「相模原市で地震に強い区・弱い区はどこ?」——防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション、2024年版)が公表している「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を、相模原市3区の区役所付近の250mメッシュ値で比べると、最も高い南区の52.5%から最も低い緑区の44.7%まで、同じ市内で1.2倍の差があります。
この記事では相模原市3区の確率を一覧にし、区によって数字が違う理由(地盤と活断層の位置)、相模原市で想定される地震、神奈川県全体の中での位置づけ、そして区の数字の読み方を気象予報士がまとめます。

相模原市は3区とも45〜53%で差が小さく、全国偏差値では3区とも平均より上です。相模原台地の上にある中央区・南区は地盤は硬めですが、相模トラフと首都直下の震源に近いことが確率を押し上げています。緑区は山地・丘陵で最も低くなります。
相模原市3区 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率ランキング
確率が高い順に並べています。「全国偏差値」は当サイトが集計した全国1,894市区町村(政令市は区単位)の30年確率(6弱以上)の分布に対する偏差値(平均28.1%)です。
| 順位 | 区 | 6弱以上 | 6強以上 | 全国偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 南区 | 52.5% | 11.8% | 59.6 |
| 2 | 中央区 | 49.1% | 10.7% | 58.3 |
| 3 | 緑区 | 44.7% | 8.9% | 56.5 |
相模原市3区の平均は48.8%。神奈川県の代表値(県庁所在地付近のメッシュ)は43.4%で都道府県ランキングでは16位、全国の市区町村平均は28.1%です。平均より高い南区・中央区と、低い緑区では、同じ市でも数字の意味が変わります。
【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認
下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(神奈川県を強調表示)。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。
なぜ区によって確率がこれほど違うのか
相模原台地の区は地盤は硬めだが、震源が近い。南区52.5%・中央区49.1%は相模川がつくった段丘(相模原台地)の上で、関東ローム層におおわれた硬めの地盤です。それでも50%前後なのは、1923年関東地震の震源域(相模トラフ)と首都直下地震の想定震源に近いためです。
緑区は山地で低め。緑区44.7%は旧津久井郡を含む広い山地・丘陵の区で、区役所付近も台地の縁にあります。岩盤に近い地盤で増幅が小さい一方、山地部では斜面崩壊・土砂災害が地震時の主なリスクになります。
段丘の縁と相模川低地は例外。相模川・境川沿いの低地や段丘崖の下は、台地の上より軟らかい地盤です。同じ区でも川沿いは10ポイント以上高くなることがあるため、J-SHISの地図で自宅の値を確認してください。
停電・断水に備えるなら
台風や地震で最初に困るのは電気と水です。気象庁の警報が出てから買いに走っても店頭にはありません。平時にそろえておくものを3つだけ挙げると、ポータブル電源・水と非常食・非常持ち出しセットです。
相模原市で想定される地震
相模トラフ(関東地震型)と首都直下地震:1923年関東地震(M7.9)では相模原付近で震度6相当の揺れがあったと推定されています。M8クラスは30年以内にほぼ0〜6%、M7クラスの首都直下地震は70%程度とされ、政府の被害想定では相模原市の市街地で震度6弱〜6強が想定されています。
神縄・国府津-松田断層帯:市の南西、足柄平野から相模湾にかけて延びる活断層帯で、M7.5程度、30年以内の発生確率は0.2〜16%と国内の活断層では最も高いグループです。発生すれば相模原市でも震度6弱〜6強が想定されています。
過去の地震:2011年の東北地方太平洋沖地震では相模原市で震度5弱を観測しました。市内では大きな被害はありませんでしたが、丘陵地の造成宅地や急傾斜地の点検が課題として残っています。
相模原市全体の地震リスク(データベースより)
| 指標 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| 年平均有感地震回数 | 34回 | 1919年以降の気象庁震度データベース(役所付近の観測点) |
| 総観測回数 | 973回 | 同上 |
| 過去最大震度 | 5弱 | 市役所付近の観測点の値。2011年東北地方太平洋沖地震で震度5弱 |
| 30年確率(6弱以上) | 49.1% | 市役所付近メッシュ |
| 30年確率(5強以上) | 90.7% | 同上 |
| 表層地盤増幅率 | 1.45 | 1.6以上で「揺れやすい」とされる |
| 役所付近の地形分類 | 火山灰台地 | 国土地理院 地形分類 |
相模原市の年平均有感地震回数は34回(神奈川県は都道府県で17位)、表層地盤増幅率は1.45です。30年確率は全国平均を上回り、地震が少ない市町村ランキングと「地震が少ない県は本当に安全か」で解説しているように、回数の少なさと揺れの大きさは別の指標です。
区の確率をどう読むか——3つの注意点
- 「区役所付近の250mメッシュ」の値です。同じ区でも台地の上と川沿いの低地では確率が大きく変わります。自宅の値はJ-SHISの地図で住所検索して確認してください。
- 確率は「揺れる確率」であって「被害を受ける確率」ではありません。被害は建物の耐震性・家具固定・液状化しやすい地盤かどうかで決まります。
- 低い区も安全ではありません。「30年以内に○%」の意味の記事で解説しているように、確率が低く見える地域でも直下型地震は起こりえます。
備えのチェックリスト
- 自宅の建築年を確認(1981年6月以降=新耐震、2000年6月以降=現行基準)
- 市のハザードマップで揺れやすさ・液状化・津波の3つを重ねて確認(ハザードマップの見方)
- 家具固定・寝室の安全確保・備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
- 火災保険と地震保険の加入状況を確認(神奈川県のイ構造・保険金額1,000万円あたりの年額は27,500円、47都道府県で3番目に高い)
都道府県で見る神奈川の地震リスク|確率・地盤・回数・観測市町村数
相模原市の区ごとの比較に加えて、神奈川県全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。
30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:神奈川は16位
| 順位 | 都道府県 | 30年以内に震度6弱以上の確率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 高知県 | 77.7% | 69.9 |
| 2位 | 徳島県 | 77.5% | 69.8 |
| 3位 | 香川県 | 73.6% | 68.2 |
| 4位 | 和歌山県 | 73.1% | 68.0 |
| 5位 | 静岡県 | 72.8% | 67.9 |
| 6位 | 千葉県 | 71.2% | 67.3 |
| 7位 | 埼玉県 | 62.4% | 63.7 |
| 8位 | 岐阜県 | 61.9% | 63.5 |
| 9位 | 大分県 | 57.4% | 61.6 |
| 10位 | 三重県 | 48.9% | 58.2 |
| 16位 | 神奈川県 | 43.4% | 55.9 |
神奈川県は16位(43.4%、偏差値55.9)。1位は高知県(77.7%)、全国平均は28.8%です。全47都道府県の順位は30年以内に震度6弱以上の確率ランキングで確認できます。
表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):神奈川は15位
| 順位 | 都道府県 | 表層地盤増幅率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 石川県 | 1.60倍 | 68.6 |
| 2位 | 千葉県 | 1.55倍 | 65.2 |
| 3位 | 茨城県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 4位 | 埼玉県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 5位 | 新潟県 | 1.53倍 | 63.8 |
| 6位 | 山口県 | 1.51倍 | 62.4 |
| 7位 | 香川県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 8位 | 佐賀県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 9位 | 富山県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 10位 | 福井県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 15位 | 神奈川県 | 1.40倍 | 55.0 |
神奈川県は15位(1.40倍、偏差値55.0)。1位は石川県(1.60倍)、全国平均は1.33倍です。全47都道府県の順位は表層地盤増幅率ランキングで確認できます。
有感地震の年間回数の多さ:神奈川は17位
| 順位 | 都道府県 | 有感地震の年間回数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 長野県 | 650回 | 107.1 |
| 2位 | 東京都 | 286回 | 71.4 |
| 3位 | 茨城県 | 182回 | 61.2 |
| 4位 | 北海道 | 153回 | 58.3 |
| 5位 | 福島県 | 139回 | 57.0 |
| 6位 | 岩手県 | 132回 | 56.3 |
| 7位 | 宮城県 | 118回 | 54.9 |
| 8位 | 鹿児島県 | 114回 | 54.5 |
| 9位 | 栃木県 | 114回 | 54.5 |
| 10位 | 千葉県 | 95回 | 52.6 |
| 17位 | 神奈川県 | 50回 | 48.3 |
神奈川県は17位(50回、偏差値48.3)。1位は長野県(650回)、全国平均は68回です。全47都道府県の順位は有感地震の年間回数ランキングで確認できます。
震度6弱以上を観測した市区町村数の多さ:神奈川は25位
| 順位 | 都道府県 | 震度6弱以上を観測した市区町村数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 福島県 | 34 | 85.9 |
| 2位 | 茨城県 | 30 | 81.0 |
| 3位 | 宮城県 | 27 | 77.3 |
| 4位 | 熊本県 | 23 | 72.3 |
| 5位 | 北海道 | 16 | 63.7 |
| 6位 | 新潟県 | 11 | 57.5 |
| 7位 | 岩手県 | 10 | 56.3 |
| 8位 | 栃木県 | 10 | 56.3 |
| 9位 | 鳥取県 | 10 | 56.3 |
| 10位 | 石川県 | 7 | 52.6 |
| 25位 | 神奈川県 | 1 | 45.2 |
神奈川県は25位(1、偏差値45.2)。1位は福島県(34)、全国平均は5です。全47都道府県の順位は震度6弱以上を観測した市区町村数ランキングで確認できます。
神奈川県内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10
神奈川県の33市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 30年確率(6弱以上) |
|---|---|---|
| 1 | 海老名市 | 77.8% |
| 2 | 小田原市 | 75.8% |
| 3 | 伊勢原市 | 74% |
| 4 | 逗子市 | 70.5% |
| 5 | 厚木市 | 69.4% |
| 6 | 大井町 | 69.1% |
| 7 | 川崎市 | 68.4% |
| 8 | 横浜市 | 67.3% |
| 9 | 茅ヶ崎市 | 66.6% |
| 10 | 寒川町 | 66% |
地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村
| 順位 | 市区町村 | 表層地盤増幅率 | 地形分類 |
|---|---|---|---|
| 1 | 海老名市 | 2.05 | 後背湿地 |
| 2 | 伊勢原市 | 1.89 | 後背湿地 |
| 3 | 小田原市 | 1.82 | 後背湿地 |
| 4 | 厚木市 | 1.8 | 後背湿地 |
| 5 | 川崎市 | 1.79 | 三角州・海岸低地 |
| 6 | 横浜市 | 1.77 | 三角州・海岸低地 |
| 7 | 逗子市 | 1.76 | 砂州・砂礫州 |
| 8 | 茅ヶ崎市 | 1.68 | 砂州・砂礫州 |
| 9 | 寒川町 | 1.67 | 旧河道・旧池沼 |
| 10 | 大井町 | 1.65 | 扇状地 |
有感地震の回数が多い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 年平均有感地震回数 | 過去最大震度 |
|---|---|---|---|
| 1 | 川崎市 | 37.7回 | 5強 |
| 2 | 茅ヶ崎市 | 36.1回 | 5弱 |
| 3 | 三浦市 | 34.7回 | 4 |
| 4 | 相模原市 | 34回 | 5弱 |
| 5 | 横須賀市 | 31.4回 | 6弱 |
| 6 | 横浜市 | 30.9回 | 5弱 |
| 7 | 秦野市 | 27.1回 | 4 |
| 8 | 清川村 | 26.2回 | 5弱 |
| 9 | 中井町 | 25.4回 | 5弱 |
| 10 | 綾瀬市 | 24.9回 | 5弱 |
過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは1市区町村(横須賀市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。
水害・台風の備えは保険の見直しから
地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 相模原市で最も確率が低い区は?
緑区(44.7%)です。山地・丘陵の硬い地盤の上にありますが、地震時は斜面崩壊のリスクがあります。
Q. 相模原台地は地盤が良いのに確率が高いのはなぜ?
J-SHISの確率は地盤の硬さだけでなく震源の近さを含むためです。相模原市は相模トラフと首都直下地震の想定震源に近く、硬い台地でも50%前後になります。
Q. 相模原市に活断層はある?
市内を通る主要な活断層帯はありませんが、南西の神縄・国府津-松田断層帯(30年以内0.2〜16%)と北の立川断層帯が影響します。
Q. 相模原市で想定される最大の揺れは?
相模トラフのM8クラス地震や首都直下地震で震度6強が想定されています。県の地震被害想定では、市街地の建物倒壊と丘陵地の宅地被害が主な課題です。
あわせて読みたい関連ランキング
- 相模原市3区で30年以内に震度6弱以上の確率が最も高いのは南区(52.5%)、最も低いのは緑区(44.7%)で1.2倍の差
- 市の平均は48.8%、全国の市区町村平均は28.1%、神奈川県は都道府県16位(43.4%)
- 差の理由は地盤(台地・丘陵か、低地・埋立地か)と活断層までの距離。確率は「区役所付近のメッシュ」の値なので自宅はJ-SHISで確認
- 確率が低い区も安全ではない。耐震・家具固定・液状化と津波のハザードマップ・地震保険の4点で備える
出典:防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、今後30年以内に震度6弱以上/6強以上の揺れに見舞われる確率、平均ケース、区役所・市役所付近の250mメッシュ)、地震調査研究推進本部の長期評価、気象庁 震度データベース(1919年〜)、国土地理院 地形分類。偏差値は当サイトが全国1,894市区町村の分布から算出。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介している商品・サービスは、記事の内容に関係するものを選んでいます。


