「世界でいちばん暑い国はどこ?」——観測史上最高気温ランキングは「一発の記録」の勝負でした。世界ランキングシリーズ、今回は、「年平均気温」で見た本当に暑い国ランキング。瞬間最大風速ではなく、365日の平均で勝負します。
EU・コペルニクス気候変動サービス(ECMWF)の公的な再解析データ「ERA5」から、国連加盟193か国の首都の平均気温(2022〜2024年平均)を調査し、データを取得できた193か国をランキングにしました。今回は193か国すべてでデータを取得できました。
もちろん「年平均」と「1月〜12月の各月」の切り替え付き。最高気温の記録では中東勢が圧勝でしたが、年平均で見ると勢力図はガラリと変わりますよ。

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世界の暑い国ランキング【地域別・月別/年平均】
ボタンで「地域」と「期間(年平均・各月)」を絞り込めます。値は各国の首都1地点の平均気温で、偏差値はその期間のデータがある国の中での位置づけです。
調査方法について:値はECMWF(欧州中期予報センター)/EUコペルニクス計画の再解析データERA5から、各国首都の地点について2022〜2024年の日平均気温を集計したものです(Open-Meteo APIを使用して取得)。再解析データとは、世界中の観測データを物理モデルで統合した「地球全体の気象データベース」で、WMOや各国気象機関の観測値がベースになっています。国全体の平均ではなく首都1地点の値である点にご注意ください。
年平均気温が高い国TOP10を考察|主役は中東ではなく「サヘルと赤道」
年平均でいちばん暑いのはスーダン(Khartoum・年平均30.4℃)。2位ジブチ(30.2℃)、3位ニジェール(29.5℃)と続きます。
最高気温ランキングでは50℃超の中東勢が上位を独占しましたが、年平均ではサハラ砂漠南縁(サヘル)や紅海沿岸、赤道近くの国々が主役になります。理由はシンプルで、中東の砂漠は夏こそ酷暑でも、冬は意外と涼しいから。一年を通してずっと暑い低緯度の国が、平均勝負では強いのです。
月別に切り替えると、この違いがよく見えます。中東勢は夏だけ一気に上位へ駆け上がり、赤道の国はどの月もほぼ同じ順位。「暑さの記録」と「暑さの持久力」は別物なんですね。
年平均気温が低い国は?|世界一寒い首都はウランバートル
反対にいちばん低いのはモンゴル(Ulaanbaatar・年平均0.9℃)。アイスランド(4.4℃)、カザフスタン(4.7℃)が続きます。
モンゴルのウランバートルは標高約1,300mの内陸高原にあり、「世界一寒い首都」として知られます。1月の平均気温は氷点下20℃前後——月別ボタンで1月に切り替えて、その桁違いの寒さをぜひ確かめてみてください。
なぜ差が出るのか?気象予報士的に解説
- 緯度(太陽エネルギー):年平均気温を決める最大の要素。赤道に近いほど一年中日射が強く、季節変化も小さくなります。
- 標高:標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がります。赤道直下でも高地の首都(キト、アディスアベバなど)は涼しいのはこのため。
- 大陸性と海洋性:内陸は夏暑く冬寒い「大陸性」、海沿いは変化の小さい「海洋性」。年平均が同じでも、月別の振れ幅はまるで違います。
- 海流:暖流沿いは高緯度でも温和(西ヨーロッパ)、寒流沿いは低緯度でも涼しめ。緯度だけでは決まらない理由です。
年平均気温の世界地図は、ほぼ「緯度×標高」で描けます。そこに海と大気の循環がひと味加える——シリーズで見てきた降水量・日照・湿度の分布と重ねると、世界の気候区分(ケッペンの気候区分)が浮かび上がってきます。
日本の年平均気温は?|世界の中では「ちょうど真ん中」より涼しめ
日本(東京)は年平均16.2℃で世界133位・偏差値44.3。四季がはっきりした中緯度の国らしく、暑い国ランキングでは中位〜やや下に位置します。
ただし月別で見ると、7月・8月の東京は熱帯の国々に食い込む暑さになる一方、1月はぐっと下位へ。夏と冬で順位が大きく動くのは、大陸性と海洋性が入り混じる日本の気候の特徴です。なお気象庁の統計では、東京の年平均気温はこの100年で約3℃上昇しており、都市化(ヒートアイランド)と温暖化の影響が重なっています。
データの注意点|再解析データと「首都1地点」の値
本ランキングの値は、観測所の生データではなく、世界中の観測を物理モデルで統合したERA5再解析データの首都地点の値です。都市の観測値とは1℃前後ずれることがあります。また国全体の平均ではないため、国土が広い国や高低差の大きい国では、首都の値が国を代表しない点にご注意ください。2022〜2024年という直近3年の平均のため、30年平均の「平年値」よりやや高めに出る傾向もあります。
日本国内の気温の平年値は、気象庁の「過去の気象データ検索」で地点ごとに確認できます。
まとめ|「平均の暑さ」は緯度と標高で決まる
今回の内容についてまとめました。
- 年平均気温世界一はスーダン(30.4℃)。サヘル・紅海沿岸・赤道の国が上位を独占
- 最高気温の記録は中東、平均の暑さは低緯度。「記録」と「持久力」で勢力図が入れ替わる
- 最も低いのはモンゴル(0.9℃)。ウランバートルは「世界一寒い首都」
- 日本(東京)は年平均16.2℃・世界133位。夏と冬で順位が大きく動く四季の国
- 値はERA5再解析(公的データ)による首都1地点・2022〜2024年平均
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引用・出典(公的データ・一次情報)
- ERA5再解析データ(ECMWF/EUコペルニクス気候変動サービス):本ランキングの気温データの原典
- Open-Meteo Historical Weather API:ERA5データの取得に使用(オープンデータAPI)
- 気象庁「過去の気象データ検索」:東京など日本国内の気温平年値・長期変化
- WMO(世界気象機関):再解析の基礎となる世界観測網の国際基準
※値は各国首都1地点・2022〜2024年の平均気温(ERA5)です。今回は193か国すべてでデータを取得できたため、「データなし」の国はありません。


