想定区域です。

神戸市全体の地震リスク(データベースより)

指標備考
年平均有感地震回数3.6回1919年以降の気象庁震度データベース(役所付近の観測点)
総観測回数747回同上
過去最大震度4市役所付近の観測点の値。1995年兵庫県南部地震で市内は震度7(東灘・灘・中央・兵庫・長田・須磨区など)
30年確率(6弱以上)48%市役所付近メッシュ
30年確率(5強以上)82.1%同上
表層地盤増幅率1.871.6以上で「揺れやすい」とされる
役所付近の地形分類自然堤防国土地理院 地形分類
神戸市の地震リスク詳細ページより

神戸市の年平均有感地震回数は3.6回(兵庫県は都道府県で24位)、表層地盤増幅率は1.87で「揺れやすい」地盤に分類されます。30年確率は全国平均を上回り、地震が少ない市町村ランキング「地震が少ない県は本当に安全か」で解説しているように、回数の少なさと揺れの大きさは別の指標です。

区の確率をどう読むか——3つの注意点

  1. 「区役所付近の250mメッシュ」の値です。同じ区でも台地の上と川沿いの低地では確率が大きく変わります。自宅の値はJ-SHISの地図で住所検索して確認してください。
  2. 確率は「揺れる確率」であって「被害を受ける確率」ではありません。被害は建物の耐震性・家具固定・液状化しやすい地盤かどうかで決まります。
  3. 低い区も安全ではありません。「30年以内に○%」の意味の記事で解説しているように、確率が低く見える地域でも直下型地震は起こりえます。

備えのチェックリスト

  • 自宅の建築年を確認(1981年6月以降=新耐震、2000年6月以降=現行基準)
  • 市のハザードマップで揺れやすさ・液状化・津波の3つを重ねて確認(ハザードマップの見方
  • 家具固定・寝室の安全確保・備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
  • 火災保険と地震保険の加入状況を確認(兵庫県のイ構造・保険金額1,000万円あたりの年額は7,300円、47都道府県で35番目に高い)

都道府県で見る兵庫の地震リスク|確率・地盤・回数・観測市町村数

神戸市の区ごとの比較に加えて、兵庫県全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。

30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:兵庫は37位

順位都道府県30年以内に震度6弱以上の確率偏差値
1位高知県77.7%69.9
2位徳島県77.5%69.8
3位香川県73.6%68.2
4位和歌山県73.1%68.0
5位静岡県72.8%67.9
6位千葉県71.2%67.3
7位埼玉県62.4%63.7
8位岐阜県61.9%63.5
9位大分県57.4%61.6
10位三重県48.9%58.2
37位兵庫県7.6%41.3
30年以内に震度6弱以上の確率の都道府県ランキング(上位10と兵庫県)

兵庫県は37位(7.6%、偏差値41.3)。1位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。全47都道府県の順位は30年以内に震度6弱以上の確率ランキングで確認できます。

表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):兵庫は24位

順位都道府県表層地盤増幅率偏差値
1位石川県1.60倍68.6
2位千葉県1.55倍65.2
3位茨城県1.54倍64.5
4位埼玉県1.54倍64.5
5位新潟県1.53倍63.8
6位山口県1.51倍62.4
7位香川県1.50倍61.8
8位佐賀県1.50倍61.8
9位富山県1.45倍58.4
10位福井県1.45倍58.4
24位兵庫県1.36倍52.2
表層地盤増幅率の都道府県ランキング(上位10と兵庫県)

兵庫県は24位(1.36倍、偏差値52.2)。1位は石川県(1.60倍)、全国平均は1.33倍です。全47都道府県の順位は表層地盤増幅率ランキングで確認できます。

有感地震の年間回数の多さ:兵庫は24位

順位都道府県有感地震の年間回数偏差値
1位長野県650回107.1
2位東京都286回71.4
3位茨城県182回61.2
4位北海道153回58.3
5位福島県139回57.0
6位岩手県132回56.3
7位宮城県118回54.9
8位鹿児島県114回54.5
9位栃木県114回54.5
10位千葉県95回52.6
24位兵庫県33回46.6
有感地震の年間回数の都道府県ランキング(上位10と兵庫県)

兵庫県は24位(33回、偏差値46.6)。1位は長野県(650回)、全国平均は68回です。全47都道府県の順位は有感地震の年間回数ランキングで確認できます。

震度6弱以上を観測した市区町村数の多さ:兵庫は17位

順位都道府県震度6弱以上を観測した市区町村数偏差値
1位福島県3485.9
2位茨城県3081.0
3位宮城県2777.3
4位熊本県2372.3
5位北海道1663.7
6位新潟県1157.5
7位岩手県1056.3
8位栃木県1056.3
9位鳥取県1056.3
10位石川県752.6
17位兵庫県347.7
震度6弱以上を観測した市区町村数の都道府県ランキング(上位10と兵庫県)

兵庫県は17位(3、偏差値47.7)。1位は福島県(34)、全国平均は5です。全47都道府県の順位は震度6弱以上を観測した市区町村数ランキングで確認できます。

兵庫県内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10

兵庫県の41市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村

順位市区町村30年確率(6弱以上)
1洲本市70.5%
2南あわじ市52.3%
3淡路市52.3%
4尼崎市50.2%
5加古川市48.5%
6神戸市48%
7高砂市47.5%
8伊丹市44.8%
9明石市44.4%
10西宮市43%
兵庫県の30年確率(6弱以上) 上位10(41市区町村中)

地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村

順位市区町村表層地盤増幅率地形分類
1豊岡市2.12後背湿地
2尼崎市2.01三角州・海岸低地
3加古川市1.95三角州・海岸低地
4高砂市1.94旧河道・旧池沼
5伊丹市1.94旧河道・旧池沼
6神戸市1.87自然堤防
7西宮市1.86三角州・海岸低地
8洲本市1.85砂丘・砂州間低地
9新温泉町1.85砂丘
10赤穂市1.75三角州・海岸低地
兵庫県の表層地盤増幅率 上位10(41市区町村中)

有感地震の回数が多い市区町村

順位市区町村年平均有感地震回数過去最大震度
1豊岡市10.9回6弱
2三田市10.7回4
3淡路市9.1回6弱
4南あわじ市8.4回5強
5洲本市8.1回6弱
6加古川市7.6回4
7新温泉町7.5回4
8朝来市7.4回3
9丹波篠山市7.2回4
10丹波市7.1回4
兵庫県の年平均有感地震回数 上位10(41市区町村中)

過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは3市区町村(淡路市=6弱、洲本市=6弱、豊岡市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。

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水害・台風の備えは保険の見直しから

地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. 神戸市で最も確率が低い区は?

北区(13.1%)です。六甲山地の北側の丘陵・盆地にあり、1995年の地震でも南部の市街地より被害は小さめでした。

Q. 灘区・兵庫区が低いのはなぜ?1995年に震度7だったのに。

J-SHISの値は区役所付近の250mメッシュのもので、灘区・兵庫区の区役所付近は扇状地や台地の比較的硬い地盤にあるためです。同じ区の海岸部や埋立地は「震災の帯」に含まれ、条件が大きく異なります。区の平均ではなく「区役所の地点の値」として読んでください。

Q. 神戸市に津波は来る?

南海トラフ巨大地震で最大3〜4mの津波が約1時間半で到達すると想定されています。ポートアイランド・六甲アイランド・兵庫運河周辺などの低い土地は浸水想定区域です。

Q. 1995年と同じ地震はまた起きる?

1995年に動いた区間の30年確率はほぼ0%ですが、六甲・淡路島断層帯の他の区間や有馬-高槻断層帯は残っています。南海トラフ巨大地震も含め、神戸市の地震リスクは「終わった」わけではありません。

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まとめ
  • 神戸市9区で30年以内に震度6弱以上の確率が最も高いのは須磨区(53.2%)、最も低いのは北区(13.1%)で4.1倍の差
  • 市の平均は38.6%、全国の市区町村平均は28.1%、兵庫県は都道府県37位(7.6%)
  • 差の理由は地盤(台地・丘陵か、低地・埋立地か)と活断層までの距離。確率は「区役所付近のメッシュ」の値なので自宅はJ-SHISで確認
  • 確率が低い区も安全ではない。耐震・家具固定・液状化と津波のハザードマップ・地震保険の4点で備える

出典:防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、今後30年以内に震度6弱以上/6強以上の揺れに見舞われる確率、平均ケース、区役所・市役所付近の250mメッシュ)、地震調査研究推進本部の長期評価、気象庁 震度データベース(1919年〜)、国土地理院 地形分類。偏差値は当サイトが全国1,894市区町村の分布から算出。

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