和歌山県の気候データ|10指標の全国順位・偏差値と月別データ(気象・台風・地震)

気象データベース47都道府県データ和歌山県

和歌山県の気候データ

日照2,100時間・晴れ48%はともに全国11位。黒潮の暖かさと日本一級の多雨、南海トラフと向き合う県です。10の指標について、全国順位・偏差値・月別データをまとめました。

気象庁 平年値 1991〜2020年 和歌山地方気象台 監修:気象予報士 最終更新 2026年8月2日

この県の要点

すごしやすい月

4月・5月・10月〜12月

黒潮の海と晴れの空——秋冬も明るい太平洋側

すごしにくい月

6月・9月

梅雨と秋雨・台風の二つの雨の山。南部は特に大雨

強み

日照と晴れは全国11位

年2,100時間の明るさ。みかんを育てる太陽の県

注意

台風の直撃/南部の大雨/南海トラフ地震

1946年の昭和南海地震と、「稲むらの火」の教訓

気温

16.9

全国 11位

降水量

1,414mm

全国 30位

降雪量

1cm

全国 36位

日照時間

2,100時間

全国 11位

晴れの出現率

48.0%

全国 11位

湿度

66%

全国 38位

01月別データ ── いつ行くのがよいか

まずは結論から。12ヶ月を1枚にまとめました。旅行や引っ越しの時期選びなら、これだけで判断できます。

1月○ 冬晴れ・雨49mm

9.8 / 2.9

晴れ48%・雨49mmの冬晴れ。霜は少なく温暖

2月○ 晴れ47%・春の助走

10.7 / 3.1

南部から梅の便り。南高梅の花が春を告げる

3月○ 良好

14.3 / 5.8

晴れ49%と春本番。桜前線は早めにやってくる

4月◎ ベスト

19.7 / 10.7

昼は20℃前後。晴れ49%の絶好の行楽シーズン

5月◎ ベスト

24.3 / 15.6

晴れ46%・日照208時間。新緑とカツオの季節

6月△ 梅雨入り・184mm

27.1 / 20.1

梅雨入り。月184mmは二つある雨の山の一つめ

7月△ 梅雨明け・夏本番へ

31.1 / 24.3

梅雨明けて夏本番へ。熱帯夜12日の始まり

8月△ 晴れ56%・熱帯夜18日

32.6 / 25.1

晴れ56%は年間1位。海風で猛暑日は控えめ

9月△ 台風・秋の長雨

29.0 / 21.5

台風と秋雨で月181mm。二百十日の警戒月

10月◎ ベスト

23.4 / 15.6

晴れ53%と高い空。みかんが色づき始める

11月○ 秋晴れの紅葉月

17.9 / 9.9

晴れ53%の秋晴れ。高野・熊野の紅葉が見頃

12月○ 晴れ52%・温暖な師走

12.5 / 5.1

晴れ52%と明るい師走。温暖な冬の入口

気温は「最高 / 最低(℃)」の平年値。左の色は過ごしやすさ(緑=ベスト/橙=注意/赤=厳しい)。

0210指標のかたち

「暑いのか寒いのか」「雨が多いのか少ないのか」は、単体の数字を見てもピンときません。全国47都道府県の平均を偏差値50として、10指標を1枚のチャートにまとめました。外側に張り出しているほど「多い・強い・高い」、内側にへこんでいるほど「少ない・弱い・低い」です。日照・晴れ率・風・地震が外に張り出し、降雪がへこんだ「黒潮の県」の形をしています。

50=全国平均70 気温56降水量44降雪量39日照時間60晴れの出現率58湿度40紫外線56風速62台風51地震59

中央の太い十角形が偏差値50(=全国平均)、いちばん外の枠が偏差値70です。地震だけは値が一部の県に極端に偏るため、対数をとってから偏差値化しています。

正確な数値と順位、それぞれのランキングページへの入口は下の表にまとめました。「和歌山県のことが知りたい」人はこのページで完結し、「他県と比べたい」人はランキングへ進めます。

和歌山県の10指標。値・偏差値・全国順位・近畿内順位。
指標偏差値 全国順位近畿内順位 全国の中での位置ランキング
🌡️ 気温(年平均気温) 16.9℃ 56 11位/ 47位中 3位/ 6位中 平均気温ランキング →
🌧️ 降水量(年間降水量) 1,414mm 44 30位/ 47位中 3位/ 6位中 降水量ランキング →
⛄ 降雪量(年間降雪量(深さ合計)) 1cm 39 36位/ 47位中 4位/ 6位中 降雪量ランキング →
🌞 日照時間(年間日照時間) 2,100時間 60 11位/ 47位中 1位/ 6位中 日照時間ランキング →
🌤️ 晴れの出現率(晴れの日の割合(58年集計)) 48.0% 58 11位/ 47位中 1位/ 6位中 晴れの出現率ランキング →
💧 湿度(年平均湿度) 66% 40 38位/ 47位中 3位/ 6位中 湿度ランキング →
🧴 紫外線(UV指数の年平均(推定値)) 4.28 56 9位/ 47位中 1位/ 6位中 紫外線ランキング →
🍃 風速(年平均風速) 3.8m/s 62 5位/ 47位中 1位/ 6位中 平均風速ランキング →
🌀 台風(接近数(年平均)) 3.4個/年 51 14位/ 47位中 1位/ 6位中 台風の接近数ランキング →
🌏 地震(震度1以上の回数(年平均)) 93.2回/年 59 11位/ 47位中 1位/ 6位中 地震観測回数ランキング →
この数値を引用する・CSVで保存する
和歌山県の年平均気温は16.9℃(11位)、年間降水量1,414mm(30位)、
年間日照時間2,100時間(11位)、晴れの出現率48.0%(11位)。
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「和歌山県の気候データ」
   気象庁 平年値(1991〜2020年)/和歌山地方気象台/
   気象庁 震度データベース/防災科研 J-SHIS 2024年版/
   当サイト58年独自集計(天気出現率)
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   2026年7月 取得

0310の指標を、1つずつ読む

ここからは10の指標を1つずつ取り上げて、和歌山県がなぜその数字になるのかを気象予報士の視点で解説します。数字そのものは上の表とチャートに出ていますので、ここでは「その数字を生んでいる仕組み」と「数字だけ見ていると誤解すること」を中心に書きます。

01

気温 ── 全国11位、黒潮が暖める「常春の海岸線」

結論:和歌山の気温は全国11位。猛暑日27位なのに熱帯夜9位——海の県の夏。
16.9 偏差値 56 全国 11位 / 47位中 近畿 3位 / 6位中 平均気温ランキング →

年平均気温16.9℃は全国11位、偏差値56。沖を流れる黒潮が一年中海水温を高く保ち、長い海岸線を暖め続けます。「南紀」の名のとおり、近畿で最も南国に近い気温です。

冬は冬日(最低0℃未満)が年5.4日・全国38位、真冬日は0日。串本や白浜では霜も珍しく、露地の花やみかんが冬の産業として成立します。ただし高野山は別世界——冬は氷点下と雪が当たり前で、「常春の海」と「凍える霊場」が同居しています。

夏は8月の平均最高32.6℃。猛暑日は11.5日・全国27位と控えめなのに、熱帯夜は32.8日・全国9位——海辺の夏の典型です。海風が昼の極端な高温を抑え、海の蓄熱が夜の気温を下支えする。熱中症対策は「夜」に重心を置いてください。

夏と冬の「極値」和歌山県の値 全国順位くわしく
猛暑日(最高35℃以上)11.5日 / 年27位 / 47位中 猛暑日ランキング →
熱帯夜(最低25℃以上)32.8日 / 年9位 / 47位中 熱帯夜ランキング →
冬日(最低0℃未満)5.4日 / 年・真冬日は0日38位 / 47位中 冬日・真冬日ランキング →

この3行が、年平均16.9℃という数字の中身です。猛暑日27位・熱帯夜9位・冬日38位——「昼はほどほど、夜は暑く、冬はやさしい」黒潮の気温です。内陸の盆地とは真逆の設計——お隣の奈良と見比べると、海の力がよくわかります。

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02

降水量 ── 北は30位でも、南紀は年3,000mm超の別世界

結論:和歌山市の年1,414mm。だが新宮は3,333mm——同じ県で2.4倍の差。
1,414mm 偏差値 44 全国 30位 / 47位中 近畿 3位 / 6位中 降水量ランキング →

年間降水量1,414mmは全国30位——これは県北部・和歌山市の数字です。紀の川沿いの北部は瀬戸内寄りの少雨で、雨の山は梅雨の6月184mmと、秋雨・台風の9月181mmの二つ。「二山型」の雨のリズムが特徴です。

南紀に下ると桁が変わります。新宮で年3,333mm、龍神で3,088mm——黒潮の湿った空気が紀伊山地にぶつかり続ける、日本有数の多雨地帯です。2011年の紀伊半島大水害(台風12号)では那智勝浦などで甚大な被害が出ました。「北の少雨、南の豪雨」——これが和歌山の雨の二重構造です。

もうひとつ、雨の量では見えない指標が雷です。和歌山県の年間雷日数は12.7日で全国46位——雷の少なさは全国2位です。海洋性の安定した空気は、内陸型の熱雷を作りにくいのです。雨は多くても雷は少ない——面白い組み合わせです。

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03

降雪量 ── 平地は年1cm、雪は高野山の風物詩

結論:和歌山市の平年値は1cm。雪化粧は高野山と護摩壇山の役目。
1cm 偏差値 39 全国 36位 / 47位中 近畿 4位 / 6位中 降雪量ランキング →

年間降雪量は1cm、全国36位。和歌山市で雪が積もるのは数年に一度で、雪の日の出現率も1月・2月の10%どまり。海沿いの暮らしは、雪とほぼ無縁です。

例外は標高800mの高野山です。冬の高野山は氷点下と積雪が当たり前で、雪の壇上伽藍は冬の巡礼の絶景になります。護摩壇山周辺では路面凍結も日常——「南国和歌山」のイメージのまま冬の山道へ入らないでください。

そして雪に慣れない平地ほど、まれな雪に弱いのも他県と同じです。数年に一度の寒波では、みかん畑に雪が積もる珍しい景色とともに交通の乱れがやってきます。雪マークの日は、時間に余裕を持って動いてください。

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04

日照時間 ── 全国11位・近畿1位、黒潮の空の明るさ

結論:年2,100時間は近畿1位。潮岬は2,256時間と本州屈指の明るさ。
2,100時間 偏差値 60 全国 11位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 日照時間ランキング →

年間日照時間2,100時間は全国11位、近畿6府県の1位です。太平洋側の気候は冬も晴れが多く、黒潮の海に面した南紀はとくに明るい——潮岬の2,256時間は本州でも屈指の数字です。

月別では8月の240時間が最長、梅雨の6月158時間が最短。冬も135〜148時間と安定して明るく、「冬の南紀は光の季節」です。みかん・梅・柿——和歌山の果樹王国は、この日照が土台になっています。

旅行の計画に使うなら、白浜も熊野古道も、秋から冬の晴れ間が狙い目です。梅雨と秋雨・台風のシーズン(6月・9月)だけは、雨の熊野もまた本物の風情——雨具を主役にした計画に切り替えてください。

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05

天気出現率 ── 月別の晴れ・曇り・雨・雪

結論:晴れのピークは8月の56%。10月〜12月も52〜53%の高原状態。
48% 偏差値 58 全国 11位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 晴れの出現率ランキング →

日照時間は「太陽が何時間出ていたか」の合計であって、「晴れの日が何日あったか」ではありません。旅行の日程を決めるときに知りたいのは、たいてい後者のほうです。そこで、その月にどの天気が何割の日に出たかを帯グラフにしました。帯の幅がそのまま出現率(%)です。

年間482624
1月48281410
2月47242010
3月4921282
4月492328
5月462727
6月333235
7月452827
8月562321
9月452630
10月532325
11月532819
12月5230154

帯の幅がそのまま出現率(%)。 晴  くもり  雨 

この形にすると、和歌山の空の性格が見えます。晴れの帯は8月の56%が年間ピークで、10月53%・11月53%・12月52%と秋冬も高原状態。細るのは梅雨の6月(33%)だけという、太平洋側らしい配分です。

雨の日の割合は24.0%・全国33位と少なめです。6月35%と9月30%の二つの山を除けば、一年の大半は「晴れときどき曇り」で回ります。この帯グラフは気象庁の平年値(30年)ではなく、1968年から2025年までの58年分の観測を独自集計した値です。

4つの天気それぞれで全国順位を出すと、晴れは全国11位(48.0%)、くもりは23位(25.9%)、雨は33位(24.0%)、雪は26位(2.2%)。快晴日数は24.3日・全国29位。「明るく、降るときは降る」——黒潮の空の二面性です。

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06

湿度 ── 年平均66%で全国38位、海辺なのに乾いた空気

結論:年平均66%は全国38位。冬の乾いた晴れが、梅を干し柿をつくる。
66% 偏差値 40 全国 38位 / 47位中 近畿 3位 / 6位中 湿度ランキング →

年平均湿度66%は全国38位、偏差値40——海に面した県としては意外なほど乾いています。冬の1月〜4月は60〜61%で推移し、晴れと乾燥がセットの太平洋側らしい冬です。

夏は7月73%・6月72%と湿り、熱帯夜9位の気温と重なって蒸し暑くなります。体感の主役は湿度より「夜の気温」——寝苦しさへの対策が、和歌山の夏の本題です。

乾いた冬の晴れは、この県の食文化の土台でもあります。梅干し、干し柿、備長炭——「乾かす産業」が根づいたのは、湿度の統計と無関係ではありません。冬の乾燥期は、火の元への注意もセットで。

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07

紫外線 ── 全国9位、本州トップクラスの日差し

結論:UV指数の年平均は4.28で全国9位。8月は7.0の「非常に強い」寸前。
4.28UV指数 偏差値 56 全国 9位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 紫外線ランキング →

UVインデックスの年平均は4.28で全国9位——本州ではトップクラスです。緯度の低さと晴れの多さの掛け算で、日差しの強さは九州の一角に迫ります。

月別で注目してほしいのは、4月にすでに4.9、5月には5.7へ達することです。海開き前の砂浜や釣り、熊野古道歩きでも、春から真夏並みの対策が必要。海面の反射も上乗せされます。

ピークは8月の7.0——「非常に強い」の一歩手前です。実質的な対策期間は4月から9月までと長め。雲があっても紫外線の6〜7割は地表に届くので、曇りの日を「大丈夫な日」と考えないでください。

「何月の何時が強いのか」は、月平均だけでは分かりません。下は晴天時のUVインデックスを月と時刻の両方で並べた表です。

晴天時UVインデックス早見表(月×時刻)

結論:7月の正午〜13時が最も強く9.2。 「非常に強い」に入るのは7月と8月の11〜14時だけですが、5月・6月の正午は7.5〜7.8で「強い」に達します。 気温がまだ過ごしやすい5月の昼にも、真夏に近い紫外線が降っていることが表から読み取れます。

九州の晴天時UVインデックス(九州北部〜中部の代表値)。行が月、列が時刻。
891011121314151617
1月0.00.41.11.92.42.41.81.10.40.0
2月0.20.71.72.73.43.52.81.80.80.2
3月0.41.32.74.04.84.73.82.51.20.4
4月0.92.23.95.46.26.04.93.31.70.6
5月1.53.15.06.77.57.25.94.02.20.9
6月1.63.35.27.07.87.66.44.52.61.1
7月1.83.76.08.19.29.17.75.53.21.5
8月1.43.35.67.68.78.67.14.92.71.1
9月0.92.44.25.96.76.45.03.21.50.4
10月0.61.63.04.24.84.43.21.80.70.1
11月0.20.91.92.73.12.82.01.00.30.0
12月0.10.51.21.92.32.21.60.80.20.0

弱い0〜2中程度3〜5強い6〜7非常に強い8〜10極端に強い11以上

色は気象庁・WHOのUVインデックス区分そのものです。枠で囲んだ数字はその月のピーク。 6時台・7時台と18時以降は、一年を通してUVインデックスが1未満のため列から省いています(対策不要の水準です)。 値は雲のない晴天時の推計で、曇りの日は6〜7割程度に下がります。晴天時の値は緯度でほぼ決まるため、この表は九州北部〜中部の代表値です。和歌山など近畿地方では、この表より1割ほど弱めが目安です。それでも夏のピーク帯の強さは変わりません。

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08

風 ── 全国5位、外洋に開いた「風の岬」の県

結論:平均風速3.8m/sは全国5位。潮岬の風は、外洋の風そのもの。
3.8m/s 偏差値 62 全国 5位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 平均風速ランキング →

年平均風速3.8m/sは全国5位、偏差値62——全国有数の「風の県」です。さえぎるもののない外洋に突き出た地形は、季節風も台風の風もまともに受けます。月別では冬の1月4.2m/s・12月4.1m/sが最強です。この指標は代表地点の立地に左右されやすいので、順位だけを一人歩きさせないでください。

強い風は資源でもあります。海沿いには風力発電の風車が並び、冬の乾いた季節風は干物や梅干しづくりに一役。「風の強さ」は南紀の暮らしと産業の一部になっています。

警戒すべきはやはり台風の暴風です。外洋に開いた海岸線は風と高波をまともに受け、フェリーや漁の欠航、施設の被害につながります。平時から風に強い県こそ、台風の風は別格と心得てください。

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09

台風 ── 接近は年3.4個、上陸は全国屈指の「台風銀座」

結論:接近は年3.4個。潮岬は本州の台風上陸の名所——伊勢湾台風もここから。
3.0個/年(接近) 偏差値 46 全国 33位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 台風の接近数ランキング →

この表で台風の指標に使っているのは「上陸数」ではなく「接近数」です。先に理由を書きます。気象庁の「上陸」は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、沖縄県は定義上どれだけ台風が通っても上陸に数えられません。上陸数で47都道府県を並べると、日本で最も台風の影響を受ける沖縄が最下位に並ぶという逆転が起きます。また上陸は中心が最初に達した1県だけを数えるため、隣県が大きな被害を受けても数字に表れません。中心から300km以内に入った回数を数える「接近数」なら、47都道府県すべてを同じものさしで、しかも毎年の値として比べられます。

「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することをいいます。太平洋へ突き出た紀伊半島の先端・潮岬は本州の台風上陸の名所で、1959年の伊勢湾台風も潮岬付近から上陸しました。接近数は年3.4個・全国14位です。

接近で数えると、和歌山を含む近畿地方には年3.4個(気象庁平年値・1991〜2020年)。月別では9月の1.1個がピークで、8月・10月も各0.7個——夏の終わりから秋に重心があります。台風は「来やすい時期」がわかっている——つまり備えを計画できる災害です。市町村別の詳しい接近回数は台風の接近数ランキングで確認できます。

警戒すべきは暴風・高波と、南部の記録的な大雨です。黒潮の湿った空気を吸い上げた台風は紀伊山地に桁違いの雨を降らせ、2011年の台風12号(紀伊半島大水害)では那智勝浦などで甚大な被害が出ました。「台風は南紀の別格の災害」——上陸の歴史がそれを証明しています。

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10

地震 ── 過去の観測回数と、これからの確率

結論:年93.2回は全国11位。そして30年確率73.1%は全国4位。
約93.2回/年 偏差値 59 全国 11位 / 47位中 近畿 1位 / 6位中 地震観測回数ランキング →

全国11位、近畿6府県では断然の1位です。107年間の合計は9,973回、年平均93.2回。月ごとの偏りが小さいのは、和歌山市付近で小さな地震が絶えず起きる「定常的な地震活動」のため——揺れに慣れている県と言えます。しかし、本題は回数ではありません。

近畿6府県の地震観測回数(震度1以上・回/年)

和歌山県93.2
兵庫県33.2
京都府26.1
奈良県16.1
大阪府13.3
滋賀県11.9

1919〜2026年の107年間の平均。バーの長さは和歌山県を100%とした割合。出典:気象庁 震度データベース検索

「地震が少ない=安全」ではありません

この数字は過去に何回揺れたかであって、これから何回揺れるかではありません。2016年の前まで、熊本は「地震の少ない県」と見られていました——だからこそ、あの地震の教訓は重いのです。石川は2024年に、やはり「回数が多い県」ではないところで大きな被害が出ました。むしろ、回数が少ない県ほど耐震意識と備えが薄いという指摘があります。揺れ慣れていないぶん、家具の固定も備蓄も後回しになりやすいためです。過去の回数は防災の判断材料の半分でしかありません。

そこで、残り半分の「これからの確率」を並べます。地震調査研究推進本部(J-SHIS)が公表している、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率です。

過去の実績

約93.2回/年

震度1以上(1919〜2026年)・全国11位。107年間の合計は9,973回。過去にどれだけ揺れたか

これからの確率

73.1%

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率。和歌山県庁位置・J-SHIS 2024年版(2026年7月取得)。これから揺れる可能性

沖の海溝型地震

60〜90%程度

南海トラフ地震(M8〜9クラス)の30年以内の発生確率。地震本部 長期評価。1854年の安政南海地震の記憶も、この県の足元に

この県の主役は、沖の南海トラフ。M8〜9クラスの巨大地震の30年確率は60〜90%程度以上、和歌山県庁位置の「震度6弱以上」の30年確率は73.1%で全国4位です。1854年の安政南海地震では溺死699人、1946年の昭和南海地震でも269人が犠牲になり、津波は繰り返しこの海岸を襲ってきました。広川町の「稲むらの火」と広村堤防は、その教訓を今に伝えます。回数11位の「日常の揺れ」と、73.1%の「その日」——両方と向き合う県です。

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04県内の主要都市を比べる

同じ和歌山県でも、県都の和歌山市と、本州最南端の潮岬、多雨の新宮、標高800mの高野山では顔が違います。北の少雨と南の豪雨、海の常春と山の凍結——縦に長い県の振れ幅です。

和歌山(和歌山市)県庁所在地

年平均気温
16.9℃
年間降水量
1,414mm
年間日照時間
2,100時間
猛暑日日数
11.5日

紀の川河口の県都。晴れ48%と少雨の瀬戸内寄り気候で、雷の少なさは全国2位級。

潮岬(串本町)串本・本州最南端

年平均気温
17.5℃
年間降水量
2,654mm
年間日照時間
2,256時間
猛暑日日数
0.2日

本州最南端の岬。日照2,256時間と明るく、猛暑日ほぼゼロ——海が全てをならす常春の地。

新宮(新宮市)熊野・多雨の街

年平均気温
17.3℃
年間降水量
3,333mm
年間日照時間
2,124時間
猛暑日日数
11.3日

熊野の玄関口。雨3,333mmは和歌山市の2.4倍——黒潮がつくる日本屈指の多雨都市。

高野山(高野町)高野山・天空の霊場

年平均気温
11.1℃
年間降水量
2,003mm
年間日照時間
1,582時間
猛暑日日数
0日

標高約800mの霊場。年11.1℃と冷涼で、1月の平均は氷点下——雪の壇上伽藍の世界。

05気象予報士の総括

10の指標を通して見ると、和歌山県は「黒潮がつくる、明るくて激しい県」だと言えます。日照・晴れ・紫外線・風はいずれも全国トップ10前後、気温も11位と温暖。いっぽう地震回数11位・30年確率73.1%(全国4位)、南部は年3,000mm超の多雨——恵みとリスクが、同じ海からやってくる県です。

月別に分解すると、ベストは10月〜12月です。晴れ52〜53%の高原状態が続き、みかんと紅葉の季節と重なります。夏は晴れ56%と明るい一方で熱帯夜9位、6月と9月には二つの雨の山。「明るい季節」と「降る季節」がくっきり分かれるのが太平洋側の空です。

そして9番目と10番目、台風と地震。台風は潮岬という「本州の上陸名所」を抱え、2011年の紀伊半島大水害の記憶も新しい。地震は南海トラフの30年確率60〜90%程度以上、県庁位置の73.1%は全国4位——「稲むらの火」の県は、日本で最も真剣に津波と向き合ってきた県でもあります。

黒潮の明るさを楽しみ、6月と9月の雨を疑い、台風は上陸前提で備え、津波は「稲むらの火」の教えで逃げる——このページの結論はこの一行です。

06近くの県・気候が似た県と比べる

「和歌山と大阪って何が違うの?」に答えるための入口です。詳細ページが未公開の県は、47都道府県データの一覧表で該当行を確認できます。

47都道府県データの一覧表で、複数の県を並べて比較する →

よくある質問(和歌山県の気候)

Q. 和歌山県の気候の特徴は?

A. 年平均気温16.9℃(全国11位)、年間降水量1,414mm(全国30位)、年間日照時間2,100時間(全国11位)です。全国と比べると「風が強い」「雪が少ない」が際立つ気候です。

Q. 和歌山県では雪は積もりますか?

A. ほとんど積もりません。年間降雪量の平年値は1cm(全国36位)で、積雪は数年に一度の出来事です。

Q. 和歌山県に台風は多いですか?

A. 台風の接近数は年平均3.4個で全国14位です。全国ではやや多めのグループで、接近は8月〜9月に集中します。

Q. 和歌山県は地震が多いですか?

A. 震度1以上の揺れは年平均93.2回(全国11位)です。県庁所在地が今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は73.1%(全国4位)と評価されています。

Q. 和歌山県で過ごしやすい季節はいつですか?

A. 気候データの上では4月・5月・10月〜12月が過ごしやすい時期です。詳しくは本文の「月別の過ごしやすさカレンダー」をご覧ください。

07関連ページ

出典・集計方法・データの限界
気温・降水量・日照時間・湿度・風速
気象庁の平年値(1991〜2020年)。県の代表値は和歌山地方気象台の観測値、県内都市は各地の気象台・観測所の値です。
偏差値と全国順位
全国47都道府県の代表観測点の値から当サイトが算出しました。
紫外線(UV指数)
日本国内の実測地点が限られているため、気象庁の紫外線解析値(推定値)をもとにした値です。実測値ではありません。
天気出現率
気象庁の日別天気概況をもとに、日ごとの天気を晴れ・曇り・雨・雪の4区分に集計(1968〜2025年の58年分・当サイト独自集計)。
降雪量
気象庁の平年値(降雪の深さ合計)。
地震
気象庁「震度データベース検索」で震度1以上を観測した回数(1919年1月〜2026年、観測点数の増加による影響を含みます)。
30年確率・活断層
地震調査研究推進本部/防災科研(J-SHIS)の公表値。

1日のうちで天気が変わった日は代表的な天気に寄せているため、天気出現率は体感と数%のずれが出ることがあります。

降雪量と地震の偏差値は、値が一部の県に極端に偏るため、対数変換したうえで算出しています。

台風の列について。月別表の台風は和歌山県単独ではなく、近畿地方への接近数の平年値(気象庁・1991〜2020年)です。たとえば「7月 0.6」は「毎年7月に平均0.6個接近する」という意味です。

地震の列について。月別表の地震だけ色を付けていません。月ごとの差が小さいのは、和歌山市付近で小さな地震が絶えず起きているため——特定の大地震ではなく「定常的な地震活動」が主体で、季節性はありません。年間にならすと約93.2回(9,973回÷107年)です。

監修:のぶやん(気象予報士)/最終更新:2026年8月2日

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