「東京で地盤が強い区はどこ?」「揺れやすい区は?」——家を買う人、引っ越す人が必ず調べる疑問です。結論から言うと、最も揺れやすいのは江戸川区(表層地盤増幅率2.52倍)、最も揺れにくいのは港区(1.38倍)。同じ23区でも、揺れの大きさは1.8倍違います。
この記事では、防災科学技術研究所のJ-SHIS(2024年版)の表層地盤増幅率と30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率、気象庁の震度観測回数を、23区すべてについて並べました。数字はすべて当サイトの東京都の地震リスクデータベースから取っています。

私は気象庁で働いていた気象予報士です。東京の地盤は「東側の低地」と「西側の台地」に真っ二つ。江戸時代の地図で「下町」と「山の手」と呼ばれた境目が、そのまま揺れやすさの境目です。
東京23区 揺れやすい区ランキング(表層地盤増幅率)
表層地盤増幅率は「岩盤の揺れが地表で何倍に増幅されるか」を表す値で、1.0倍が基準。2倍なら岩盤の2倍揺れるということです。J-SHISでは1.6倍以上を「揺れやすい」と説明しています。
| 順位 | 区 | 表層地盤増幅率 | 地形分類 | 30年以内に震度6弱以上 | 全国順位(1,756市区町村中) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 江戸川区 | 2.52倍 | 三角州・海岸低地 | 89.5% | 4位 |
| 2位 | 足立区 | 2.34倍 | 自然堤防 | 83.8% | 7位 |
| 3位 | 荒川区 | 2.2倍 | 三角州・海岸低地 | 80.4% | 38位 |
| 4位 | 江東区 | 2.18倍 | 干拓地 | 81.5% | 52位 |
| 5位 | 葛飾区 | 2.07倍 | 三角州・海岸低地 | 77.1% | 105位 |
| 6位 | 北区 | 1.78倍 | 谷底低地 | 63.2% | 269位 |
| 7位 | 文京区 | 1.78倍 | 谷底低地 | 64.7% | 270位 |
| 8位 | 杉並区 | 1.73倍 | 火山灰台地 | 60.9% | 376位 |
| 9位 | 大田区 | 1.7倍 | 三角州・海岸低地 | 63.7% | 384位 |
| 10位 | 板橋区 | 1.61倍 | 火山灰台地 | 54.3% | 415位 |
| 11位 | 墨田区 | 1.61倍 | 砂州・砂礫州 | 57% | 416位 |
| 12位 | 千代田区 | 1.57倍 | 谷底低地 | 54.4% | 448位 |
| 13位 | 品川区 | 1.51倍 | 火山灰台地 | 53.1% | 493位 |
| 14位 | 渋谷区 | 1.5倍 | 火山灰台地 | 50.7% | 504位 |
| 15位 | 新宿区 | 1.49倍 | 谷底低地 | 49.5% | 508位 |
| 16位 | 中央区 | 1.48倍 | 干拓地 | 50.5% | 524位 |
| 17位 | 台東区 | 1.46倍 | 三角州・海岸低地 | 48.7% | 533位 |
| 18位 | 目黒区 | 1.45倍 | 火山灰台地 | 48.5% | 541位 |
| 19位 | 練馬区 | 1.43倍 | 火山灰台地 | 44% | 605位 |
| 20位 | 中野区 | 1.43倍 | 火山灰台地 | 45.1% | 606位 |
| 21位 | 豊島区 | 1.41倍 | 火山灰台地 | 44.2% | 627位 |
| 22位 | 世田谷区 | 1.39倍 | 火山灰台地 | 44.5% | 654位 |
| 23位 | 港区 | 1.38倍 | 砂州・砂礫州 | 44.6% | 668位 |
1位江戸川区2.52倍、2位足立区2.34倍、3位荒川区2.20倍、4位江東区2.18倍、5位葛飾区2.07倍。上位5区はすべて荒川・江戸川・隅田川に挟まれた「下町低地」で、江戸川区は全国1,756市区町村中でも4位という揺れやすさです。地形分類は三角州・海岸低地、自然堤防、干拓地——いずれも川が運んだ軟らかい土砂の上に街があります。
一方、下位の港区・世田谷区・中野区・練馬区・豊島区・目黒区は武蔵野台地の上。関東ローム層(火山灰台地)は締まった地盤で、増幅率は1.4倍前後にとどまります。「揺れやすい区」と「揺れにくい区」の差は約1.8倍——同じ地震で震度が1階級変わる差です。
意外な結果:千代田区・文京区・北区の「谷底低地」
山の手にある千代田区(1.57倍)・文京区(1.78倍)・北区(1.78倍)・新宿区(1.49倍)は「谷底低地」に分類されています。武蔵野台地には神田川・石神井川などが刻んだ谷が入り組んでいて、区役所が谷筋にあると台地の区でも数字が高く出ます。同じ区の中でも台地の上と谷底では揺れやすさが違うので、住所単位で確認してください。
【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認
下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料・台風接近数を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(東京都を黄色で強調表示)。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
J-SHISの30年確率も地盤の順位とほぼ同じ並びです。江戸川区89.5%、足立区83.8%、江東区81.5%、荒川区80.4%、葛飾区77.1%と下町低地は8割前後。台地の区でも44〜55%あり、23区に「低い区」はありません。首都直下地震(M7クラス、30年以内に70%程度)が確率を押し上げているためで、確率の読み方は「30年以内に70〜80%」はどれくらい高い?地震発生確率の意味で解説しています。
停電・断水に備えるなら
台風や地震で最初に困るのは電気と水です。気象庁の警報が出てから買いに走っても店頭にはありません。平時にそろえておくものを3つだけ挙げると、ポータブル電源・水と非常食・非常持ち出しセットです。
地震の観測回数が多い区
気象庁の震度観測点(2000年以降)で数えると、年平均の震度1以上の地震は千代田区78回、江戸川区62.6回、足立区59.5回。観測点の設置場所や地盤で差が出ますが、東京では年に40〜80回、月に4〜6回は体に感じる揺れがあるのが平常です。
東京都の市町村(多摩地域)はどうか
| 順位 | 市町村 | 表層地盤増幅率 | 地形分類 | 30年以内に震度6弱以上 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 小笠原村 | 1.75倍 | 三角州・海岸低地 | 46.1% |
| 2位 | 清瀬市 | 1.64倍 | 火山灰台地 | 52.4% |
| 3位 | 町田市 | 1.53倍 | 砂礫質台地 | 54.3% |
| 4位 | 武蔵野市 | 1.53倍 | 火山灰台地 | 49.5% |
| 5位 | 西東京市 | 1.52倍 | 火山灰台地 | 48.1% |
| 6位 | 小金井市 | 1.5倍 | 火山灰台地 | 47.8% |
| 7位 | 三鷹市 | 1.46倍 | 火山灰台地 | 46.9% |
| 8位 | 伊豆大島町 | 1.45倍 | 火山灰台地 | 47.4% |
| 9位 | 小平市 | 1.42倍 | 火山灰台地 | 42.7% |
| 10位 | 八丈町 | 1.4倍 | 火山山麓地 | 10.5% |
多摩地域は武蔵野台地と多摩丘陵が中心で、増幅率は1.3〜1.6倍と23区の下町低地より明らかに小さく、山地の奥多摩町(0.71倍)・檜原村(0.64倍)は都内で最も揺れにくい地盤です。市部で高めなのは清瀬・武蔵野・西東京・小金井など台地の縁にあたる市で、それでも23区の台地の区と同程度。島しょ部では小笠原村(1.75倍)が海岸低地のため高く出ています。
地盤が弱い区で家を選ぶときのポイント
- 1981年(新耐震)・2000年(現行基準)以降の建物か:地盤が軟らかい場所ほど建物の耐震性が効きます。地震保険も新耐震で10%割引
- 液状化のリスク:下町低地と湾岸の埋立地は液状化の想定区域。東京都の「液状化予測図」で確認を(液状化しやすい地域とは?)
- マンションは杭の長さ:低地では支持層まで30〜60mの杭を打つ。杭が支持層に届いていれば揺れは地盤の値より小さくなる
- 水害とセットで見る:揺れやすい低地は水害リスクも高い。水害リスクデータベースと重ねて確認
東京23区の各区ページでは、震度別の回数、年代別の推移、都内・全国順位を確認できます。全国の揺れやすい地盤ランキングは揺れやすい地盤ランキング 全国1,756市区町村、地震保険料の県別比較は地震保険料が高い県・安い県ランキングをどうぞ。
都道府県で見る東京の地震リスク|確率・地盤・回数・保険料
23区の比較に加えて、東京都全体が47都道府県の中でどの位置にあるかを確認します。区の表は見出しをクリックすると並べ替えられます。
表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):東京は23位
| 順位 | 都道府県 | 表層地盤増幅率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 石川県 | 1.60倍 | 68.6 |
| 2位 | 千葉県 | 1.55倍 | 65.2 |
| 3位 | 茨城県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 4位 | 埼玉県 | 1.54倍 | 64.5 |
| 5位 | 新潟県 | 1.53倍 | 63.8 |
| 6位 | 山口県 | 1.51倍 | 62.4 |
| 7位 | 香川県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 8位 | 佐賀県 | 1.50倍 | 61.8 |
| 9位 | 富山県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 10位 | 福井県 | 1.45倍 | 58.4 |
| 23位 | 東京都 | 1.36倍 | 52.2 |
東京都は23位(1.36倍、偏差値52.2)。1位は石川県(1.60倍)、47位は長野県(0.97倍)、全国平均は1.33倍です。比較:神奈川15位・千葉2位・埼玉4位・大阪17位。詳しくは揺れやすい地盤ランキングをご覧ください。
30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:東京は13位
| 順位 | 都道府県 | 30年以内に震度6弱以上の確率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 高知県 | 77.7% | 69.9 |
| 2位 | 徳島県 | 77.5% | 69.8 |
| 3位 | 香川県 | 73.6% | 68.2 |
| 4位 | 和歌山県 | 73.1% | 68.0 |
| 5位 | 静岡県 | 72.8% | 67.9 |
| 6位 | 千葉県 | 71.2% | 67.3 |
| 7位 | 埼玉県 | 62.4% | 63.7 |
| 8位 | 岐阜県 | 61.9% | 63.5 |
| 9位 | 大分県 | 57.4% | 61.6 |
| 10位 | 三重県 | 48.9% | 58.2 |
| 13位 | 東京都 | 47.4% | 57.6 |
東京都は13位(47.4%、偏差値57.6)。1位は高知県(77.7%)、47位は北海道(2.3%)、全国平均は28.8%です。比較:神奈川16位・千葉6位・埼玉7位・大阪19位。詳しくは今後30年以内に震度6弱以上の地震が起きる確率ランキングをご覧ください。
有感地震の年間回数の多さ:東京は2位
| 順位 | 都道府県 | 有感地震の年間回数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 長野県 | 650回 | 107.1 |
| 2位 | 東京都 | 286回 | 71.4 |
| 3位 | 茨城県 | 182回 | 61.2 |
| 4位 | 北海道 | 153回 | 58.3 |
| 5位 | 福島県 | 139回 | 57.0 |
| 6位 | 岩手県 | 132回 | 56.3 |
| 7位 | 宮城県 | 118回 | 54.9 |
| 8位 | 鹿児島県 | 114回 | 54.5 |
| 9位 | 栃木県 | 114回 | 54.5 |
| 10位 | 千葉県 | 95回 | 52.6 |
東京都は2位(286回、偏差値71.4)。1位は長野県(650回)、47位は佐賀県(8回)、全国平均は68回です。比較:神奈川17位・千葉10位・埼玉16位・大阪42位。東京は全国2位。首都直下の想定域に加え、伊豆諸島や関東の地震が広く体感されるためです。詳しくは地震が多い都道府県・市町村ランキングをご覧ください。
地震保険料の高さ:東京は2位
| 順位 | 都道府県 | 地震保険料 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 千葉県 | 27,500円 | 73.8 |
| 2位 | 東京都 | 27,500円 | 73.8 |
| 3位 | 神奈川県 | 27,500円 | 73.8 |
| 4位 | 静岡県 | 27,500円 | 73.8 |
| 5位 | 埼玉県 | 26,500円 | 72.3 |
| 6位 | 茨城県 | 23,000円 | 67.1 |
| 7位 | 徳島県 | 23,000円 | 67.1 |
| 8位 | 高知県 | 23,000円 | 67.1 |
| 9位 | 宮城県 | 11,600円 | 50.2 |
| 10位 | 福島県 | 11,600円 | 50.2 |
東京都は2位(27,500円、偏差値73.8)。1位は千葉県(27,500円)、47位は鹿児島県(7,300円)、全国平均は11,436円です。比較:神奈川3位・千葉1位・埼玉5位・大阪14位。詳しくは地震保険料ランキングをご覧ください。
東京都内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10
東京都の62市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 30年確率(6弱以上) |
|---|---|---|
| 1 | 江戸川区 | 89.5% |
| 2 | 足立区 | 83.8% |
| 3 | 江東区 | 81.5% |
| 4 | 荒川区 | 80.4% |
| 5 | 葛飾区 | 77.1% |
| 6 | 文京区 | 64.7% |
| 7 | 大田区 | 63.7% |
| 8 | 北区 | 63.2% |
| 9 | 杉並区 | 60.9% |
| 10 | 墨田区 | 57.0% |
地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村
| 順位 | 市区町村 | 表層地盤増幅率 |
|---|---|---|
| 1 | 江戸川区 | 2.52倍 |
| 2 | 足立区 | 2.34倍 |
| 3 | 荒川区 | 2.20倍 |
| 4 | 江東区 | 2.18倍 |
| 5 | 葛飾区 | 2.07倍 |
| 6 | 北区 | 1.78倍 |
| 7 | 文京区 | 1.78倍 |
| 8 | 小笠原村 | 1.75倍 |
| 9 | 杉並区 | 1.73倍 |
| 10 | 大田区 | 1.70倍 |
有感地震の回数が多い市区町村
| 順位 | 市区町村 | 年平均有感地震回数 |
|---|---|---|
| 1 | 三宅村 | 374.3回 |
| 2 | 神津島村 | 305.1回 |
| 3 | 新島村 | 253.2回 |
| 4 | 千代田区 | 78.0回 |
| 5 | 江戸川区 | 62.6回 |
| 6 | 足立区 | 59.5回 |
| 7 | 江東区 | 51.0回 |
| 8 | 荒川区 | 50.1回 |
| 9 | 町田市 | 50.0回 |
| 10 | 北区 | 50.0回 |
過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは5市区町村(八丈町=6弱、三宅村=6弱、新島村=6弱、神津島村=6弱、千代田区=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。
水害・台風の備えは保険の見直しから
地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 23区で最も地盤が良いのはどこ?
武蔵野台地の上にある西部の区(練馬・杉並・世田谷・中野など)は増幅率が小さく、東部の低地(江戸川・葛飾・江東・墨田)は大きくなります。ただし同じ区でも谷や埋立地では値が変わるため、住所単位で確認してください。
Q. 首都直下地震で23区はどうなる?
都心南部直下地震(M7.3)の想定では区部の大部分が震度6強、東部低地の一部で震度7。全壊・焼失は約19万棟、死者約6,100人(東京都2022年想定)です。
Q. 液状化しやすい区は?
江東・江戸川・葛飾・墨田・大田(臨海部)など、荒川・江戸川沿いの低地と埋立地です。液状化しやすい地域とは?と東京都の液状化予測図で確認できます。
Q. 多摩地域は安全?
立川断層帯があり、確率は区部より低いものの、断層に近い立川・武蔵村山周辺は直下型のリスクがあります。市町村別の値は本文の多摩の表をご覧ください。
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- ハザードマップの見方
- 地震保険料ランキング
- 30年以内に震度6弱以上の確率ランキング
- 最も揺れやすいのは江戸川区(増幅率2.52倍・全国4位)、足立・荒川・江東・葛飾と下町低地が上位
- 最も揺れにくいのは港区(1.38倍)。世田谷・中野・練馬・豊島など武蔵野台地の区が下位
- 揺れやすさの差は約1.8倍=震度1階級分。千代田・文京・北区は台地でも「谷底低地」で高め
- 30年以内に震度6弱以上の確率は下町で8割前後、台地でも44〜55%。低い区はない
- 低地では新耐震・液状化・杭の長さ・水害を合わせて確認
出典:気象庁 震度データベース(1919年1月〜)、防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、役所付近の250mメッシュ値)、東京都「東京の液状化予測図」。当サイトは独自の地震予測を行っていません。偏差値・順位は当サイトの地震リスクデータベース(1,756市区町村)から集計しています。
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