「日本でいちばん空が晴れわたる街はどこ?」――雲ひとつない青空、いわゆる「快晴」の日数にも、実は都道府県ではっきりした序列があります。
今回は快晴日数(日平均雲量1.5未満の日の数)の平年値(1991〜2020年)を使って、47都道府県と、快晴日数の統計がある全国の気象官署126地点の両方でランキングにしました。
比較しやすいように偏差値つき。「年間」だけでなく「1月〜12月の月別」にも切り替えられます。
結果は「晴れの国・岡山を大きく上回る意外な1位」「南国・沖縄がまさかの最下位」など、天気のイメージがひっくり返る発見だらけでしたよ。

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快晴日数とは?「晴れ」と「快晴」の違い
快晴日数とは、1日の平均雲量が1.5未満だった日の数のことです。雲量とは空全体を10としたとき雲が覆う割合のことで、天気の区分では雲量1以下が「快晴」、2〜8が「晴れ」とされます。つまり快晴日数は、一日を通してほとんど雲がなかった「極上の晴れの日」だけを数えた統計です。
ポイントは、雲量が気象台などの気象官署における目視観測だということ。全国に約1,300あるアメダスは気温や降水量などの自動観測装置なので、雲量(快晴日数)は観測していません。そのため地点別ランキングは、快晴日数の統計がある気象官署(気象台・旧測候所など)126地点を対象にしています。
また、気象庁では目視観測の自動化により雲量の観測を終了しており、快晴日数の平年値は「参考値」という扱いです。裏を返せば、この1991〜2020年平年値は今後更新されることのない、目視観測時代の貴重な記録ということ。数値はすべて気象庁「過去の気象データ検索」の公表値を使用しています。
【ツール】快晴日数が多い都道府県ランキング(年間・月別)
まずは47都道府県のランキングです。各都道府県の代表観測地点(原則として県庁所在地の気象台。埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根)の平年値で比較しています。ボタンで「年間」と「1月〜12月」を切り替えてみてください。冬と夏で景色が全然違いますよ。
都道府県別ランキングの考察|日本一は埼玉県(熊谷)の57.3日
| 順位 | 都道府県(観測地点) | 年間快晴日数 |
|---|---|---|
| 1位 | 埼玉県(熊谷) | 57.3日 |
| 2位 | 宮崎県(宮崎) | 52.0日 |
| 3位 | 千葉県(千葉) | 50.7日 |
| 4位 | 静岡県(静岡) | 50.5日 |
| 5位 | 茨城県(水戸) | 40.9日 |
| 6位 | 山梨県(甲府) | 40.4日 |
| 7位 | 佐賀県(佐賀) | 39.6日 |
| 8位 | 高知県(高知) | 39.0日 |
| 9位 | 群馬県(前橋) | 38.3日 |
| 10位 | 東京都(東京) | 37.6日 |
年間1位は埼玉県(熊谷)の57.3日。2位に宮崎県(宮崎)52.0日、3位に千葉県(千葉)50.7日、4位に静岡県(静岡)50.5日が続きます。「晴れの国」を名乗る岡山県(33.2日)を大きく引き離して、関東勢と太平洋岸の県が上位を独占しました。
カギは冬です。ツールを12月や1月に切り替えてみてください。熊谷は12月11.7日・1月11.6日と、月の3分の1以上が快晴。冬型の気圧配置になると、日本海側で雪を降らせて乾いた空気が山を越えて吹き下りるため、関東平野や東海・宮崎では雲のない晴天が続くわけです。
一方で最下位は、意外にも沖縄県(那覇)の7.9日。亜熱帯の暖かい海に囲まれた沖縄では一年中雲が湧きやすく、「晴れ」の日は多くても、まる一日雲がほとんどない「快晴」となると滅多にないんです。46位以下も盛岡10.6日、秋田10.7日、山形11.0日、新潟11.2日と、冬に雪雲がかかる北日本・日本海側が並びます。
6月に切り替えると、梅雨入りした本州はどこも0〜1日前後まで激減。快晴は「冬の太平洋側の特産品」だということがよくわかります。
【ツール】観測地点別 快晴日数ランキング(全国126地点)
続いて、快晴日数の平年値がある気象官署126地点すべてのランキングです。検索ボックスにお住まいの地域や気になる地点名を入れてみてください。こちらも月別に切り替えられます。
※むつ・新庄・白河・諏訪・日光・秩父・小樽・伏木・四日市・人吉・延岡など一部の官署は、快晴日数の平年値が公表されていないため対象外です。また旧測候所(多度津・呉・牛深・石廊崎など)は観測終了までの資料に基づく参考値のため、比較の際はご留意ください。
観測地点別ランキングの考察|1位は富士山麓の河口湖62.3日
| 順位 | 地点(都道府県) | 年間快晴日数 |
|---|---|---|
| 1位 | 河口湖(山梨県) | 62.3日 |
| 2位 | つくば(茨城県) | 60.0日 |
| 3位 | 石廊崎(静岡県) | 59.9日 |
| 4位 | 熊谷(埼玉県) | 57.3日 |
| 5位 | 浜松(静岡県) | 57.0日 |
| 6位 | 宮崎(宮崎県) | 52.0日 |
| 7位 | 三島(静岡県) | 51.5日 |
| 8位 | 千葉(千葉県) | 50.7日 |
| 9位 | 多度津(香川県) | 50.6日 |
| 10位 | 静岡(静岡県) | 50.5日 |
地点別の1位は山梨県の河口湖で62.3日。1月は12.7日と、なんと月の4割が快晴です。富士山麓の高原は冬の乾いた晴天に恵まれ、雲が湧きやすい夏を差し引いても全国トップに立ちました。富士山の絶景写真が冬に多いのには、ちゃんと統計的な裏付けがあるんですね。
2位はつくば(茨城県)60.0日、3位は伊豆半島先端の石廊崎(静岡県)59.9日。以下、熊谷・浜松・宮崎・三島と、関東内陸〜東海〜南九州の「冬晴れベルト」がずらり並びます。
北海道では、釧路37.6日・帯広35.1日と道東の2地点が別格。冬の道東は雪雲が日高山脈などにさえぎられるため、「十勝晴れ」と呼ばれる乾いた快晴が続きます。釧路の12月は8.0日と、実は熊谷や河口湖に匹敵する冬晴れ地帯なんです。
少ないほうの1位は石垣島の5.0日。宮古島6.1日、名瀬・与那国島6.6日と、沖縄・奄美の島々が続きます。冬の日本海側と違って「曇りや雨ばかり」というわけではなく、常に雲が浮かんでいるゆえの結果というのが面白いところです。
なぜ冬の太平洋側は快晴が多い?
冬の日本列島は、大陸からの冷たい季節風が日本海で水蒸気を吸い上げ、日本海側に雪雲となって押し寄せます。このとき雪と一緒に水分を落とした空気は、山脈を越えると乾いたからっ風となって太平洋側に吹き下ります。雲の材料となる水蒸気が少ないので、抜けるような青空が広がるわけです。
同じ理屈で、山に囲まれた内陸の熊谷・甲府・河口湖や、季節風の風下にあたる宮崎・高知などの太平洋岸で快晴日数が伸びます。夏はどうかというと、強い日差しで積雲が湧いたり夕立が来たりするため、実は全国どこでも快晴はごくわずか。「快晴の主戦場は冬」なんです。
逆に沖縄は、周囲の暖かい海から常に水蒸気が供給されるため雲が絶えず、快晴日数では全国最下位。「晴れの多さ」と「快晴の多さ」は別物、というのがこのランキングの一番の教訓かもしれません。
月別にみる快晴日数1位の移り変わり
| 月 | 都道府県1位 | 観測地点1位 |
|---|---|---|
| 1月 | 埼玉県(熊谷)11.6日 | 河口湖(山梨県)12.7日 |
| 2月 | 埼玉県(熊谷)7.3日 | 河口湖(山梨県)9.0日 |
| 3月 | 埼玉県(熊谷)5.6日 | 熊谷(埼玉県)5.6日 |
| 4月 | 岐阜県(岐阜)4.6日 | 多度津(香川県)5.7日 |
| 5月 | 山口県(山口)4.0日 | 萩(山口県)5.5日 |
| 6月 | 北海道(札幌)1.7日 | 羽幌(北海道)3.1日 |
| 7月 | 宮崎県(宮崎)1.9日 | 屋久島(鹿児島県)4.4日 |
| 8月 | 石川県(金沢)2.2日 | 多度津(香川県)5.1日 |
| 9月 | 長崎県(長崎)3.8日 | 牛深(熊本県)5.0日 |
| 10月 | 佐賀県(佐賀)6.1日 | 牛深(熊本県)7.2日 |
| 11月 | 埼玉県(熊谷)7.0日 | 都城(宮崎県)8.4日 |
| 12月 | 埼玉県(熊谷)11.7日 | 熊谷(埼玉県)11.7日 |
10月〜5月は河口湖・熊谷・つくばなど関東甲信勢がほぼ独占。梅雨と夏(6〜9月)だけは快晴自体が全国的に激減し、海霧や雲の影響が小さい島や岬、道東などが相対的に顔を出します。1年のうち快晴を楽しめる季節がいかに冬に偏っているかがよくわかりますね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 快晴日数が日本一多い都道府県は?
A. 平年値(1991〜2020年)の年間快晴日数では埼玉県(熊谷)の57.3日が日本一です。観測地点別では山梨県の河口湖が62.3日で全国1位です。
Q2. 快晴日数が最も少ない都道府県は?
A. 沖縄県(那覇)の7.9日が最少です。地点別では石垣島の5.0日が全国最少。亜熱帯の海に囲まれて雲が湧きやすく、「晴れ」は多くても雲量1.5未満の「快晴」は稀だからです。
Q3. 「晴れの国」岡山は何位?
A. 岡山県(岡山)は33.2日で47都道府県中13位です。「晴れの国」の看板は降水量1mm未満の日数などに基づくもので、雲ひとつない「快晴」の日数では関東勢や宮崎に軍配が上がります。
Q4. アメダスでは快晴を観測していないの?
A. していません。雲量は気象台などの気象官署による目視観測で、アメダスの観測項目は気温・降水量・風・湿度などです。しかも目視観測の自動化により雲量の統計は終了しており、快晴日数の平年値は今後更新されない「参考値」です。本記事はその公表値をもとに、統計がある官署126地点でランキングを作成しています。
まとめ|快晴日数ランキング
- 年間の快晴日数1位は埼玉県(熊谷)57.3日。宮崎・千葉・静岡と冬晴れの太平洋側が上位を独占
- 観測地点別の1位は河口湖の62.3日。1月は12.7日と月の4割が快晴
- 意外な最下位は沖縄県(那覇)7.9日。地点別最少は石垣島5.0日。「晴れ」と「快晴」は別物
- 快晴の主戦場は冬。冬型の気圧配置の乾いたからっ風が関東・東海・宮崎に青空をもたらす
- 快晴日数は雲量の目視観測に基づく統計で、アメダスでは非観測。自動化により今後更新されない貴重な記録
お住まいの県は何位でしたか?月別に切り替えると「青空のベストシーズン」がひと目でわかるので、写真撮影や洗濯物の計画にもぜひ役立ててみてください。
データ出典・参考資料
本記事のランキングは、以下の公的データをもとに独自集計しています。
- 気象庁「過去の気象データ検索」:各観測地点の平年値(年・月ごとの値・詳細)1991〜2020年の雲量「1.5未満の日数(快晴日数)」を使用
- 気象庁「平年値ダウンロード」:平年値(2020年平年値)の作成方法・統計項目の解説
- 気象庁「天気予報等で用いる用語」:快晴・晴れ・雲量の定義について
- WMO(世界気象機関)International Cloud Atlas:雲量観測に関する国際的な基準の参考資料
※快晴日数の平年値は、目視観測の自動化にともない気象庁の統計上「参考値」として扱われています。一部の旧測候所は観測終了までの資料年数に基づく値です。数値は記事作成時点(2026年7月)に気象庁ホームページで公表されている値です。


