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佐賀県の気候データ
快晴は九州トップ級、夏の昼の暑さは全国トップ級。「海の九州」のなかで、いちばん内陸的な気候をもつ県です。10の指標について、全国順位・偏差値・月別データをまとめました。
この県の要点
すごしやすい月
4月・5月・10月
10月は晴れ57%・快晴6.1日で年間1位
すごしにくい月
7月・8月
梅雨末期の豪雨と全国トップ級の猛暑
強み
よく晴れて、揺れない
快晴39.6日は全国7位・地震観測は全国最少
注意
梅雨の豪雨/昼の猛暑/朝の冷え込み
地震は最少でも佐賀平野の北縁に活断層
気温
16.9℃
全国 11位
降水量
1,951mm
全国 10位
降雪量
4cm
全国 30位
日照時間
1,971時間
全国 22位
晴れの出現率
44.4%
全国 26位
湿度
70%
全国 17位
01月別データ ── いつ行くのがよいか
まずは結論から。12ヶ月を1枚にまとめました。旅行や引っ越しの時期選びなら、これだけで判断できます。
1月△ 寒く朝冷える
10.1 / 1.8 ℃
快晴は冬も多いが、朝は0℃近くまで冷える
2月△ 寒暖差が大
11.8 / 2.6 ℃
三寒四温。朝晩の冷え込みはまだ真冬なみ
3月○ 良好
15.2 / 5.7 ℃
春本番へ。日差しは月160時間台に回復
4月◎ ベスト
20.7 / 10.2 ℃
昼は20℃超え。快晴が多く外出に最適
5月◎ ベスト
25.6 / 15.2 ℃
快適。ただし紫外線はもう真夏級
6月△ 梅雨・大雨
28.0 / 19.9 ℃
梅雨入り。月327mmの雨とむし暑さ
7月✕ 豪雨・猛暑
31.6 / 24.0 ℃
梅雨末期の豪雨367mm。大雨の警戒月
8月✕ 猛暑・熱帯夜
32.9 / 24.6 ℃
昼33℃前後。猛暑日の多さは全国トップ級
9月△ 台風・残暑
29.4 / 20.7 ℃
台風接近のピーク。残暑も長い
10月◎ ベスト
24.3 / 14.7 ℃
晴れ57%・快晴6.1日は年間1位の行楽月
11月○ 良好
18.2 / 8.9 ℃
穏やかな晩秋。快晴5.6日で紅葉日和
12月△ 冷え込み・冬型
12.4 / 3.6 ℃
冬型が始まる。朝の放射冷却に注意
気温は「最高 / 最低(℃)」の平年値。左の色は過ごしやすさ(緑=ベスト/橙=注意/赤=厳しい)。
| 月 | 過ごしやすさ | 平均気温最高 / 最低 ℃ | 晴れ率% | 降水量mm | 降雪量cm | 日照時間時間 | 湿度% | 風速m/s | 紫外線UV指数 | 台風接近数 個/年 | 地震107年分の合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | △ 寒く朝冷える | 10.1 / 1.8 | 38 | 54 | 2 | 128 | 69 | 3.0 | 1.9 | - | 50 |
| 2月 | △ 寒暖差が大 | 11.8 / 2.6 | 41 | 78 | 1 | 140 | 67 | 3.1 | 2.8 | - | 28 |
| 3月 | ○ 良好 | 15.2 / 5.7 | 45 | 121 | 0 | 169 | 65 | 3.4 | 3.8 | - | 130 |
| 4月 | ◎ ベスト | 20.7 / 10.2 | 46 | 162 | - | 187 | 65 | 3.3 | 4.8 | 0.0 | 217 |
| 5月 | ◎ ベスト | 25.6 / 15.2 | 43 | 183 | - | 197 | 66 | 3.0 | 5.5 | 0.1 | 66 |
| 6月 | △ 梅雨・大雨 | 28.0 / 19.9 | 29 | 327 | - | 131 | 74 | 3.2 | 5.2 | 0.3 | 45 |
| 7月 | ✕ 豪雨・猛暑 | 31.6 / 24.0 | 39 | 367 | - | 165 | 76 | 3.4 | 6.6 | 0.8 | 50 |
| 8月 | ✕ 猛暑・熱帯夜 | 32.9 / 24.6 | 52 | 252 | - | 200 | 73 | 3.3 | 6.9 | 1.1 | 44 |
| 9月 | △ 台風・残暑 | 29.4 / 20.7 | 47 | 169 | - | 174 | 72 | 3.3 | 5.3 | 1.1 | 41 |
| 10月 | ◎ ベスト | 24.3 / 14.7 | 57 | 90 | - | 188 | 68 | 3.2 | 3.9 | 0.4 | 29 |
| 11月 | ○ 良好 | 18.2 / 8.9 | 52 | 89 | - | 153 | 70 | 2.8 | 2.5 | - | 41 |
| 12月 | △ 冷え込み・冬型 | 12.4 / 3.6 | 43 | 60 | 1 | 138 | 70 | 2.8 | 1.9 | - | 67 |
色の濃さ=数値の大きさ。気温だけ青=寒い/赤=暑いで塗り分けています。月の列は固定されるので、横にスクロールしても何月か分かります。地震の列に色を付けていない理由は、いちばん下の「出典・集計方法」に書きました。
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佐賀県の月別気候データ(平均気温・晴れ率・降水量・降雪量・日照時間・
湿度・風速・紫外線・台風接近数・地震観測回数)
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「佐賀県の気候データ」
気象庁 平年値(1991〜2020年)ほか
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2026年7月 取得
晴れ率(月別・単位 %)。最大の月を強調しています。
最高気温(月別・単位 ℃)。最大の月を強調しています。
降水量(月別・単位 mm)。最大の月を強調しています。
日照時間(月別・単位 時間)。最大の月を強調しています。
湿度(月別・単位 %)。最大の月を強調しています。
紫外線(月別・単位 UV)。最大の月を強調しています。
0210指標のかたち
「暑いのか寒いのか」「雨が多いのか少ないのか」は、単体の数字を見てもピンときません。全国47都道府県の平均を偏差値50として、10指標を1枚のチャートにまとめました。外側に張り出しているほど「多い・強い・高い」、内側にへこんでいるほど「少ない・弱い・低い」です。気温・降水・紫外線・台風がそろって外に張り出し、地震だけが極端に深くへこんだ形をしています。
中央の太い十角形が偏差値50(=全国平均)、いちばん外の枠が偏差値70です。地震だけは値が一部の県に極端に偏るため、対数をとってから偏差値化しています。
正確な数値と順位、それぞれのランキングページへの入口は下の表にまとめました。「佐賀県のことが知りたい」人はこのページで完結し、「他県と比べたい」人はランキングへ進めます。
| 指標 | 値 | 偏差値 | 全国順位 | 九州内順位 | 全国の中での位置 | ランキング |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 🌡️ 気温(年平均気温) | 16.9℃ | 56 | 11位/ 47位中 | 7位/ 8位中 | 平均気温ランキング → | |
| 🌧️ 降水量(年間降水量) | 1,951mm | 57 | 10位/ 47位中 | 5位/ 8位中 | 降水量ランキング → | |
| ⛄ 降雪量(年間降雪量(深さ合計)) | 4cm | 44 | 30位/ 47位中 | 1位/ 8位中 | 降雪量ランキング → | |
| 🌞 日照時間(年間日照時間) | 1,971時間 | 53 | 22位/ 47位中 | 4位/ 8位中 | 日照時間ランキング → | |
| 🌤️ 晴れの出現率(晴れの日の割合(58年集計)) | 44.4% | 53 | 26位/ 47位中 | 6位/ 8位中 | 晴れの出現率ランキング → | |
| 💧 湿度(年平均湿度) | 70% | 52 | 17位/ 47位中 | 4位/ 8位中 | 湿度ランキング → | |
| 🧴 紫外線(UV指数の年平均(推定値)) | 4.26 | 56 | 11位/ 47位中 | 7位/ 8位中 | 紫外線ランキング → | |
| 🍃 風速(年平均風速) | 3.1m/s | 52 | 17位/ 47位中 | 4位/ 8位中 | 平均風速ランキング → | |
| 🌀 台風(接近数(年平均)) | 3.8個/年 | 56 | 4位/ 47位中 | 4位/ 8位中 | 台風の接近数ランキング → | |
| 🌏 地震(震度1以上の回数(年平均)) | 7.6回/年 | 34 | 47位/ 47位中 | 8位/ 8位中 | 地震観測回数ランキング → |
この数値を引用する・CSVで保存する
佐賀県の年平均気温は16.9℃(11位)、年間降水量1,951mm(10位)、
年間日照時間1,971時間(22位)、晴れの出現率44.4%(26位)。
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「佐賀県の気候データ」
気象庁 平年値(1991〜2020年)/佐賀地方気象台/
気象庁 震度データベース/防災科研 J-SHIS 2024年版/
当サイト58年独自集計(天気出現率)
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2026年7月 取得
0310の指標を、1つずつ読む
ここからは10の指標を1つずつ取り上げて、佐賀県がなぜその数字になるのかを気象予報士の視点で解説します。数字そのものは上の表とチャートに出ていますので、ここでは「その数字を生んでいる仕組み」と「数字だけ見ていると誤解すること」を中心に書きます。
気温 ── 全国11位、「暖かい九州」でいちばん内陸的な寒暖差
年平均気温16.9℃は全国11位、偏差値56。全国的には十分「暖かい県」ですが、九州8県のなかでは7番目で、福岡17.3℃との差はわずか0.4℃。ところが、この小さな差のなかに「海の気候」と「内陸の気候」の違いがまるごと詰まっています。
佐賀の代表観測点(佐賀市)は、玄界灘から脊振山地をひとつ隔てた佐賀平野の内陸にあります。福岡のように対馬暖流の暖かい海が冬の季節風をやわらげてくれる立地ではなく、晴れた夜は平野の上で放射冷却が効きます。その結果、1月の平均最低気温は1.8℃。福岡(3.9℃)より2℃低く、冬日(最低0℃未満)は年19.6日と福岡(2.5日)の約8倍です。年平均気温を押し下げているのは、主にこの冬の朝の冷え込みです。
一方、夏は逆向きに振れます。8月の平均最高気温は32.9℃で福岡(32.5℃)より高く、猛暑日(最高35℃以上)は年26.2日・全国11位。昼の暑さは全国トップ級です。海風が届きにくい平野の内陸で、日中に気温が上がりやすいためです。そのかわり夜は放射で熱が逃げ、熱帯夜は27.1日・全国15位と福岡(38.7日・6位)よりはっきり少なくなります。「昼は暑く、夜はいくらか楽」——同じ九州北部でも、海の福岡と平野の佐賀で、夏の性格は正反対です。
| 夏と冬の「極値」 | 佐賀県の値 | 全国順位 | くわしく |
|---|---|---|---|
| 猛暑日(最高35℃以上) | 26.2日 / 年 | 11位 / 47位中 | 猛暑日ランキング → |
| 熱帯夜(最低25℃以上) | 27.1日 / 年 | 15位 / 47位中 | 熱帯夜ランキング → |
| 冬日(最低0℃未満) | 19.6日 / 年・真冬日は0日 | 26位 / 47位中 | 冬日・真冬日ランキング → |
この3行が、年平均16.9℃という数字の中身です。夏の極値は「昼型」(猛暑日11位・熱帯夜15位)、冬の極値は九州とは思えない水準(冬日は年19.6日で福岡の約8倍。ただし真冬日は0日)。佐賀の気温は南北ではなく「昼と朝」の縦の振れ幅で読むのが正しく、夏は日中の熱中症対策、冬は朝の冷え込みと路面凍結対策——時間帯で備えを変えるのが、この県の正解です。
降水量 ── 全国10位、梅雨の2ヶ月に年間の3分の1が集中する
年間降水量1,951mmは全国10位、偏差値57。福岡(1,687mm・20位)より年間260mm以上多く、はっきり「雨の多い県」の側です。月別に分解すると性格が出ます。6月327mm・7月367mm——この2ヶ月だけで694mm、年間の3分の1以上が梅雨に降ります。逆に12月〜2月は月54〜78mm程度しかありません。合計の順位より、この集中の形を覚えてください。
そして梅雨末期、東シナ海からの水蒸気の通り道にあたる九州北部は、線状降水帯が発生しやすい地域です。2019年8月の佐賀豪雨では武雄市・大町町を中心に大規模な浸水が起き、2021年8月にも記録的な大雨が繰り返されました。有明海沿岸の低平地は水がはけにくく、同じ雨量でも浸水につながりやすい地形です。また県内でも雨量差は大きく、脊振山地側の北山(佐賀市)は年2,577mmと、佐賀市街(1,951mm)の1.3倍降ります。「どこに住むか・どこで働くか」で、雨のリスクはかなり変わる県です。
もうひとつ、雨の量では見えない指標が雷です。佐賀県の年間雷日数は23.1日で全国13位。特に8月は月6.9日と、ひと夏は3〜4日に1回どこかで雷が鳴る計算です。強い日射で積乱雲が発達しやすい内陸平野の性格が、ここにも表れています。屋外作業や電子機器の避雷を考えるなら、降水量の順位ではなく雷日数を見てください。
降雪量 ── 年間4cmで「九州では多い側」という意外な事実
年間降雪量は4cm、全国30位。数字の上では「雪はほとんど降らない県」です。ところが九州8県で並べると長崎と並んで最多タイ——九州のなかでは「雪が積もる側」の県というのが佐賀の立ち位置です。降雪量が少ないことと、雪で生活が止まらないことは別の話で、それはこの県にもそのまま当てはまります。
佐賀に雪を降らせるのも、日本海をわたってくる筋状の雲です。強い寒気の吹き出しで対馬海峡にできた雪雲の列が、脊振山地を越えて平野へ流れ込みます。平年値の4cm(1月2cm・2月1cm・12月1cm)は年単位でならした値で、実際には「まったく積もらない年」と「数年に一度、平野でも一気に積もる年」の平均です。雪が舞う日そのものは珍しくなく、雪日数の出現率は2.8%(全国22位)と、九州では毎年きちんと雪を見る県です。
注意すべきは道路です。平野の夜は放射冷却で路面温度が下がるため、わずかな積雪や雨上がりの冷え込みでも凍結が起きます。2016年1月の記録的寒波では九州一円で水道管の凍結破裂が相次ぎ、佐賀県内でも交通と生活が大きく乱れました。年に数日しか降らない地域ほど除雪体制も冬タイヤの備えも薄く、同じ数cmの雪でも生活への打撃は雪国より大きくなります。降雪量の順位が下位の県ほど、雪への耐性は低い——この逆説は、雪の指標を読むときに必ず頭に置いてください。
日照時間 ── 全国22位、冬に福岡ほど曇らないのが佐賀
年間日照時間1,971時間は全国22位、九州・沖縄8県では4位です。福岡(1,889時間・28位)より年80時間ほど長く、「内陸の佐賀のほうが、海に開けた福岡より日が差す」——ここに佐賀の空の性格が出ています。
答えは冬にあります。1月の日照は128時間で、福岡の104時間より2割以上長い。冬型の気圧配置のとき、対馬海峡で発生した雲の多くは脊振山地にぶつかって山の北側で雨や雪を落とし、山を越えた佐賀平野には乾いた空気が下りてきます。福岡が「日本海側の顔」で曇っているあいだ、佐賀は山かげでいくらか晴れる。冬の快晴が多いのはこのためです。
いちばん長いのは8月の200時間、最も短いのは梅雨の6月131時間で、佐賀の日照の谷は冬ではなく梅雨にあります。10月188時間・11月153時間と秋も安定して晴れ、快晴日数は年39.6日・全国7位。「梅雨だけ暗く、あとはよく晴れる」という形で覚えるのが実態に近い県です。次の指標で、その晴れ方の中身を見ます。
天気出現率 ── 月別の晴れ・曇り・雨・雪
日照時間は「太陽が何時間出ていたか」の合計であって、「晴れの日が何日あったか」ではありません。旅行の日程を決めるときに知りたいのは、たいてい後者のほうです。そこで、その月にどの天気が何割の日に出たかを帯グラフにしました。帯の幅がそのまま出現率(%)です。
帯の幅がそのまま出現率(%)。 晴 くもり 雨 雪
この形にすると、佐賀の空の性格が見えます。冬でも晴れの帯は4割前後あり、福岡の冬(晴れ3割)よりはっきり明るい。1月は雪の帯が13%——7〜8日に1日はどこかで雪が舞う一方、晴れも38%あるのが佐賀の冬です。年間で最も天気が安定するのは10月で、晴れ57%は年間1位。快晴日数も月6.1日と最多で、行楽はここが本命です。
6月と7月は雨の帯が4割近くまで膨らみます。梅雨の期間そのものは他県と変わりませんが、1日に降る量が多いのが九州北部で、②で見た「梅雨に集中して降る」形がここにも出ています。この帯グラフは気象庁の平年値(30年)ではなく、1968年から2025年までの58年分の観測を独自集計した値です。期間が長いぶん、その土地の天気のクセがよく出ます。年間の晴れ率44%・全国26位という1つの数字だけでは、この性質は読み取れません。
4つの天気それぞれで全国順位を出すと、佐賀の性格がもっとはっきりします。晴れは全国26位(44.4%)、くもりは12位(27.2%)、雨は22位(25.7%)、雪は22位(2.8%)。ここまではやや上位の平均圏です。ところが快晴日数は39.6日で全国7位(偏差値60.2)と、頭ひとつ抜けます。佐賀の空を最もよく言い表しているのは「晴れる日は、スカッと晴れる」です。うすぐもりが多い福岡(快晴24位)と対照的で、内陸で空気が乾きやすい平野の空です。洗濯物や日当たり、星空を気にする人には、順位以上に働いてくれる1点です。
4つの天気それぞれの全国ランキング(かっこ内は佐賀県の順位)
☀️ 晴れの出現率ランキング(26位)→ ☁️ くもりの日が多い県ランキング(12位)→ 🌧️ 雨の日が多い県ランキング(22位)→ ❄️ 雪の日が多い県ランキング(22位)→ 🔆 快晴日数ランキング(7位)→ 📊 天気出現率まとめ(晴/曇/雨/雪)→湿度 ── 年平均70%、夏の蒸し暑さと冬の朝霧の県
年平均湿度70%は全国17位、偏差値52。福岡(68%・28位)より一段「湿った側」です。ただしこの指標も、年平均のままでは中身が見えません。
月別では、7月76%・6月74%・8月73%・9月72%。6月から9月の4ヶ月がすべて70%を超えます。気温32.9℃・湿度73%という8月の組み合わせは、体感では気温の数字以上に厳しくなります。汗が蒸発しにくく体が熱を逃がせないためで、猛暑日全国11位の昼にこの湿度が重なるのが佐賀の夏です。屋外の作業や部活動は、気温だけでなく暑さ指数(WBGT)で判断してください。
一方、冬もあまり乾きません。12月〜2月でも67〜70%と、福岡の冬(61〜63%)より湿っています。夜間の放射冷却で平野の空気が冷えると相対湿度が上がり、風の弱い晴れた朝には佐賀平野特有の朝霧が出ます。濃い霧の朝は視界が数百mまで落ちることがあり、車はライト点灯が基本です。昼には霧が晴れて快晴が戻る——冷え込み・霧・快晴はワンセット、内陸平野らしい一日の呼吸です。
紫外線 ── 全国11位、「よく晴れる県」はよく焼ける県
UVインデックスの年平均は4.26で全国11位。北緯33度台という緯度に加えて、快晴日数全国7位という「空の抜けの良さ」がそのまま効いています。同じ九州北部でも、うすぐもりの多い福岡は4.13・20位。晴れの質の差が、紫外線の差になっています。
月別で注目してほしいのは、5月にすでに5.5(「強い」の上位)へ達することです。気温はまだ25℃前後で過ごしやすいのに、紫外線は真夏に迫る水準。体感が涼しいぶん対策が抜けやすく、日焼けの相談が増えるのもこの時期です。
ピークは8月の6.9。6月は梅雨の雲でいったん5.2に下がり、梅雨明けとともに跳ね上がる形です。9月も5.3残るため、実質的な対策期間は4月から9月までの半年間。雲があっても紫外線の6〜7割は地表に届くので、曇りの日を「大丈夫な日」と考えないでください。
「何月の何時が強いのか」は、月平均だけでは分かりません。下は晴天時のUVインデックスを月と時刻の両方で並べた表です。
晴天時UVインデックス早見表(月×時刻)
結論:7月の正午〜13時が最も強く9.2。 「非常に強い」に入るのは7月と8月の11〜14時だけですが、5月・6月の正午は7.5〜7.8で「強い」に達します。 気温がまだ過ごしやすい5月の昼にも、真夏に近い紫外線が降っていることが表から読み取れます。
| 月 | 8時 | 9時 | 10時 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 | 15時 | 16時 | 17時 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 0.0 | 0.4 | 1.1 | 1.9 | 2.4 | 2.4 | 1.8 | 1.1 | 0.4 | 0.0 |
| 2月 | 0.2 | 0.7 | 1.7 | 2.7 | 3.4 | 3.5 | 2.8 | 1.8 | 0.8 | 0.2 |
| 3月 | 0.4 | 1.3 | 2.7 | 4.0 | 4.8 | 4.7 | 3.8 | 2.5 | 1.2 | 0.4 |
| 4月 | 0.9 | 2.2 | 3.9 | 5.4 | 6.2 | 6.0 | 4.9 | 3.3 | 1.7 | 0.6 |
| 5月 | 1.5 | 3.1 | 5.0 | 6.7 | 7.5 | 7.2 | 5.9 | 4.0 | 2.2 | 0.9 |
| 6月 | 1.6 | 3.3 | 5.2 | 7.0 | 7.8 | 7.6 | 6.4 | 4.5 | 2.6 | 1.1 |
| 7月 | 1.8 | 3.7 | 6.0 | 8.1 | 9.2 | 9.1 | 7.7 | 5.5 | 3.2 | 1.5 |
| 8月 | 1.4 | 3.3 | 5.6 | 7.6 | 8.7 | 8.6 | 7.1 | 4.9 | 2.7 | 1.1 |
| 9月 | 0.9 | 2.4 | 4.2 | 5.9 | 6.7 | 6.4 | 5.0 | 3.2 | 1.5 | 0.4 |
| 10月 | 0.6 | 1.6 | 3.0 | 4.2 | 4.8 | 4.4 | 3.2 | 1.8 | 0.7 | 0.1 |
| 11月 | 0.2 | 0.9 | 1.9 | 2.7 | 3.1 | 2.8 | 2.0 | 1.0 | 0.3 | 0.0 |
| 12月 | 0.1 | 0.5 | 1.2 | 1.9 | 2.3 | 2.2 | 1.6 | 0.8 | 0.2 | 0.0 |
弱い0〜2中程度3〜5強い6〜7非常に強い8〜10極端に強い11以上
色は気象庁・WHOのUVインデックス区分そのものです。枠で囲んだ数字はその月のピーク。 6時台・7時台と18時以降は、一年を通してUVインデックスが1未満のため列から省いています(対策不要の水準です)。 値は雲のない晴天時の推計で、曇りの日は6〜7割程度に下がります。晴天時の値は緯度でほぼ決まるため、佐賀・福岡など九州北部ではほぼ共通です。
風 ── 全国17位、内陸の平野にしては風の通る県
年平均風速3.1m/sは全国17位、偏差値52。内陸の平野という立地からすると意外に強めです。有明海と玄界灘のあいだに開けた低平地を季節風が通り抜けやすく、さえぎる高い山が平野の中にないためです。ただしこの指標は代表地点の置き場所に最も左右されやすいので、順位だけを一人歩きさせないでください。
県の代表値は佐賀地方気象台の観測値です。同じ県内でも、玄界灘に面した唐津や呼子の沿岸部は冬の北西季節風をまともに受け、体感はまったく違います。逆に山あいの多久や嬉野では風は弱まります。「佐賀県の風速」という1つの数字が代表できる範囲は、実はかなり狭いのです。
季節でも動きます。月別では3月と7月の3.4m/sが最も強く、11月・12月の2.8m/sが最も弱い。春は低気圧と移動性高気圧が交互に通って風が立ち、夏は有明海と平野の温度差がつくる海陸風が日課のように吹きます。そして年平均風速という指標には、台風の暴風はほとんど反映されません。佐賀の風の本当のリスクは平均値の中ではなく、次の⑨にあります。
台風 ── 接近は年3.8個で全国4位、上陸は75年でゼロ
この表で台風の指標に使っているのは「上陸数」ではなく「接近数」です。先に理由を書きます。気象庁の「上陸」は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、沖縄県は定義上どれだけ台風が通っても上陸に数えられません。上陸数で47都道府県を並べると、日本で最も台風の影響を受ける沖縄が最下位に並ぶという逆転が起きます。また上陸は中心が最初に達した1県だけを数えるため、隣県が大きな被害を受けても数字に表れません。中心から300km以内に入った回数を数える「接近数」なら、47都道府県すべてを同じものさしで、しかも毎年の値として比べられます。
「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することをいいます。この定義で数えると、佐賀県への上陸は過去75年でゼロ(九州を横断してきた台風の再上陸を延べで数えても1回)です。九州内で見ると鹿児島45回・長崎18回に対して佐賀0回。理由は地理で、佐賀県は外海に対して長崎県と福岡県に囲まれており、台風の中心が「最初に」達する海岸線をほとんど持っていないためです。
では佐賀に台風は来ないのかというと、まったく違います。中心から300km以内に入る「接近」で数えると、九州北部地方には年3.8個(気象庁平年値・1991〜2020年)。月別では7月0.8個・8月1.1個・9月1.1個で、この3ヶ月に年間の約8割が集中します。月別表の台風の列が夏にはっきり色づくのは、隣の地震の列との最大の違いです。地震は時期を選べませんが、台風は「来やすい時期」がわかっている。つまり備えを計画できる災害です。市町村別の詳しい接近回数は台風の接近数ランキングで確認できます。
警戒すべきポイントは2つあります。ひとつは暴風で、台風が九州の西の海上を北上するとき、佐賀県は進行方向の右側=風が最も強まる危険半円に入ります。1991年の台風19号では上陸地点は長崎県でしたが、佐賀県内でも記録的な暴風と甚大な農業被害が出ました。もうひとつが有明海の高潮です。南寄りの暴風が湾の奥へ海水を吹き寄せる地形で、1999年の台風18号では有明海・八代海の沿岸で大きな高潮被害が出ています。低平地が広がる佐賀平野の南部では、「上陸ゼロ」という数字は安心材料になりません——順位の低さはリスクの低さを意味しません。
地震 ── 過去の観測回数と、これからの確率
九州のなかで最下位——それどころか、佐賀県の年約7.6回は47都道府県で最も少ない数字です。桜島と霧島をかかえる鹿児島県が突出し、熊本県が2016年の熊本地震の余震を含んで続くなか、佐賀は鹿児島の約15分の1、隣の福岡(15.7回)と比べても半分以下。「揺れを感じる機会が日本でいちばん少なかった県」というのが、107年分の観測から言える事実です。
九州8県の地震観測回数(震度1以上・回/年)
1919〜2026年の107年間の平均。バーの長さは鹿児島県を100%とした割合。出典:気象庁 震度データベース検索
「地震が少ない=安全」ではありません
この数字は過去に何回揺れたかであって、これから何回揺れるかではありません。佐賀県は回数こそ全国最少ですが、2005年の福岡県西方沖地震では県内で震度5弱、2016年の熊本地震では震度5強を観測しています。熊本は2016年、石川は2024年に、それぞれ「回数が多い県」ではないところで大きな被害が出ました。むしろ、回数が少ない県ほど耐震意識と備えが薄いという指摘があります。揺れ慣れていないぶん、家具の固定も備蓄も後回しになりやすいためです。過去の回数は防災の判断材料の半分でしかありません。
そこで、残り半分の「これからの確率」を並べます。地震調査研究推進本部(J-SHIS)が公表している、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率です。
過去の実績
約7.6回/年
震度1以上(1919〜2026年)・全国47位=最少。107年間の合計は808回。過去にどれだけ揺れたか
これからの確率
7.8%
今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率。佐賀県庁位置・J-SHIS 2024年版(2026年7月取得)。これから揺れる可能性
足元の活断層
0.2〜0.5%
佐賀平野北縁断層帯の30年以内の地震発生確率。M7.5程度・地震本部 長期評価(2013年公表)。全国の主要活断層の中で発生確率が「やや高いグループ」
佐賀平野の北縁を走る活断層。佐賀市の北方、小城市から神埼郡吉野ヶ里町にかけて、長さ約38kmの佐賀平野北縁断層帯が延びています。想定はM7.5程度——起きれば県の中枢部が強い揺れに見舞われる規模です。確率0.2〜0.5%は一見小さく見えますが、活断層の地震は「確率が低くても、起きれば大きい」型のリスクです。回数が日本一少ないという実績と、平野の縁に活断層があるという事実は、両立します。この2つを並べて初めて、防災の判断材料になります。
地震の関連ランキング(かっこ内は佐賀県の順位)
地震が多い都道府県・市区町村ランキング(47位)→ 地震が少ない県・市町村ランキング(1位=日本一少ない)→ 30年以内に震度6弱以上の確率ランキング →04県内の主要都市を比べる
同じ佐賀県でも、玄界灘に面した唐津と、有明海側の佐賀平野、山あいの嬉野ではかなり違います。とくに夏の猛暑日は、海沿いと平野で3倍近い差がつきます。
佐賀市県庁所在地
- 年平均気温
- 16.9℃
- 年間降水量
- 1,951mm
- 年間日照時間
- 1,971時間
- 猛暑日日数
- 26.2日
有明海側の内陸平野。夏の昼の暑さは全国トップ級、冬は放射冷却と朝霧の街。
唐津市玄界灘沿岸
- 年平均気温
- 16.5℃
- 年間降水量
- 1,979mm
- 年間日照時間
- 1,890時間
- 猛暑日日数
- 10.0日
海風のおかげで夏の猛暑日は佐賀市の4割以下。冬は北西の季節風が強い。
伊万里市西部・伊万里湾奥
- 年平均気温
- 15.9℃
- 年間降水量
- 2,222mm
- 年間日照時間
- 1,799時間
- 猛暑日日数
- 9.2日
湾奥の谷あいで雨が多め。夏の猛暑は少なく、冬の冷え込みはやや強い。
嬉野市山あい・盆地
- 年平均気温
- 15.3℃
- 年間降水量
- 2,324mm
- 年間日照時間
- 1,871時間
- 猛暑日日数
- 18.2日
県内で最も雨が多い側。盆地で朝晩は冷え、霧も出やすい温泉地。
05気象予報士の総括
10の指標を通して見ると、佐賀県は「九州でいちばん内陸的な気候の県」だと言えます。降水量10位、快晴日数7位、猛暑日11位、紫外線11位、そして地震の観測回数は全国最少。海に囲まれた九州にあって、脊振山地と有明海にはさまれた佐賀平野は、どこか盆地に近いふるまいをします。この性格が、10個の数字すべてに一本の筋として通っています。
月別に分解すると、その性格はさらにはっきりします。降水量は6〜7月に年間の3分の1以上が集中し、湿度は6〜9月の4ヶ月だけ70%を超え、台風は7〜9月に8割が集中する。気温の中身は猛暑日26.2日(全国11位)と冬日19.6日(福岡の約8倍)という「昼と朝の非対称」です。佐賀の気候の振れ幅は、南北ではなく「一日の中」と「季節の中」にあります。このページで月別表と帯グラフを大きく取っているのは、そのためです。
そして9番目と10番目、台風と地震。同じ災害でも読み方は正反対です。台風は月別表が夏に色づくとおり時期で備えられる災害、地震は月ごとの差が「過去にいつ起きたか」の歴史でしかなく、確率でしか読めない災害です。佐賀は台風の上陸ゼロ・地震観測は日本一少ないという、数字の上では最も穏やかな県のひとつですが、1991年の台風19号の暴風、2019年の佐賀豪雨、2016年の熊本地震での震度5強と、被害の記憶は途切れていません。佐賀平野の北縁には活断層もあります。順位の低さは、備えなくてよい理由にはなりません。
気候は「昼と朝」で読み、雨は梅雨に集中して備え、地震は回数ではなく確率で読む——このページの結論はこの一行です。
06近くの県・気候が似た県と比べる
「佐賀と福岡って何が違うの?」に答えるための入口です。詳細ページが未公開の県は、47都道府県データの一覧表で該当行を確認できます。
07関連ページ
出典・集計方法・データの限界
- 気温・降水量・日照時間・湿度・風速
- 気象庁の平年値(1991〜2020年)。県の代表値は佐賀地方気象台の観測値、県内都市は各地の気象台・観測所の値です。
- 偏差値と全国順位
- 全国47都道府県の代表観測点の値から当サイトが算出しました。
- 紫外線(UV指数)
- 日本国内の実測地点が限られているため、気象庁の紫外線解析値(推定値)をもとにした値です。実測値ではありません。
- 天気出現率
- 気象庁の日別天気概況をもとに、日ごとの天気を晴れ・曇り・雨・雪の4区分に集計(1968〜2025年の58年分・当サイト独自集計)。
- 降雪量
- 気象庁の平年値(降雪の深さ合計)。
- 地震
- 気象庁「震度データベース検索」で震度1以上を観測した回数(1919年1月〜2026年、観測点数の増加による影響を含みます)。
- 30年確率・活断層
- 地震調査研究推進本部/防災科研(J-SHIS)の公表値。
1日のうちで天気が変わった日は代表的な天気に寄せているため、天気出現率は体感と数%のずれが出ることがあります。
降雪量と地震の偏差値は、値が一部の県に極端に偏るため、対数変換したうえで算出しています。
台風の列について。月別表の台風は佐賀県単独ではなく、九州北部地方への接近数の平年値(気象庁・1991〜2020年)です。たとえば「7月 0.8」は「毎年7月に平均0.8個接近する」という意味です。
地震の列について。月別表の地震だけ色を付けていません。3月・4月が大きいのは「2005年の福岡県西方沖地震と余震がその月に起きた」という107年分の歴史であって、季節性ではないからです。年間にならすと約7.6回(808回÷107年)です。
監修:のぶやん(気象予報士)/最終更新:2026年7月30日
