鹿児島県の気候データ|10指標の全国順位・偏差値と月別データ(気象・台風・地震)

気象データベース47都道府県データ鹿児島県

鹿児島県の気候データ

気温2位・紫外線2位・台風上陸は45回で日本一、地震は九州で最も多い。火山と黒潮と離島がつくる、日本の「南の玄関口」の気候です。10の指標について、全国順位・偏差値・月別データをまとめました。

気象庁 平年値 1991〜2020年 鹿児島地方気象台 監修:気象予報士 最終更新 2026年8月1日

この県の要点

すごしやすい月

3月・4月・10月・11月

桜島と錦江湾が輝く、暑さと梅雨の外側の季節

すごしにくい月

6月〜9月

6月570mmの梅雨と、台風上陸日本一の夏〜秋

強み

熱帯夜は全国2位

55.8日は沖縄に次ぐ多さ。夜まで続く黒潮の暑さ

注意

梅雨の大雨/台風上陸日本一/桜島の噴火

地震回数は九州1位——トカラ列島と火山の鼓動

気温

18.8

全国 2位

降水量

2,435mm

全国 3位

降雪量

2cm

全国 32位

日照時間

1,942時間

全国 26位

晴れの出現率

45.2%

全国 24位

湿度

70%

全国 17位

01月別データ ── いつ行くのがよいか

まずは結論から。12ヶ月を1枚にまとめました。旅行や引っ越しの時期選びなら、これだけで判断できます。

1月○ 温暖な冬

13.1 / 4.9

冬日はわずか。晴れた日の桜島と錦江湾が美しい季節

2月△ 寒暖差が大

14.6 / 5.8

三寒四温。菜の花と早春の光で春が早い

3月○ 良好

17.5 / 8.7

春本番へ。昼は17℃超えで花見は3月下旬から

4月◎ ベスト

21.8 / 12.9

昼は21℃超え。新緑と海のベストシーズン到来

5月△ 走り梅雨・雨多め

25.5 / 17.3

走り梅雨で雨205mm。紫外線はもう真夏級

6月✕ 梅雨・月570mm

27.5 / 21.3

梅雨本番。月570mmは県庁所在地で全国屈指

7月✕ 大雨・猛暑

31.9 / 25.3

猛暑と夕立と雷。台風シーズンが本格化する

8月✕ 猛暑・熱帯夜

32.7 / 26.0

昼32.7℃・熱帯夜24.6日。夜まで暑さが残る

9月✕ 台風・残暑厳しい

30.2 / 23.2

台風接近のピーク。残暑も30℃超えで長い

10月◎ ベスト

25.8 / 18.0

晴れ58%は年間1位。空が入れ替わる行楽月

11月◎ ベスト

20.6 / 12.2

晴れ54%。おはら祭と紅葉、穏やかな晩秋

12月○ 冬晴れ・雨は最少

15.3 / 6.9

晴れ50%・雨は年間最少。冬でも昼は15℃前後

気温は「最高 / 最低(℃)」の平年値。左の色は過ごしやすさ(緑=ベスト/橙=注意/赤=厳しい)。

0210指標のかたち

「暑いのか寒いのか」「雨が多いのか少ないのか」は、単体の数字を見てもピンときません。全国47都道府県の平均を偏差値50として、10指標を1枚のチャートにまとめました。外側に張り出しているほど「多い・強い・高い」、内側にへこんでいるほど「少ない・弱い・低い」です。気温・降水・紫外線・地震が外に張り出し、降雪と日照がへこんだ形をしています。

50=全国平均70 気温64降水量68降雪量42日照時間51晴れの出現率54湿度52紫外線65風速55台風57地震61

中央の太い十角形が偏差値50(=全国平均)、いちばん外の枠が偏差値70です。地震だけは値が一部の県に極端に偏るため、対数をとってから偏差値化しています。

正確な数値と順位、それぞれのランキングページへの入口は下の表にまとめました。「鹿児島県のことが知りたい」人はこのページで完結し、「他県と比べたい」人はランキングへ進めます。

鹿児島県の10指標。値・偏差値・全国順位・九州内順位。
指標偏差値 全国順位九州内順位 全国の中での位置ランキング
🌡️ 気温(年平均気温) 18.8℃ 64 2位/ 47位中 2位/ 8位中 平均気温ランキング →
🌧️ 降水量(年間降水量) 2,435mm 68 3位/ 47位中 2位/ 8位中 降水量ランキング →
⛄ 降雪量(年間降雪量(深さ合計)) 2cm 42 32位/ 47位中 3位/ 8位中 降雪量ランキング →
🌞 日照時間(年間日照時間) 1,942時間 51 26位/ 47位中 5位/ 8位中 日照時間ランキング →
🌤️ 晴れの出現率(晴れの日の割合(58年集計)) 45.2% 54 24位/ 47位中 4位/ 8位中 晴れの出現率ランキング →
💧 湿度(年平均湿度) 70% 52 17位/ 47位中 4位/ 8位中 湿度ランキング →
🧴 紫外線(UV指数の年平均(推定値)) 4.75 65 2位/ 47位中 2位/ 8位中 紫外線ランキング →
🍃 風速(年平均風速) 3.3m/s 55 12位/ 47位中 2位/ 8位中 平均風速ランキング →
🌀 台風(接近数(年平均)) 3.9個/年 57 2位/ 47位中 2位/ 8位中 台風の接近数ランキング →
🌏 地震(震度1以上の回数(年平均)) 114.0回/年 61 8位/ 47位中 1位/ 8位中 地震観測回数ランキング →
この数値を引用する・CSVで保存する
鹿児島県の年平均気温は18.8℃(2位)、年間降水量2,435mm(3位)、
年間日照時間1,942時間(26位)、晴れの出現率45.2%(24位)。
出典:気象予報士のぶやんの学習帳「鹿児島県の気候データ」
   気象庁 平年値(1991〜2020年)/鹿児島地方気象台/
   気象庁 震度データベース/防災科研 J-SHIS 2024年版/
   当サイト58年独自集計(天気出現率)
   {{PAGEURL}}
   2026年7月 取得

0310の指標を、1つずつ読む

ここからは10の指標を1つずつ取り上げて、鹿児島県がなぜその数字になるのかを気象予報士の視点で解説します。数字そのものは上の表とチャートに出ていますので、ここでは「その数字を生んでいる仕組み」と「数字だけ見ていると誤解すること」を中心に書きます。

01

気温 ── 全国2位、夜まで暑い黒潮の南国

結論:鹿児島の気温は全国2位。昼の猛暑日26位に対し、熱帯夜は全国2位——主役は「夜」。
18.8 偏差値 64 全国 2位 / 47位中 九州 2位 / 8位中 平均気温ランキング →

年平均気温18.8℃は全国2位、偏差値64。沖縄に次ぐ暖かさです。この値は薩摩半島の鹿児島市のもので、県土が南北600kmに及ぶこの県では、奄美の名瀬は21.8℃とさらに沖縄に近い水準。「本土でいちばん暖かい県」と「亜熱帯の島々」を一つの県が抱えています

鹿児島の代表観測点(鹿児島市)は、桜島を望む錦江湾の奥にあります。冬日(最低0℃未満)は年1.7日・全国46位で、真冬日はゼロ。冬でも昼は13℃前後まで上がり、路面凍結や雪かきとはほぼ無縁の暮らしです。1月の平均最低気温4.9℃は、東京の3月上旬並みの暖かさです。

夏の主役は昼ではなく夜です。猛暑日(最高35℃以上)は年12.8日・全国26位と意外に控えめですが、熱帯夜(最低25℃以上)は年55.8日で全国2位。8月の平均最低気温は26.0℃——ひと晩じゅう25℃を下回りません。黒潮に囲まれた海が夜も冷えないためで、夏の熱中症対策は「夜の寝室」まで含めて考える必要があります。

夏と冬の「極値」鹿児島県の値 全国順位くわしく
猛暑日(最高35℃以上)12.8日 / 年26位 / 47位中 猛暑日ランキング →
熱帯夜(最低25℃以上)55.8日 / 年2位 / 47位中 熱帯夜ランキング →
冬日(最低0℃未満)1.7日 / 年・真冬日は0日46位 / 47位中 冬日・真冬日ランキング →

この3行が、年平均18.8℃という数字の中身です。冬日46位・熱帯夜2位——「冬が来ない」ことと「夜が冷えない」ことが、全国2位の実体です。夏は夜間の熱中症と睡眠環境を、冬は暖かさゆえに霜に弱い農作物を。南国の気温には、南国なりの備え方があります。

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02

降水量 ── 全国3位、6月570mmの梅雨と「8・6水害」の記憶

結論:主役は6月570mm。1993年8月6日、鹿児島市は豪雨の怖さを歴史に刻んだ。
2,435mm 偏差値 68 全国 3位 / 47位中 九州 2位 / 8位中 降水量ランキング →

年間降水量2,435mmは全国3位、偏差値68。高知・宮崎に次ぐ多雨県です。月別では6月570mm——県庁所在地の月降水量として全国トップ級で、雨の少ない12月(93mm)の6倍にあたります。シラス台地の県だけに、この梅雨の集中豪雨は土砂災害と直結します。

そして鹿児島には、1993年(平成5年)の8・6水害という記憶があります。停滞した前線による記録的な豪雨で鹿児島市の甲突川などが氾濫し、市街地が広く浸水、土石流も相次ぎました。県の2,435mmという数字は鹿児島市の値で、洋上の屋久島は年4,652mm——「月に35日雨が降る」と形容された日本一の多雨の島を、この県は抱えています。

もうひとつ、雨の量では見えない指標が雷です。鹿児島県の年間雷日数は27.4日で全国7位。ピークは7月の5.4日で、強い日射による夏雷型です。夏の屋外レジャーや火山観光では、噴煙だけでなく積乱雲の急発達にも敏感でいてください。

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03

降雪量 ── 年間2cm、南国でも雪はゼロではない

結論:鹿児島市の平年値は2cm。数年に一度の寒波では、桜島も白くなる。
2cm 偏差値 42 全国 32位 / 47位中 九州 3位 / 8位中 降雪量ランキング →

年間降雪量は2cm、全国32位——実は九州8県では3番目に多い値です。強い寒波のとき、東シナ海で湿った雪雲が薩摩半島に流れ込みやすい位置にあるためで、「南国なのに、九州北部より積もることがある」という意外な顔を持っています。

寒気が強まると、内陸と山地には別の冬が現れます。霧島の高原では雪と路面凍結が毎年の前提で、えびの高原へ続く冬の道は冬タイヤ・チェーンの世界。市街地でも数年に一度の寒波では積雪し、雪化粧した桜島が見られます。鹿児島市の2cmという平年値を、県全体に当てはめないでください。

それでも暮らしの前提は「雪のない県」です。2016年1月の寒波では九州一円で水道管の凍結破裂が相次ぎ、鹿児島も例外ではありませんでした。雪の日の出現率は1月4%・2月4%。降雪量の順位が下位の県ほど、雪への耐性は低い。この逆説は、雪の指標を読むときに必ず頭に置いてください。

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04

日照時間 ── 全国26位、桜島の空は「梅雨しだい」

結論:年1,942時間は全国中位。6月109時間の梅雨が、年間の谷をつくる。
1,942時間 偏差値 51 全国 26位 / 47位中 九州 5位 / 8位中 日照時間ランキング →

年間日照時間1,942時間は全国26位、九州8県では5番目——気温2位の南国としては、意外に平凡な数字です。理由は二つ。梅雨が長く深いこと、そして夏から秋の台風と湿った空気が、南ほど雲を増やすことです。

月別で見ると、最も短いのは梅雨まっただ中の6月109時間。逆に最も長いのは8月207時間で、梅雨明け後の盛夏に日照が集中します。冬は133〜143時間と、同じ九州でも冬晴れの宮崎(193時間)や大分(149時間)には届きませんが、それでも山陰や北陸の冬(60〜70時間台)の約2倍。「冬にちゃんと日が差す」のは南九州共通の強みです。

いちばん晴れの出現率が高いのは10月の58%で、快晴も10月・11月に集中します。桜島がいちばん美しく見えるのは、空気が澄んで空が抜ける秋から冬。梅雨の「日照の谷」と、秋冬の「観光の空」——この落差を知っていれば、旅の計画も洗濯の段取りも立てやすくなります。

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05

天気出現率 ── 月別の晴れ・曇り・雨・雪

結論:10月の晴れ58%が年間1位。梅雨の6月は晴れ25%まで落ちる、振れ幅の大きい空。
45% 偏差値 54 全国 24位 / 47位中 九州 4位 / 8位中 晴れの出現率ランキング →

日照時間は「太陽が何時間出ていたか」の合計であって、「晴れの日が何日あったか」ではありません。旅行の日程を決めるときに知りたいのは、たいてい後者のほうです。そこで、その月にどの天気が何割の日に出たかを帯グラフにしました。帯の幅がそのまま出現率(%)です。

年間452430
1月4429234
2月4425284
3月4222351
4月442333
5月392932
6月252748
7月442036
8月511832
9月472132
10月582022
11月542323
12月5027221

帯の幅がそのまま出現率(%)。 晴  くもり  雨 

この形にすると、鹿児島の空の性格が見えます。晴れの帯は10月58%をピークに秋がいちばん厚く、梅雨の6月は25%まで細ります。雪の帯は1月・2月にわずか4%。「空の当たり月は10月・11月」——桜島の眺望も、この時期がいちばん期待できます。

6月は雨の帯が48%——2日に1日は雨が降る、一年で最も雨の日が多い月です。年間でも雨の日の割合は30.4%・全国9位と多め。この帯グラフは気象庁の平年値(30年)ではなく、1968年から2025年までの58年分の観測を独自集計した値です。年間の晴れ率45.2%・全国24位という1つの数字だけでは、この性質は読み取れません。

4つの天気それぞれで全国順位を出すと、鹿児島の性格が見えてきます。晴れは全国24位(45.2%)、くもりは37位(23.5%)、雨は9位(30.4%)、雪は43位(0.8%)。くもりが下位で雨が上位——どんよりは少なく、「晴れるか、しっかり降るか」の南方型です。快晴日数は30.7日・全国20位。晴れの質では、快晴2位の隣県・宮崎に軍配が上がります。

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06

湿度 ── 年平均70%、梅雨に湿り、秋に乾く

結論:6月は78%の蒸し暑さ。10月には67%へ——空気の入れ替わりがはっきりした県。
70% 偏差値 52 全国 17位 / 47位中 九州 4位 / 8位中 湿度ランキング →

年平均湿度70%は全国17位、偏差値52。黒潮に囲まれた南国としては、意外なほど「ふつう」の値です。ただしこの指標も、年平均のままでは中身が見えません。

月別では梅雨の6月が78%でピーク、7月76%・8月74%と夏は高めが続きます。32℃超の昼と全国2位の熱帯夜にこの湿度が重なるため、体感の暑さは気温以上。屋外の作業や部活動は、気温だけでなく暑さ指数(WBGT)で判断してください。

秋は10月に67%まで下がり、空気の入れ替わりがはっきり分かります。冬は65〜67%。乾いた北西風の日は桜島の降灰が舞いやすく、洗濯物の外干しは風向きと降灰予報のチェックが鹿児島流です。

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07

紫外線 ── 全国2位、本土最強クラスの日差し

結論:UV指数の年平均は全国2位。8月7.7は「非常に強い」の一歩手前。
4.75UV指数 偏差値 65 全国 2位 / 47位中 九州 2位 / 8位中 紫外線ランキング →

UVインデックスの年平均は4.75で全国2位。沖縄に次ぐ強さで、本土では事実上の最強クラスです。北緯31度台の緯度がそのまま効いており、これに離島部を加えれば、暮らしの中の紫外線量は本土の他県と別次元と考えてください。

月別で注目してほしいのは、5月にすでに5.7(「強い」の上位)へ達することです。気温はまだ26℃前後で心地よいのに、紫外線は真夏に迫る水準。海や離島へ出かけたくなる季節ほど、対策が抜けやすくなります。海面の照り返しが体感以上に紫外線を増やすことも忘れずに。

ピークは8月の7.7で、「非常に強い」(8以上)の一歩手前。6月は梅雨の雲でいったん5.4に下がり、梅雨明けとともに跳ね上がる形です。9月も5.9残るため、実質的な対策期間は4月から9月までの半年間。雲があっても紫外線の6〜7割は地表に届くので、曇りの日を「大丈夫な日」と考えないでください。

「何月の何時が強いのか」は、月平均だけでは分かりません。下は晴天時のUVインデックスを月と時刻の両方で並べた表です。

晴天時UVインデックス早見表(月×時刻)

結論:7月の正午〜13時が最も強く9.2。 「非常に強い」に入るのは7月と8月の11〜14時だけですが、5月・6月の正午は7.5〜7.8で「強い」に達します。 気温がまだ過ごしやすい5月の昼にも、真夏に近い紫外線が降っていることが表から読み取れます。

九州の晴天時UVインデックス(九州北部〜中部の代表値)。行が月、列が時刻。
891011121314151617
1月0.00.41.11.92.42.41.81.10.40.0
2月0.20.71.72.73.43.52.81.80.80.2
3月0.41.32.74.04.84.73.82.51.20.4
4月0.92.23.95.46.26.04.93.31.70.6
5月1.53.15.06.77.57.25.94.02.20.9
6月1.63.35.27.07.87.66.44.52.61.1
7月1.83.76.08.19.29.17.75.53.21.5
8月1.43.35.67.68.78.67.14.92.71.1
9月0.92.44.25.96.76.45.03.21.50.4
10月0.61.63.04.24.84.43.21.80.70.1
11月0.20.91.92.73.12.82.01.00.30.0
12月0.10.51.21.92.32.21.60.80.20.0

弱い0〜2中程度3〜5強い6〜7非常に強い8〜10極端に強い11以上

色は気象庁・WHOのUVインデックス区分そのものです。枠で囲んだ数字はその月のピーク。 6時台・7時台と18時以降は、一年を通してUVインデックスが1未満のため列から省いています(対策不要の水準です)。 値は雲のない晴天時の推計で、曇りの日は6〜7割程度に下がります。晴天時の値は緯度でほぼ決まるため、この表は九州北部〜中部の代表値です。より南の鹿児島では、同じ晴天でも1〜2割ほど、奄美や離島ではさらに強めに見積もってください。

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08

風 ── 全国12位、半島と海峡が風を集める

結論:平均風速は全国12位・九州2位。本当のリスクは平均値ではなく、台風の暴風。
3.3m/s 偏差値 55 全国 12位 / 47位中 九州 2位 / 8位中 平均風速ランキング →

年平均風速3.3m/sは全国12位、偏差値55。九州8県では沖縄に次ぐ2位です。鹿児島市は錦江湾の奥にありながら、薩摩・大隅の二つの半島と海峡が風の通り道をつくり、季節風も台風の風も素通しにしない地形です。この指標は代表地点の立地に最も左右されやすいので、順位だけを一人歩きさせないでください。

一方で、県内の風の顔は場所によってまるで違います。東シナ海に突き出た枕崎や佐多岬周辺は風の強い土地として知られ、洋上の離島はさらに別格です。逆に盆地状の内陸では風が弱まり、朝晩は冷気が溜まる。「鹿児島県の風速」という1つの数字が代表できる範囲は、実はかなり狭いのです。

季節では2月・3月の3.6m/sが最も強く、梅雨どきの6月が3.0m/sと最も弱い——冬から春の季節風が主役の年変化です。そして年平均風速という指標には、台風の暴風はほとんど反映されません。鹿児島の風の本当のリスクは平均値の中ではなく、次の指標にあります。

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09

台風 ── 上陸45回で日本一、接近も全国2位の「台風銀座」

結論:上陸45回は2位の2倍近い日本一。枕崎台風の名は、気象史に刻まれている。
3.9個/年(接近) 偏差値 57 全国 2位 / 47位中 九州 2位 / 8位中 台風の接近数ランキング →

この表で台風の指標に使っているのは「上陸数」ではなく「接近数」です。先に理由を書きます。気象庁の「上陸」は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、沖縄県は定義上どれだけ台風が通っても上陸に数えられません。上陸数で47都道府県を並べると、日本で最も台風の影響を受ける沖縄が最下位に並ぶという逆転が起きます。また上陸は中心が最初に達した1県だけを数えるため、隣県が大きな被害を受けても数字に表れません。中心から300km以内に入った回数を数える「接近数」なら、47都道府県すべてを同じものさしで、しかも毎年の値として比べられます。

「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することをいいます。その回数45回は、2位の高知(26回)を大きく引き離す全国1位。南からの台風が最初に届く薩摩・大隅の両半島は、文字どおり日本の「台風の玄関」です。1945年の枕崎台風、1951年のルース台風——気象史に残る台風の名前に、この県の地名が刻まれています。

接近で数えると、鹿児島(九州南部)には毎年年3.9個(気象庁平年値・1991〜2020年)。さらに奄美地方は年4.3個と一段多く、離島部ほど台風との付き合いは濃くなります。月別では7月0.7個・8月1.0個・9月1.2個で、この3ヶ月に年間の約7割が集中。台風は「来やすい時期」がわかっている——つまり備えを計画できる災害です。市町村別の詳しい接近回数は台風の接近数ランキングで確認できます。

警戒すべきは、暴風と高波、そして離島の孤立です。1945年の枕崎台風は上陸時の中心気圧916.1hPaという記録的な強さで、全国で3,700人を超える犠牲者を出しました。現代でも、強い勢力のまま上陸しやすいこの県では、停電・交通途絶・離島航路の欠航が長引きがちです。台風上陸日本一という数字は、「備蓄と早めの避難計画が日本一必要」という意味に読み替えてください。

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10

地震 ── 過去の観測回数と、これからの確率

結論:回数は九州1位の年114回。桜島・トカラ列島・直下の断層——三つの顔を持つ。
約114.0回/年 偏差値 61 全国 8位 / 47位中 九州 1位 / 8位中 地震観測回数ランキング →

全国8位、九州では断然の1位。年平均114回は、九州2位の熊本(74.5回)を大きく上回ります。月別表を見ると7月が2,127回と突出——2025年7月のトカラ列島近海の群発地震で、悪石島では震度6弱を観測しました。桜島をはじめとする火山の地震、繰り返す群発、そして直下の断層。この県の「揺れの多さ」は、一つの原因では説明できません。

九州8県の地震観測回数(震度1以上・回/年)

鹿児島県114.0
熊本県74.5
沖縄県69.0
長崎県36.7
宮崎県27.5
大分県24.7
福岡県15.7
佐賀県7.6

1919〜2026年の107年間の平均。バーの長さは鹿児島県を100%とした割合。出典:気象庁 震度データベース検索

「地震が少ない=安全」ではありません

この数字は過去に何回揺れたかであって、これから何回揺れるかではありません。2016年の前まで、熊本は「地震の少ない県」と見られていました——だからこそ、あの地震の教訓は重いのです。石川は2024年に、やはり「回数が多い県」ではないところで大きな被害が出ました。むしろ、回数が少ない県ほど耐震意識と備えが薄いという指摘があります。揺れ慣れていないぶん、家具の固定も備蓄も後回しになりやすいためです。過去の回数は防災の判断材料の半分でしかありません。

そこで、残り半分の「これからの確率」を並べます。地震調査研究推進本部(J-SHIS)が公表している、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率です。

過去の実績

約114.0回/年

震度1以上(1919〜2026年)・全国8位。107年間の合計は12,200回。過去にどれだけ揺れたか

これからの確率

13.8%

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率。鹿児島県庁位置・J-SHIS 2024年版(2026年7月取得)。これから揺れる可能性

足元の活断層

0.3〜1%

甑断層帯(甑区間)の30年以内の地震発生確率。M7.5程度・地震本部 長期評価。出水断層帯(M7.0程度・ほぼ0〜1%)や市来断層帯(M7.2程度)も足元に

火山と群発地震の県。鹿児島の地震回数を押し上げているのは、桜島などの火山周辺の地震と、トカラ列島近海で繰り返される群発地震です。2025年の群発では悪石島で震度6弱を観測しました。1997年には鹿児島県北西部でM6.6・M6.4の直下型が続発、1914年の桜島地震(M7.1)は大正大噴火とともに起きました。活断層では甑断層帯(M7.5程度・0.3〜1%)のほか、出水断層帯・市来断層帯が足元にあります。県庁位置の30年確率13.8%は九州では低めですが、この県のリスクは「確率マップに映りにくい火山と群発」。回数九州1位という数字は、その鼓動の記録です。

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04県内の主要都市を比べる

同じ鹿児島県でも、錦江湾の鹿児島市と、亜熱帯の奄美、多雨の屋久島、風の枕崎ではまるで別の気候です。南北600km——日本でいちばん「県内の気候差」が大きい県のひとつです。

鹿児島市県庁所在地

年平均気温
18.8℃
年間降水量
2,435mm
年間日照時間
1,942時間
猛暑日日数
12.8日

桜島を望む錦江湾奥の県都。熱帯夜55.8日と夜まで暑い夏、雪をほぼ知らない冬。

名瀬(奄美市)奄美大島

年平均気温
21.8℃
年間降水量
2,936mm
年間日照時間
1,332時間
猛暑日日数
2.2日

亜熱帯の奄美大島。年21.8℃・雨2,936mm、日照1,332時間は「曇りと雨の南国」。

屋久島(屋久島町)世界自然遺産の島

年平均気温
19.6℃
年間降水量
4,652mm
年間日照時間
1,516時間
猛暑日日数
0.0日

年4,652mmは日本最多雨クラス。猛暑日ゼロ——山と雨と苔の世界自然遺産の島。

枕崎(枕崎市)薩摩半島の南端

年平均気温
18.3℃
年間降水量
2,336mm
年間日照時間
1,913時間
猛暑日日数
1.7日

「台風銀座」の代名詞になった港町。東シナ海の風と、黒潮のカツオの街。

05気象予報士の総括

10の指標を通して見ると、鹿児島県は「火山と黒潮と離島が同居する、気候のデパート」だと言えます。気温2位・紫外線2位・台風上陸1位・地震回数九州1位——「南の玄関口」の顔がずらりと並ぶ一方で、日照26位・晴れ率24位と空の数字は意外に平凡、南国なのに降雪は九州3位。この振れ幅こそが、南北600kmの県土の証です。

月別に分解すると、主役の交代がはっきり見えます。6月は雨570mm・雨の日48%の梅雨、7〜9月は熱帯夜と台風、10月は晴れ58%で空が一気に入れ替わり、冬は冬日わずか1.7日の温暖。「季節ごとに別の県になる」のが鹿児島の月別表です。奄美や屋久島まで含めれば、その振れ幅は文句なしの日本一級です。

そして9番目と10番目、台風と地震。台風上陸45回は2位の2倍近い日本一で、枕崎台風の名は気象史に刻まれています。地震は年114回で九州1位——ただし中身は桜島など火山周辺の地震と、2025年に悪石島で震度6弱を観測したトカラ列島の群発が主役で、30年確率13.8%という数字には映りにくいリスクです。順位の並びだけでは、この県は読めません

夏は「夜の暑さ」で守り、台風は「日本一の常連」として構え、地震は「火山の鼓動」として聞く——このページの結論はこの一行です。

06近くの県・気候が似た県と比べる

「鹿児島と沖縄って何が違うの?」に答えるための入口です。詳細ページが未公開の県は、47都道府県データの一覧表で該当行を確認できます。

47都道府県データの一覧表で、複数の県を並べて比較する →

07関連ページ

出典・集計方法・データの限界
気温・降水量・日照時間・湿度・風速
気象庁の平年値(1991〜2020年)。県の代表値は鹿児島地方気象台の観測値、県内都市は各地の気象台・観測所の値です。
偏差値と全国順位
全国47都道府県の代表観測点の値から当サイトが算出しました。
紫外線(UV指数)
日本国内の実測地点が限られているため、気象庁の紫外線解析値(推定値)をもとにした値です。実測値ではありません。
天気出現率
気象庁の日別天気概況をもとに、日ごとの天気を晴れ・曇り・雨・雪の4区分に集計(1968〜2025年の58年分・当サイト独自集計)。
降雪量
気象庁の平年値(降雪の深さ合計)。
地震
気象庁「震度データベース検索」で震度1以上を観測した回数(1919年1月〜2026年、観測点数の増加による影響を含みます)。
30年確率・活断層
地震調査研究推進本部/防災科研(J-SHIS)の公表値。

1日のうちで天気が変わった日は代表的な天気に寄せているため、天気出現率は体感と数%のずれが出ることがあります。

降雪量と地震の偏差値は、値が一部の県に極端に偏るため、対数変換したうえで算出しています。

台風の列について。月別表の台風は鹿児島県単独ではなく、九州南部(奄美地方を除く)への接近数の平年値(気象庁・1991〜2020年)です。たとえば「7月 0.7」は「毎年7月に平均0.7個接近する」という意味です。

地震の列について。月別表の地震だけ色を付けていません。7月が突出しているのは「2025年7月のトカラ列島近海の群発地震がその月に集中した」という直近の記録の影響で、季節性ではありません。年間にならすと約114.0回(12,200回÷107年)です。

監修:のぶやん(気象予報士)/最終更新:2026年8月1日

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